健康寿命に資する生活習慣ナンバーワンとは
この度の大綱質疑では、健康寿命についても取り上げました。
そのきっかけとなったのは、2年半ほど前に放送された健康寿命を特集したNHKスペシャルです。
知人から、「ぜひ見て」と録画したDVDをお借りし、その内容をぜひ議会で紹介したくなったのです。
それは、NHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン」という番組の「健康寿命編」でした。
AIを駆使して、あらゆる社会問題を分析するという、番組です。
平均寿命と健康寿命の間には、約10年の差があり、この間に、人生の約半分の医療費がかかっています。
健康寿命を延伸し、この10年を圧縮できれば(いわゆるピンピンコロリです)、医療費や介護費を大幅に圧縮することができます。
では、健康寿命を延ばすにはどうしたらいいのか!??
番組では、41万人の、約600の生活習慣を調査、長期追跡、分析し、AIによって「最も健康寿命の延伸に資する生活習慣」を導き出しました。
皆さんは何だと思いますか?
普通は、食事とか、運動とかだと思いますよね。
あるいは、睡眠、予防医療などなど・・・・。
この番組の答えは、「本や雑誌を読む」ことです。読書です。
本当??と思いたくなるのですが、よくよく考えればある程度までは理解できます。
読書は脳に刺激となりますから、認知症予防にはなりそうです。
また、読書をする人は、本屋や図書館にも「出かけることが多くなる」でしょう。
読書によって、新たな趣味に出会ったり、遊びに行きたい場所、旅行したいまちが見つかり、それが心の活力や、実際に身体を動かすことにも繋がるでしょう。
読書は、それ自体が健康に繋がるだけでなく、「健康に繋がる生活習慣に繋がる」のです。
アメリカのイェール大学の研究では、読書をする人の方が、約2年寿命が長いという研究があるそうです。
日本で一番健康寿命が長いのは、山梨県です。(放送の時点)
そこで面白いデータがあります。
山梨県は、なんと、人口あたりの図書館の数が、全国1位なのです。
しかも、小学校への学校司書の配置がほぼ100%。
昭和20年台から他県に先立って取り組んできたそうで、その時期に教育を受けた今の高齢者に、読書習慣が定着している、そしてそれが、健康寿命に繋がっているのではないかというのが、番組の出した結論でした。
一方で、山梨県は「運動習慣」においては、全国最下位だそうです。
なのに、健康寿命は全国一。読書が影響しているというのも、あながち間違いではなさそうです。
図書館が近くにある人は、要介護リスクが低いというデータまであるようです。
どうでしょうか?ビックリじゃありませんか???
昨今、公共施設を「ハコモノ」と呼び、「金がかかるもの」として忌避する傾向にあります。
しかし、どうでしょうか?もし、図書館に健康寿命を延伸させる効果があるとすれば。
図書館には「健康寿命の延伸=将来の医療・介護負担の軽減」だけではなく、賑わいづくりの効果も期待されており、全国では、図書館を中心にしたまちづくりが広く行われています。
「お金がかかる」どころか、「支出を減らす」、「収入を増やす」というのです。
堺区には残念ながら、区域館がありません。
堺区の端にある、中央図書館がその役割を兼ねていることになっていますが、多くの堺区民にとっては、決して通いやすい場所ではなく、その役割を果たしているとは言えません。
堺区の中心部に区域図書館を。
「お金のかかるハコモノ」という視点から、
「賑わいづくりや健康寿命延伸に資する施設」という視点に切り替え、
図書館行政を本気で前に進めてほしい。
本会議で強く訴えました。
どこにどうやって?
そんなことも、これからどんどん提案していきます。
堺市議会議員ふちがみ猛志