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フィリピン・マンダルヨン訪問レポート

前回、前々回のブログで書いた通り、フィリピンのマニラ近郊のマンダルヨン市を訪問してきましたので、その内容をレポートさせてもらいます。

 

【参加議員】

池尻秀樹議員、西川良平議員、信貴良太議員(以上、自民)

木畑匡議員、西哲史議員、渕上猛志(以上、ソレイユ堺)

 

【現地サポート】

山口道義氏(現地、バプティスト大学にて空手指導。堺市民。)

高津順一氏(日本ダバオ友好協会理事長。通訳等のサポートを依頼。)

エドワード・イシドロ氏(バプティスト大学理事長)

 

【スケジュール】

714日(金)

昼 関西国際空港発

夕 マニラ空港着

夜 バプティスト大学 エドワード理事長と会食

 

715日(土)

午前中 マンダルヨン市庁舎にて歓迎セレモニー

昼 アバロス前市長、副市長、市議らと会食・意見交換会

夜 自由時間

 

716日(日)

早朝 マニラ空港発

昼 関西国際空港着

 

【各々の内容】

■エドワード理事長との会食

理事長夫妻、山口氏らも交えた懇親の会食。

堺とマンダルヨンの交流が始まった経緯、マンダルヨン市政の現状等について話を伺う。

マンダルヨン市の市政が約30年にわたって、アバロス前市長の父→アバロス前市長→アバロス前市長の妻(現市長)と、家族の中で引き継がれていることに驚く。フィリピンでは、39年までしか連続で市長になれないため、現在は中継ぎとして、アバロス前市長の妻が市長職にあり、1期務めた後は、また前市長が復帰する見込みとのこと。よって、現在も実質的に前市長が、現市長であるかのように認識されており、権勢を振るっている模様。多選禁止の規定があること、また、しかしそれが形骸化していることなど、いずれも我が国では考えられないことである。

 

■市庁舎での歓迎セレモニー

現市長(前市長の妻)が海外出張で不在のため、前市長が取り仕切る中、副市長、13人の市議会議員(Councilor)と、市域のすべての村長(自治連会長のような存在と思われるが、選挙で選ばれている)、そして1000名を優に超えるであろう市民が出迎え。市庁舎ホールの1階はおろか、吹き抜けの24階からも多くの市民が、日の丸とフィリピン国旗を手に歓迎してくれた。多くのメディアも取材に来ており、カメラマンだけで67人確認できた。

子どもたちの合唱、ダンスなどもあり、我々一人ひとりにたくさんのプレゼントも用意されており、大変華やかなセレモニーであった。

マンダルヨン市の、堺市との友好交流にかける思いが、十二分に伝わるものだった。

今後、マンダルヨン市の市長、前市長、議員らが堺訪問を希望される可能性も高く、その時にどのような対応ができるのか、検討が必要である。

 

■アバロス前市長らとの会食・意見交換会

前市長、副市長、全市議会議員と、我々6人が二卓に分かれて、会食・意見交換会を行った。

様々な意見交換の中で、印象に残った点は下記の通り。

 

1.フィリピンの自治の枠組み

マンダルヨンを含む地域は、広域から順に、「国→メトロポリタン・マニラ→マンダルヨン市→バランガイ(※)」となっているそうだ。

バランガイ(※)については、通訳が「村」あるいは、その長を「村長」と訳していたが、日本でどのようなものに該当するかは理解しきれなかった。13万人程度の地域で、それぞれに「村長」と、議会、議員(Councilor)が存在するようで、いずれにしてもこれが、最小の行政単位となっている。また、すべての村長から一人が、マンダルヨン市の議員(Councilor)を兼務するらしい。

メトロポリタン・マニラは、マニラ市を含む17の市町により構成されている。行政組織としては決して東京都や、府県のようなものではないようで、行政組織も簡素と思われる。議会は、構成する17の市町から、市長、副市長が参加し、34人の議会を作っている。そこで選挙が行われ、メトロポリタン・マニラの代表者を選んでいるそうだ。

このことから、マンダルヨン市は、日本で言うところの基礎自治体というよりも、広域自治体に近い権能を有しており、メトロポリタン・マニラは関西広域連合に近い存在のように思える。現に、マンダルヨンには市警察も存在している。

 

2.連邦制を検討

フィリピンでは中央集権が進んだ弊害が指摘をされており、また、メトロポリタン・マニラへの一極集中も政治課題となっている。そこで、アメリカを参考に連邦制の導入を検討しているそうだ。そこで全国の地方議員が、研修としてアメリカに派遣されるプログラムがあるとのこと。マンダルヨンでも、1人の議員が、1か月間、そのプログラムに参加するそうだ。行政職員ならまだしも、国家レベルでのプロジェクトのための研修に、地方議員が参加するというのは、大変驚きである。我が国にそうした制度はなくとも、高度な見識を有すべき職としての自覚を、新たにしなければならないと感じた。

また、1.で示した自治体の枠組みにせよ、連邦制の導入にせよ、地方分権というのが、多くの国において、共通のテーマであることがよくわかった。

 

3.堺への期待と交流の可能性

アバロス前市長が、スピーチの中で、呂宋助左衛門に触れたのが印象的であり、堺との友好に賭ける思いが伝わってきた。また、各市議も、口々に今後の交流への期待を語っていた。

マンダルヨン市は成長著し、人口はまだ40万人程度で市域面積も決して大きくはないが、マニラ市、ビジネスの中心であるマカティ市、旧首都であるケソン市に囲まれており、地理的にも大変重要かつ有望な位置にあると思われる。一方で、交通渋滞が激しく、高速道路や、鉄道などのインフラ整備が今後の重大な課題になってくると思われるし、大規模な投資が行われていくことになると思われる。そうした地域に、他市に先んじてパイプを構築することが、本市や、本市企業にとって、非常に有益なものになることは想像に難くない。

 

【今後の課題等】

①属人的な交流から面の交流へ

今回の交流のきっかけは、先述の通り、現地で空手を指導する山口氏と、大学理事長であるエドワード・イシドロ氏によるものである。今後、交流を広げていくにあたっては、一対一の人脈に頼るのではなく、我々議員一人ひとりも含め、幅広く人脈を構成し、面の交流に発展させていく必要がある。

 

②市としての対応

一足飛びに、市と市の間で姉妹都市提携をすることは、様々な面で難しいと思われる。一方で、これだけ先方の機運も高まっている中、これを放っておくこともないだろう。例えば、「姉妹友好議会」など、議会対議会で交流を図ることはできないだろうか。堺市議会には国際交流議連が存在するが、海外からの訪問客をもてなす程度で、こちらから交流を作っていくことはほとんどなされていない。そうした取り組みから、先々の姉妹都市提携を見据えるのはどうだろうか。

 

 

堺市議会議員  ふちがみ猛志

意見・提案