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「ガイダンス施設40億円」にも一理あり

百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録に向けて、仁徳天皇陵(大仙古墳)の西側、

大阪女子大跡地に建設される、百舌鳥古墳群ガイダンス施設の建設費用についての応酬がありました。

 

 

本会議にて、

維新の会が「40億円」としたのに対し、

当局が「いや、20億円」と返し、

 

続く予算審査特別委員会にて、維新の会が、土地購入費10億円や諸々の経費を示し「やはり40億円」とし、

当局が、「土地10億円は、大阪女子大跡地全体で、ガイダンス施設に使うのは約3割、約3億円相当でしかない」

という主旨の説明をし、「40億円は不正確」だと返したのです。

 

 

たしかに、ガイダンス施設の「建設」費用は、今のところ「約20億円」です。

 

しかし、施設の是非を問う議論をしているのですから、土地購入費や、周辺整備費なども意識するのは当然で、

それが30億円台後半になるのだから、「約40億円」と言っても、差し支えないように思えます。

 

しかし、しかし!大阪女子大跡地5.3haのうち、ガイダンス施設の用地は1.5haのみであり、

残りの土地も「ガイダンス施設建設費」だとして議論するのは、少々乱暴です。

そこを勘案すると(差し引くと)、ちょうど30億円ほどになりますから、それが妥当なのだろうと私は思います。

 

 

この辺りは、、、

 

できるだけ正確に、、、というより、安く見えるようにしたい当局。

 

そして、この施設をハコモノ批判し、高く見せたい維新の会。

 

この姿勢の違いが出たやり取りだったように思います。

 

※維新の会は、ガイダンス施設建設を前提とした土地購入には賛成していますから、

今更建設反対を主張するのには違和感を覚えますが、そこはこのブログの本論ではありません。

 

 

さて、それでもなお!

 

私は、維新の会が主張する「ガイダンス施設40億円」に、一理あるように思えます。

 

 

なぜならそれは、当局が「ガイダンス施設の経費に乗せるべきでない」とした、

大阪女子大跡地の残り3.8ha(全体5.3ha-ガイダンス施設1.5ha)について、使い途が決まっていないからです。

 

仮にこの土地が使われないのだとしたら、、、

中長期に亘って塩漬けになるのだとしたら、、、、

 

そもそも、ガイダンス施設を作らなければ買うことのなかった土地ですから、

その費用もガイダンス施設のものと捉えざるを得ません。

 

 

私がここで問題としたいのは、ガイダンス施設が「40億円なの?」「30億円?」「いや、20億円?」という話ではありません。

 

使い途の決まっていない土地が、3.8ha、7億円分もあるということです。

(そのことが、ガイダンス施設の建設費の応酬で、改めてクローズアップされました)

 

冒頭の議論の金額の違いは、まさにこの3.8haが、ガイダンス施設のもの(その付属)と捉えるか、

あるいは別目的に活用するものと捉えるか、その違いなのです。

 

 

 

おそらく、オープンになっていないだけで、市当局はしっかりと、

活用方法の検討を進めてくれていると信じていますが、早急に構想をまとめてオープンにしないと、

「ガイダンス施設の建設費」ではなく、「7億円もの土地が宙に浮いていること」自体に、議論が集中していくことでしょう。

 

 

私はかねてから議会や、各種の媒体で発信している通り、この女子大跡地の残り3.8haには、

老朽化による建て替えが不可避の中央図書館、そして10年後には同じくその議論の対象となる博物館を、

集約すべきと考えています。できれば、(単体では難しくとも)新博物館に美術館機能を加えたいものです。

 

ガイダンス施設と共に、堺の歴史と文化が詰まったエリアにするのです。

 

そのためにも、この土地の活用を(所管している)文化観光局任せにせず、また、

中央図書館の建て替え事業を教育委員会任せにせず、「文化都市・堺」をどうしていくのか、

その中で、この土地をどう活用していくのかということを、全庁的に議論をしてもらいたいと思います。

 

 

 

 

堺市議会議員  ふちがみ猛志

意見・提案