カジノ計画に慎重かつ厳正な審査を
本日は堺市議会8月定例会の最終本会議でした。
今回も色々と書きたいことがあるのですが、取り急ぎ最終日の出来事を記しておきます。
私の会派が提案した、「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備計画について慎重かつ厳正な審査を求める意見書」が全会一致で可決しました。
長ったらしい名前の意見書ですねえ。
要するに、「カジノ計画は慎重に審査してね」と、堺市議会が国に申し入れたのです。
見にくいのですが、全文の画像を掲載しておきます。
これまでもカジノの是非については、このブログで取り上げてきました。
https://fuchigami.info/カジノの是非を問う住民投票実施にご協力を/
大阪府・市の計画が、私から見ればまあ無茶苦茶なわけです。それが国に提出され、いま審査を受けているところです。
そこで「軽々に認可せんとって!!」という声を地元自治体からも上げないといけないと思い、この意見書を起案するに至ったのですが、議会においてはカジノ推進派の方が多く(世間とは逆なんですよねえ…)、そう簡単には可決されそうにありません。
本当は、大阪のカジノ計画を徹底的に批判する意見書を出すこともできたのですが、否決されては何の意味もありません。いや、意味がないどころか、否決されるということは、むしろ国に対して逆の意思表明をすることになってしまいかねません。「Aをして」という意見書の否決は、「Aをしなくてよい」という意思表示、つまりこの場合、「慎重にしなくてよい」「早々に認可しちゃって!」という意思表示にもなりうるということです。
そこで、何とかカジノ推進派の方々にも納得し、賛成してもらえるよう、意見書の文面にはずいぶんと気を遣いました。
賛成、反対の理由を両論併記にし、そして双方が主張している「大きな影響のある事業」だということに着目しました。プラスの影響か、マイナスの影響かはさておき、「大きな影響のある事業」なんです。
全国で初となる事業、「大きな影響のある事業」。
だったら、慎重かつ厳正に審査しないと!というわけです。
加えて、一部ではありますが、意見書の賛否を迷っていた会派からの要請を受け入れ、文案の修正にも応じました。
これで、推進派である維新の会も含め、全会一致の可決に持ち込むことができました。
推進派ですらも「慎重かつ厳正に」と意思表示をしたわけです。
国にはこの意見書の重みを十分に認識して頂かねばなりませんし、「軽々に決めるのはまずかろう」と思う府内の議会議員の方々には、できれば同様の動きを取って頂きたいと思います。
私個人としては、意見の違う相手とも合意点を見いだす努力の大事さを、改めて実感しました。いい勉強になりました。
賛成多数で可決するのだから、一歩たりとも反対派に譲る必要はない。
どうせ否決されるのだから、そのまま反対させて、反対したことを批判のネタにしてやろう。
などという考えや行動も議会では散見されますが、私は「合意点を見いだすことこそが政治」だと思っています。時間がかかっても、面倒でも、それが政治です。そしてそれこそが、多様な人が暮らす社会で、誰もが心地よく生きていくことへの近道なんだと思っています。
最後は少々話が逸れましたが、最終本会議の出来事と、その感想でした。
堺市議会議員ふちがみ猛志