「国と沖縄県との誠実な対話を求める意見書」に込めた想い
本日の堺市議会において、辺野古基地建設の土砂投入を踏まえ、「国と沖縄県との誠実な対話を求める意見書」をソレイユ堺が提出し、維新、共産、長谷川議員の賛成を得て、可決いたしました。(自民・公明は反対)
私は提案会派を代表し、意見書を読み上げました。
なぜ、堺市議会で沖縄のことを???
それは、この問題が、外交・防衛など安全保障のことだけにとどまらず、「地方自治」に関わる問題だからです。
少なくともこの意見書においては、「基地を作るな」とも「作れ」とも言っておりません。
どちらになるにせよ、「もっと誠実に対話をしてほしい」「(工事の強行ではなく)協議を通じて打開策を見出してほしい」と求めているのです。
これは、沖縄県だけの問題だけでしょうか??
安全保障という意味では国民全体で考えるべき問題でありますし、それだけではなく、「国と地方とのトラブル解決の重大な事例」として、国民全体、地方自治体全体に関わる問題だと思うのです。
この後半部分が、この意見書の視点です。
国がやろうとすることに、地方自治体が反発するということは、決して珍しいことではありません。
その時に、いくら地方自治体と、その住民が何度も何度も意思を示そうが、頭ごなしに、それも法令、あるいは法令の主旨に反する手続きで、国が強行してしまう。「寄り添う」と言いながら寄り添わず、「誠実に」と言いながら、住民投票を前にその結果を見ようともしない。
これは、「国と地方自治体との間で起こる様々な問題を処理する上での、悪しき前例」となるのではないかと、私たちは一地方議会として、深く憂慮しているのです。
明日は我が身です。
繰り返しますが、これは安全保障だけの問題ではないのです。基地だけではないのです。
私たちは、様々な課題で、国と意見が合わないことがあります。子育てのことでも、福祉のことでも、産業振興のことでも、その財源配分のことでもです。
そして、私たち地方議会や、地方自治体は、市民のために、国に対してモノ申すことがあります。
その時に、どれだけ市民の思いを伝えても、「沖縄でもそうしたんだから」と、強烈な圧力で国の施策を押し付けられてしまうかもしれません。
大きな負担を背負わされてしまうかもしれません。
もちろん、最終的には国としてそれをやらざるを得ないことだってあるでしょう。
でも、そのプロセスとして、住民理解を求める努力を尽くすこと、できれば「ゼロか1か」ではなく、誠実な対話によって妥協点を見出すことが大事で、それが政治だと思うのです。
少なくとも、今回の沖縄においては、知事選が終わった直後であり、集中審議をするとしている最中であり、また住民投票が行われる直前である今、工事を強行するべきではないはずです。それは「誠実な対話」ではないはずです。
そんな沖縄の現状を見過ごしておいて、いつか堺が国との関係で苦しんだ時、誰が助けてくれますか?
私たちの意見書は、極めて微力なものです。
でも、何もしないわけにはいきません。
この意見書に込めた想いが、同じ立場にある全国の地方自治体、地方議会に広がり、少しでも大きな力となって、国に伝わることを願っています。
堺市議会議員 ふちがみ猛志