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「ウソvs真実」の選挙

堺市長選がいよいよ佳境を迎えています。

 

私がこの選挙で痛感しているのは、「維新vs反維新」の選挙というより、「ウソvs真実」の選挙であるということです。

 

今回の選挙での、維新陣営によるウソ・欺瞞・ええかげんな情報発信は、度が過ぎています。単なる支援者の個人的な情報発信ではなく、陣営のチラシや公報などでの、公式な発信がそうなのです。

 

一部、紹介します。

 

 

■借金を8倍に水増し

「臨時財政対策債を除く市債残高」を「200億円増!」と宣伝するも、真実は25億円。つまり8倍に水増し。この数字については、議会において「事実でない」ことが指摘されましたが、その後もこの発信は平然と続けられました。

 

 

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 なお、真実である「25億円の増加」と言ってもピンとこないと思いますが、

 

・全体から見れば、0.5%程度の増加

・そもそも収入に対する借金残高の割合は、大阪市の1/8、大阪府の1/12

・やむを得ない事情(※)により一時的に約200億円増加し、その後は着実に減少

 

ということを踏まえれば、もはや批判の対象になるレベルではありません。

 

(※)市立堺病院の独立行政法人化や、政令市になることで担うことになった阪神高速道路大和川線の建設等

 

 

 

■政令市トップレベルの補助なのに

がん検診の補助について「補助が出ていないのが大きな課題」と書かれていますが、実際には費用の約9割を補助しています。これは政令市トップレベルの補助率です。

 

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■直談判が、なかったことに

「中百舌鳥駅の乗り継ぎ改善」について、「大阪市と南海電鉄に押しつけて取り組まず」とありますが、実際には市長が自ら南海電鉄社長に直談判し、ダイヤ改正で改善してもらっています。それは議会でも度々紹介されています。

 

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なお、ハード面での改善については、当事者が南海電鉄と、大阪市営地下鉄(つまり維新の吉村市長)であり、その吉村市長ですら議会で課題が多いことを認めています。これが進まないことを、第三者である堺市の竹山市長の責任にするのは、あまりに無理があります。

 

 

 

■二度の値下げも、なかったことに

堺市の水道料金を「高すぎる」と指摘した上で、竹山市政で「8年間改善されなかった」と選挙公報に記載しています。実際には、8年間で2度(上水道・下水道各1回)の値下げをしており、「改善されなかった」は明らかなウソです。

 

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他にも、明からな「ウソ」でなくとも、「ウソ」と言われても仕方がないものや、議会での自らの言動を忘れたかのような、ええ加減な宣伝があまりに多くあるのです。

 

■チラシに「保育園がすくない(西区・20代)」と、市民の声とおぼしきものを紹介しているが、西区は待機児童ゼロ。

 

■堺市の学童保育が「高い」と批判した上で「大阪市はタダ」としているが、実際に「タダ」なのは学童保育ではなく、放課後の学習支援事業。大阪市の学童保育は民間運営で、堺市の倍近い料金。

 

■堺市の水道料金を「べらぼうに高い」と表現するも、実際には大阪府内43市町村で安い方から9番目。

 

■無駄なハコモノだと批判し、建設の白紙を訴えている百舌鳥古市古墳群ガイダンス施設は、5年前、「ガイダンス施設建設用」として、維新の会も賛成の上で建設予定地の購入が決定した。

 

■同じく無駄なハコモノだと批判している原池公園野球場は、維新の会の米田敏文議員が粘り強く議会で建設を要望してきて実現した。

 

■橋下知事(当時)が、「(自治体の財政を評価する際には)この部分を除いて、見なきゃいけない」と言った『臨時財政対策債』を、除かず、しっかり載せて竹山市政の財政を批判。これを除けば、前述のとおりほぼ横ばい。

 

■「(堺市の)市民税が上がった」という一般人のツイートを、「維新の公式アカウント」がリツイートして拡散。しかし、真実は「市民税は全国一律の税率」。維新がウソの情報を拡散。

 

 

と、挙げればキリがありません。他にもこうした事例が山のようにあるのです。

 

 

私たち政治の側に立つ人間と、有権者との関係は、主張がどうであれ、過去や現在の客観的な事実については、「真実」をお伝えすることが大前提で成り立っています。

 

産地偽装の食品を、一消費者が簡単に見抜けないのと同じで、政治の側の人間がウソをついて選挙をしてしまえば、一有権者がそれを見抜くのは困難です。

 

それを見透かしたかのような維新のデマの数々には、強烈な嫌悪感と、ある種の恐ろしさを感じてなりません。

今回の選挙で、もし維新の会が勝利すれば、こうしたウソやデマによる選挙がまかり通ってしまうのではないか、こんな戦術が広がってしまうのではないかと、強く危惧しています。

 

堺のためにも、日本の政治のためにも、この選挙は負けるわけにはいきません。

ウソに負けるわけにはいかないのです。

 

※なお、竹山市長が発信している「真実」については次のブログにて

 

 

 

 

堺市議会議員  ふちがみ猛志

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