ふちがみ家の里親日記
こんにちは。堺市議会議員のふちがみ猛志です。
私(と妻)が里親登録して2年が経ちました。この間に3人の里子を預かりました。
これまで自分からそのことを広く発信することはありませんでしたが、里親制度について知ってほしいという思いから、ブログに書くことにしました(また2023年夏号の議会活動報告でも記事にしています)。
里親の形はさまざま
「3人の里子を預かった」と聞くと、どんな想像をされますか?
我が家には3人の実子がいます。親しい方々ならばご存じでしょうし、また私のプロフィールにも記載しています。なので、「え!じゃあ、いま家に子どもが6人いるの!?」と想像された方もいるかもしれません。まさか、まさか。
里親と言えば、「一生、その子の面倒を見るもの」と思われていませんか?
里親には大きく、養子縁組里親と養育里親の2種類があります。(ほか、親族里親、専門里親もありますが、ケースが少ないのでこのブログでは割愛します)
養子縁組里親とは、将来、特別養子縁組すること、つまり戸籍上も自分の子にすることを前提とする里親です。お子さんのいないご夫妻がなられるケースが多いだろうと思います。
おそらく「里親」と聞いてイメージするのはこちらが多いのではないでしょうか。
一方、一定期間だけ里子を育てる里親を養育里親と言い、私はこちらです。
そして、その「一定期間がどれくらいか」や「その理由」がさまざまなのです。
里子の状況もさまざま
養育里親が預かる期間は、短くて1週間程度から、長ければ数年にも及びます。場合によっては「18歳になるまで」というケースもあります。
私がこれまで預かった3人の場合は、3週間が1人、1週間が2人です。
幼児が1人、乳児が2人でした。
※顔出しNGが残念!本当にかわいい!!
シングル、あるいはそれに近い状況で子育てをされているご家庭で、母親が入院する間にあずかったケースのほか、長期間預かっている別の里親家庭のレスパイト(休息)でうちに来た子もいました。
養子縁組里親と養育里親の違いをご存じの方でも、「養育里親と言えば、虐待を受けた子を保護する」とイメージされる方が多いでしょうが、それだけではないのです。
なお、虐待による一時保護の場合は、預かる期間が長期に及ぶことが多くなります。
預かる条件はさまざま
里親とはいえ「どんな子でも預かる」わけではありません。里親にも家庭や仕事の事情があります。たとえば実子が中高生にもなると、同年代の異性の里子を受け入れるのには抵抗感がある方もいることでしょう。
なので、養育里親も預かれる里子の条件(希望)を言えるのです。
我が家の場合は「末っ子より小さい子」が条件です。3人の実子の性格や希望を考慮してのことです。
また期間は「2か月くらいまで」、そして「選挙前は避けてほしい」と子ども相談所にはお願いしています。
ちなみに「2か月」としたのは、一時保護の期間が「原則2か月以内」だからです。そのラインを超えるとなると、家庭裁判所の審判による措置となり、長期間に及ぶ可能性が出てくるわけです。
短期の養育里親にも社会的意義
数年単位で預かる里親さんはものすごく大変だろうし、立派だなあと心から思います。一方、私のような数週間、せいぜい2か月の養育里親は、彼らに比べれば「なんちゃって里親」だと自分では思ったりもします。
ただ、そんな短期養育里親にも、社会的な意義はあると思っています。手前みそかもしれませんが。
現在、堺市の里親登録数は約80組。一方で実の家族と暮らせない子は300人ほどもいます。まったく受け皿が足りていません。
子育てにストレスを抱えている場合でも、ほんの数週間、子どもと離れてレスパイト(休息)や治療をすればちゃんと子育てできるようになるケースがあります。逆に預かり先がないことで状況を放置し無理をすれば、深刻な虐待に発展してしまうことだってあるでしょう。
また、レスパイトが必要なのは少なからぬ里親家庭も同じです。多くの場合、実子の養育よりもずっとストレスがかかりますからね。いざという時の受け皿がないと、長期間の里親なんてなかなかできません。
一方、施設で預かるとなると、(短期だからこそ)環境が激変しすぎて、子どもに多大なストレスがかかってしまうこともあるでしょう。通っていた保育所や幼稚園も休まないといけない(可能性が高い)し、いきなり大勢と一緒に暮らす、かかわる大人(スタッフ)も大勢、、、という具合です。「せめて今夜はこの子が好きなカレーにしてあげよう」なんてことも、施設ではなかなかできません。
短期しか受け入れられない里親でも、十分に社会的意義があるのです。
※なので、堺市は「短期」を強調して募集をしたこともあります。
里親家庭にとっても意義がある
私の家庭にとっても、里子を受け入れる度に実子が成長しているように感じます。みんなでせっせと可愛がる様子は微笑ましいものです。また、「うちの子にもこんな小さくてかわいい時があったなあ」なんて思いながら赤ちゃんを抱っこすると、本当に癒されます。
※里子を抱いて喜ぶ実子たち
もちろん生半可な気持ちで預かれるものではありませんし、だから「2か月以上は厳しいなあ」と思っているわけですが、数週間くらいならイレギュラー対応で凌げると我が家では判断しているところです。(と言いつつ預かる度、「働きが足りない」と妻から指摘されている私ですが(-_-;))
そういえば、初めて里子を預かった後、小学生の実子(息子)が突然にこう言いました。
「僕は将来、結婚もしないし、子どもも産まないと思う。でも、里親にはなると思う。」と。
思わず笑ってしまいましたが、私の想いが少しは伝わったんだと感じました。
里親に関心を持たれた方は
「里親をやってみたい!」という方は、ぜひ子ども相談所(072-245-9197)、もしくは里親支援機関リーフ(072-252-3521 / http://sakai-satooya.jp/ )にご連絡ください。
実際にお申込みされますと、複数回の面談(実子にも面談があります)、座学での研修(2日間だったと記憶しています)、児童養護施設での研修(2日間)を経て、晴れて里親に登録されることとなります。
そのあと実際に里子がやってくるかどうかは、神のみぞ知るところでしょう。
私の場合は、登録から約1年後の出会いでした。
「かくかくしかじか、こんな里子ですけど、受け入れ可能ですか?」と子ども相談所から突然に連絡が入ります。最初の里子との出会いの時は、実際に我が家に来る2時間前の連絡だったので本当に驚きました。(その時に都合が悪ければ、受け入れを断ることもできます)
里親制度についてもう少し詳しく知ってみたい方は、こちらのハンドブックをご参照ください(以下リンク先より取得可能)。
また、このブログの続きの里親シリーズとして、「里親についてよくある誤解と質問」について書きました。ぜひあわせてご覧ください。↓↓↓
堺市議会議員ふちがみ猛志
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