三者三様の衆議院議員予定候補者
こんにちは。堺市議会議員(堺区)のふちがみ猛志です。
政治資金問題で揺れた国会が閉幕し、早速、9月の自民党総裁選に向けて政局がうごめいています。
岸田総理の続投?総理の交代?となると、衆院の解散総選挙は?
と、これから政治のニュースが騒がしくなってくることでしょう。
ここ堺区を含む大阪16区では、次の衆議院議員選挙を見据え、予定候補者が活動を活発化させており、三つ巴の様相を呈しています(※)。
※ポスターも三つ巴!
衆議院議員の森山浩行さん(立憲)、参議院議員の山本かなえさん(公明)、堺市議会議員の黒田まさきさん(維新)です。・・井関さんちゃいますよ(笑)。
私自身、この3人については関わりの長短、濃淡の差はあるものの、これまでに人となりを知る機会が幾度かありました。
私はかねてより「政党だけでなく人にもちゃんと目を向けて欲しい」と思っておりますので、今日は私目線でこの3人のことについて、五十音順に書いてみたいと思います。
なお、それぞれご本人の了解は得てらず、私の主観であることを書き添えておきます。客観的事実については反することないようHP等で確認していますが、もしあればご指摘ください。
(※)参政党の石橋あつしさんも同党の公認予定候補者となられているようですが、少なくとも世論調査等の結果を踏まえれば、現時点で「四つ巴」と言える状況にはなく、何より私自身、同氏の情報をまったく持ち合わせておりませんので、失礼ながらこのブログでは三者に対する論評に留めます。
私から見た黒田まさきさん
黒田さんは現在4期目の東区選出の堺市議会議員で、これまでに堺市議会の最大会派である大阪維新の会堺市議団の団長も務められるなど、その中心にいた方です。私の1期上で、議会では先輩にあたりますが、歳は私より2つ下です。
※黒田さんの公式ホームページ
https://www.kuroda-masaki.com/
維新に限らず、他会派の多くの議員が彼のことを親しみを込めて「くろちゃん」と呼び、(私はさすがに議会の先輩に対してそんな言い方はしませんが)私も幾度となく親しく対話をさせてもらいました。人柄のよさ、親しみやすさは多くの人が知るところです。
彼の印象深い出来事は、私が一期目の時に足を運んだ東区で開催されたあるイベントです。
それは建設業界の若い方々が中心になって開催されたイベントで、子どもが建設関連の職業体験ができたり、高所作業車等の車に乗れたり、たくさんの飲食の露店も参加されていたりで、たいへん賑やかなイベントでした。たくさんの子どもが楽しそうにしていました。そしてその開催の中心人物が黒田さんだったのです。
彼の人脈や実行力を目の当たりにし、1期目の私は「自分もいつかこんなことが地元でできるだろうか」と思ったもんですが、3期目になっても「とてもとても」です。
何より印象的だったのが、そのイベントを通じて、黒田さんが一切目立つ場に立たなかったことです。地元での大規模イベントで、まして主催者の一人です。議員として目立とうとするのが自然ですが、そこに彼の人柄を見たような気がしました。
このイベントに限らず、彼の地元での地道な活動、それも議員というよりは「地域の一員」としての活動は、多くの人が知るところです。圧倒的な得票率での3期連続トップ当選というのも頷けます。
私から見て堺市議会には、地域に根を張った「理想的な地方議員」と言える方が何人かいらっしゃいますが、黒田さんはそのお一人です。
私から見た森山浩行さん
森山さんは3期目の衆議院議員です。また、堺市議会議員、大阪府議会議員も経験されており、各ステージで議員活動をしてきたことが、大きな強みと言えるでしょう。
※森山さんの公式ホームページ
これまでに3度の落選を経験されており、それにも挫けず政治活動を続けてきたタフさもあります。私はこの業界で驕った政治家を山ほど見てきましたが、幾度も苦杯を舐め、歯を食いしばってきた彼に限って、そんな政治家にはならないと確信しています。
森山さんと言えば、「いつも駅に立っている人」の印象があるかもしれません。
