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たまには国政について

市議である私も、たまには国政について語ろうと思う。

本日、気になったニュース。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150908-00000005-jct-bus_all

消費税の10%への増税に向けて、軽減税率の導入が議論されてきた。

その軽減税率に代わって、マイナンバーで食品の購入履歴をとって、
その2%を後日還付しようというものだ。

なんなんだろうか、この制度は。

そもそも、私は軽減税率の導入に反対である。

賛成派の主張は、
・消費税は低所得者への負担感が強い
・生活必需品である食品の税率を下げて、その負担感を緩和すべき
というものだ。

一方で、私の反対する理由は、

①何が軽減税率の対象か、非常にわかりにくい
「食品」とひとえに言っても、、、、
おまけつきのお菓子は? おもちゃがメインでそれに小さなガムがついたら?
外食は?お持ち帰りは?コンビニの弁当は?スーパーの惣菜は?
低所得対策というけど、キャビアは?フランス料理店での食事は?
とにかく、線引きが難しい。店舗で混乱が生じる。

②その線引きに乗じて、癒着が生まれる
「うちの製品は食品ですよね?高級品じゃないですよね?」
と、軽減税率の対象にしてもらうべく、それを決める政治家と、
それを願う業者との間で、間違いなく癒着が生まれるはず。

③高所得者が購入しても、軽減税率
低所得者対策と言いながら、高所得者も軽減。
財源確保のための増税なのに、それを切り詰めて目的外の高所得者に還付。
何のための増税?何のための軽減税率?

というわけである。

これを今回の、マイナンバーを活用した「後日還付」にした場合、

①については、引き続き残る。
店舗では全部10%で計算されるので、混乱はなくなるように見えるが、
結局、購入者側の混乱は確実に残る。
「これって対象品なの?どうなの?」と、いちいち気にしながら購入するはず。

②については、完璧に残ってしまう。

③については、還付の際に所得制限を設けることで、一見回避できそうだ。
しかし、店舗側はどうだろうか。
マイナンバーで購入履歴を残すために、新しいレジシステムの導入が必要。
零細店舗(低所得者)になればなるほど、その負担感は大きい。
導入できなかった店舗は、「ここで買っても還付対象にならないのね」となる。
店舗側から見れば、低所得者に非常に厳しい制度となるだろう。

そして、さらに!

国家による、国民の監視につながりかねないという、大きなデメリットが追加される。

マイナンバー自体は、トーゴーサン、クロヨンといわれる税の不公平をなくす上で、
一定の効果はあると思う。
しかし、導入には、「情報の安全性が確保されること」「対象が限定的であること」が
当然の条件となろう。

少なくとも、現時点では、年金情報の流出をはじめ、情報の安全性について、
国民は大きな疑念を抱いている。

そこに来て、国民の消費行動まで対象にしようというのだ。
それを還付金というエサをまいて。

おそらくこれを認めると、どんどんと、マイナンバーの対象は広がるだろう。

以上の点から、私は軽減税率の代替としてのマイナンバー活用は反対である。

「低所得者対策」というなら、低所得者の所得税率を0.5%でも下げるとか、
そんなシンプルな措置の方がいいと思う。

とにかく、税はシンプルがいい。
そう思う。

 

 

堺市議会議員  ふちがみ猛志

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