コロナの追加対策を要望
一昨日、私の会派・堺創志会のメンバーで、永藤市長に要望書を提出しました。
これまで、新型コロナウイルス感染症対策として、めぼしい政策が打ち出せず、存在感を示せていない堺市ですが、国が二次補正予算で全国の自治体に一括交付金を支給することになり、堺市にも約57億円ものお金が下りてくることになりました。
かつてない、大規模な自由に使える予算として、堺市の名誉挽回、そして何より、市民に適切な支援策を届けられるチャンスがやってきたわけです。
そうした中、永藤市長から「各会派の意向を聞きたい」との打診があり、こちらで要望書としてまとめたものです。(このように市長側から打診があるのは珍しいことで、市長のこの「聴く姿勢」は立派なものだと思います)
25項目にわたって、要望しましたが、その中から、私の思いを強く込めたものを紹介します。
①スクールサポーター、校務支援員の増員
授業の詰め込みが懸念され、かつてない状況にある教育現場ですが、教員の先生方は授業と子どもに向き合うどころか、机やイスの消毒作業、検温の確認、トイレ掃除(※)を始め、コロナ関連の業務が増え、多忙を極めています。教員が授業に集中するためにも、そうした業務を担える人員を、速やかに確保すべきです。
(※)普段は子どもがやっているトイレ掃除ですが、「水がはねると、感染リスクがある」という理由で、教師がやることになっています。私には理解できませんが。
②スクールソーシャルワーカーの増員
長い休校を経ての、学校再開です。毎日のように6時間、学校の楽しいイベントも減らされ、夏休みもわずかです。子どもが精神的に不安定になり、不登校やいじめ、家庭内に課題を抱える子どもが増えることが予想されます。
子どもたちのそうした課題に対応できる専門職として、スクールソーシャルワーカーの増員が必要です。(堺市は、平時でも国の配置基準を満たせていません)
③公共施設の貸館費用の減免
コロナ禍で、様々なイベントが中止に追い込まれ、文化芸術活動が停滞しています。また、各種イベントは再開されつつありますが、過密を避けるために、必要以上に大きな会場を使わなければなりません。
また、総合福祉会館が工事で使用が限定的となり、普段は無料で使える社会福祉団体が、各種会合の際に有料で、それも大きな会場を借りなければならず、大きな負担になっています(そうした社会福祉団体には、コロナによる影響の大きい、コロナ弱者の団体もあります)。
そうした、文化芸術支援、社会福祉支援の一つとして、貸館費用の減免を求めています。
④保育士への慰労金
社会活動維持に必要な職種(エッセンシャルワーカー)で、特にコロナの感染リスクが高い中で業務にあたった方々がいらっしゃいます。医療・介護関係者には、国や府の慰労金制度がありますが、保育士にはありません。マスクをつけない子どもたちと、密着して業務をせざるを得ない保育士さんからは、心配の声が多くありました。金額の多寡はともかく、保育士さんにも光をあてる制度があっていいはずです。
⑤高齢者等の買い物・外出支援
和泉市が75歳以上にバス・タクシーチケットを配布したり、大阪狭山市が買い物代行サービスに補助を出したり、すでに高齢者支援を実行している自治体があります。堺市にはもともと「おでかけ応援バス」がありますし、これを金額面や、あるいはタクシーにも拡充するなどして、コロナ禍の高齢者支援に繋げられるのではないかと思います。
他、会派として、
・出張医療の感染対策支援
・医療機関の感染症対策物品の備蓄支援
・学校備品費の増額
・公共交通の運行支援
・自転車走行空間の積極確保(トリップシフトに対応)
・ひとり親家庭支援
・離職者への就職支援
等々、合計25項目の要望を出しています。
これまでの堺市のコロナ対策には、私は評価できない点が多くあります。(一部、評価する点もありますが)
ただ、永藤市長は、誰もが初めての経験であるコロナ禍を、就任1年目で迎えているわけで、できないことが多くて当たり前だとも思っています。
そんな中、こうして議会の声を個別に聴く場を設けたことは、非常によかったと思いますし、ぜひこの姿勢で、できる限り実現を目指してもらいたいと思います。
この57億円の議論は、お盆明けの8月議会になるのか、はたまたそれまでに臨時議会が開かれるのか、本日時点ではまだ決定していませんが、そこにも市長の姿勢が見えるはずです。
ぜひ期待して、その場を待ちたいと思います。
堺市議会議員ふちがみ猛志