選挙が近づくと慌てるように駅に立ち始める議員が多いですが、森山さんは選挙の有無にかかわらず、「いつも」です。私自身も「いつも」派ですが、駅立ちは不特定多数の市民への「報告の場」であり、市民にとっての「政治への対話の窓口」です。(駅立ちという手段でなくとも)そういった場を用意するのは議員の務めだとも思っています。議員としての「アピールの場」というのは二の次、三の次です。
その点で、私は森山さんのこの姿勢に敬意を抱いています。
地域での座談会もこまめに開催されています。これも私と同様、どなたでも参加でき、フリーに質疑できる場のようです。地方議員ならともかく、「国会議員になって、よくもここまでやれるなあ」と感心するばかりです。
政策面では「水」問題に熱心で、水問題に取り組む超党派の議員連盟を裏方で取り仕切り、水循環基本法の成立にこぎつけました。
多くの人が「当たり前」と思い込んでいる「水」のことに取り組んでも、「票にはならない」と、業界人として私は思っています。しかし、命・生活には不可欠なものです。「目立たないけど大切なこと」にしっかり取り組めるのは、政治家としてとても大事なことだと思います。森山さんにはそんなひたむきさがあります。
私から見た山本かなえさん
山本かなえさんは4期目の参議院議員です。参議院議員の任期6年ですから、すでに国会議員歴は22年。そこは他の2人を圧倒しています。厚生労働副大臣という要職も経験されています。
※山本さんの公式ホームページ
正直なところ、先の2人に比べるとお会いしてからの日も浅く、情報は多くありません。しかし、その短い間にとても印象的な出来事がありました。
ある校区自治会の運動会でのこと。当時、養育里親として2歳の里子を預かっていた私は、妻の都合もつかず、里子をそこに連れていきました。山本さんとはその来賓席で初めてお会いしたのです。
かねてより、山本さんが社会的養護に取り組まれていると、SNS等を通じて認識していましたが、私が連れている子が里子だと知り、一所懸命に話を聴いてくださいました。やりとりをしていて、山本さんが社会的養護に本当に熱心であること、精通されていることがすぐに分かりました。
驚いたのはその後です。私はその場で児童養護施設の対応についての疑問(愚痴)を吐露したのですが、運動会も始まり、なんとなくやりとりもそこで終わっていました。
それから1ヶ月ほどして、たまたま別の会合でお会いした時、わざわざ声をかけてくださり、「あの件ですけど、厚労省に確認しましたが、やはり施設の対応はおかしいです。うまくいかなかったら、私に言ってください。」とおっしゃいました。
私は要望したわけではなく、愚痴っただけです。まして私は過去に公明党の対立候補を応援しており、「敵」と見なされて仕方ない立場。なのに、わざわざ省庁に掛け合って調べ、フィードバックまでしてくれたのです。頼まれても忘れてしまうことがあるのに、議員として素晴らしい対応だと見習いたくなりました。何より、「この人は真に子どものために動いているんだ」と強く感じ、里親としてとても頼もしく思ったのでした。
黒田まさきさんの不安要素?
3人とも褒めただけで終わると面白くないので、私なりに感じるそれぞれの「不安要素」についても書きたいと思います。
黒田さんは何といっても「国政の経験がないこと」でしょう。国会議員としてどうなっていくのか、そこは未知数です。
市議会議員をしていても、国政に通じるような大きなテーマを取り上げられる議員もいて、そんな方ならば「国会議員になったらこんな感じかな」と想像がついたりします。ただ正直なところ、これまでの黒田さんの市議会での質疑を聞いていても、そういった「国会議員になった時の具体的なイメージや政策」を感じとることはありませんでした。(そもそも地方議会ではそれを感じ取れる機会は多くはありませんし、一方で黒田さんの堺市固有のテーマについての興味深い質疑はいくつもありました)
外交は?安保は?金融は?
基本的には維新の会の主張に沿ったものになるのでしょうが、沿っているだけのただの「採決要員」になってもらっては困ります。やはり本人なりの主義主張が聴きたいところです。
おそらく予定候補となり、今まで以上に勉強されているでしょうし、まして当選されたらさらに研鑚を積んでいかれることでしょう。
はたしてどうなりますやら。私は黒田さんについては「国政課題について自ら口でどう語るのか」、この点に注目しています。
森山浩行さんの不安要素?
森山さんの不安要素を挙げるなら「政府与党の幹部としての経験がないこと」でしょう。
これは黒田さんにも言えることですが、実際のところ、仮に黒田さんが当選し、かつ維新が政権を取ったとて、1期目でいきなり政務三役(大臣・副大臣・政務三役)になったり、与党幹部になったりすることはまずないはずです。
一方で森山さんはすでに3期、当選すれば4期目です。自民党の支持率も低迷しており、今回は政権選択選挙となるでしょう。立憲民主党はその野党第一党ですから、私たちは立憲民主党政権をリアルに想像して選挙に臨むべきですし、仮にそうなれば、森山さんは政務三役ないし、党の要職に就く可能性が大いにあります。
民主党政権時代に「与党経験」があるとはいえ、当時は権力から遠く離れた一年生議員でした。権力の中枢に入るには、「地元のよく見かける議員」「野党で頑張っている議員」とはまた違う能力が必要なのは言うまでもありません。
ご本人はかつての民主党政権の課題も振り返りながら、そんなご自身の将来のことをシミュレーションされていることでしょう。
はたしてどうなりますやら。私は森山さんについては「リーダーとしての期待感・安心感を感じさせられるか」、この点に注目しています。
山本かなえさんの不安要素?
山本さんの不安要素を挙げるなら「堺での経験が少ないこと」でしょう。
国会議員歴が長いとはいえ、参議院議員の全国比例区です。もちろんそこには堺も包含されますし、これまでの経歴を見ても関西には縁があったようです。
しかし、堺で生まれ育ったお2人、堺市議会議員である黒田さんや、堺を選挙区にする衆議院議員の森山さんと比べると、これまでの堺との関わりの濃さ、地の利で見劣りするのは当然です。
参議院議員の強みは、解散もなく、6年間の長い任期にじっくりと政策に取り組めることで、その点では成果を上げてこられたようです。一方、狭い選挙区の衆議院議員には「地元代表」という側面があり、「地元の課題を国政に届ける」というミッションがあります。その点でご活躍頂けるのかどうか、それは山本さんだけでなく、山本さんを支援する地方議員にもかかっていると言えるでしょう。
「堺からはじまる、新たな挑戦。」とのキャッチコピーを拝見する限り、ご本人にもそこに意識はあるでしょうし、今まさに堺を知るべく精力的に地域をまわられていることでしょう。
はたしてどうなりますやら。私は山本さんについては「どこまで堺の地域に根を張り、課題の把握・改善を図れるか」、この点に注目しています。
最後に
市議会議員であり、堺市議会においては与党的立場で、堺市東区が地元の黒田さん。
衆議院議員であり、国会においては野党で、堺市堺区・北区・東区が地元の森山さん。
参議院議員であり、国会においては与党で、堺市を地元にするのが初めての山本さん。
実に三者三様の予定候補者だと思いませんか??
政治経験のない、まったくの未知数という人はいません。
一番短い黒田議員でも13年以上の公職経験があります。少しインターネットをたたけば、3人のこれまでの活動、言動はいくらでも出てきます。
選挙でよく言われる「違いがわからない」「誰が当選しても一緒」では決してないことは、ここまで読んでもらってお分かり頂けたと思います。
衆議院議員選挙は政権選択選挙であり、どうしても政党に着目して選ばれる方が多いと思います。それを否定するつもりはありません。
ただ、実態として、どの政党にも素晴らしい議員もいれば、そうでない議員もいます。どの政党にも不祥事はあります。
「反対ばかり」と言われがちな共産党でも政府提出の法案の半分、立憲民主党でも8割ほどには賛成しています。つまりは、世間が思っているほどに政党に極端な差はなく、私はむしろ、「議員個人の差」の方が大きいとすら思っています。
国会の政策議論をリードできるのは誰なのか?
私たちの声に耳を傾け、届けてくれるのは誰なのか?
せっかくこんな三者三様の個性的な予定候補者が揃っていますから、いつもよりも「候補者個人」にも着目して、選んでみませんか?
私なりの目線で勝手なことを書きましたが、そんな選択の一助となれば幸いです。
堺市議会議員ふちがみ猛志
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