先生と呼ばないというルール
大阪府議会が「『先生』という呼び方をしない」ということを、ルールとして決めたそうです。これが全国ニュースにまでなったことには、ちょっとびっくりしました。(画像は関テレのネットニュースですが)
https://news.yahoo.co.jp/articles/559265db132a2f37e6c172ef55a6ccd25e5d627b
このこと自体を否定するつもりはありませんが、多少思うところがあるので、久しぶりのブログのネタにしようと思います。
まず、議員である私は、基本的に『先生』と呼んでほしくありません。
「渕上さん」が一番いいですね。
「さん」で呼びにくければ、「渕上議員」でもいいし、市の職員さんには「渕上議員さん」と呼ばれることが多いです。
親しい方は「ふっちー」と読んだり、「たけしくん」と呼ぶ人もいます。
とりわけ初対面で「先生」と言ってこられる方には、「私は先生ではないので、『さん』でお願いします」と言うようにしています。
ただ、長年の慣習なのか、何度お願いしても『先生』と呼ばれる方もいます。
なので、「だったらルール化して、無理やり慣習を失くしてしまえばいいじゃないか」という意見にも、それなりに納得できる面があります。
改めて、ではなぜ「先生」と呼ぶべきではないのか、、、、ですが、
大阪府議会のルール化の理由は、「『先生』という呼び方は議員と職員や住民との間に上下関係を生み、自分は特別だという『勘違い』に繋がりかねない」からだそうです。
私も議員になる前はそう思っていたし、なった後もそのような観点で「呼ばないで」とお願いしてきました。
ただ、実際に議員になって8年目で、何度かお願いしても、依然として私を「先生」を呼ばれる方々の顔を思い出してみると、
たとえば、某立ち飲み屋の経営者Mさんは、私のことを「先生」とは呼ぶものの、基本的にはいわゆるタメ口であり、時にお説教をくださることもある、私には厳しくも温かいお姉さんのような存在です。上下関係で言えば、むしろ客である私が下のような気すらします(笑)。
よく立ち飲み屋で出くわす市職員のMさんも、私を「先生」と呼び、かつ敬語ではあるものの、「先生、今度飲みに行きましょや!」という感じで、付き合いは極めてフラットで、私をいじることもしばしばです。
焼肉屋のSさんも私に「先生」ですが、彼女もタメ口だし、その親しみやすい人柄からか、母ほどの年齢の彼女に対して、つい私もタメ口になってしまい、いつも世間話に興じています。
他にも、お世話になっているあのNさんや、そのNさんや、Mさんや、、、と私を「先生」と呼ぶ面々を思い返しても、むしろフラットなお付き合いをさせてもらっている方ばかりです。
一方で、「先生」と呼ばれなくとも、職員に高圧的で、極端な上下関係を構築している議員は、古今東西、あちらこちらにいます。
要するに、議員次第なんだと思うのです。
「先生」と呼ぶことそのものが問題というより、「先生」と呼ばれたくらいでいい気になって、自分は特別だと勘違いする議員が問題なんだと思います。そんな勘違いをする人を、議員に選ばなければいいのです。
府議会がルール化したことを否定しませんが、おそらくそうしなければならないほど、勘違い議員が多かったのでしょう。そういう「背景」については、情けない話だと思います。昨今の大阪の政治・選挙の情勢から察するに、たいした下積みをせずに、いわゆるポッと出で当選してしまう議員が増えたような気がしますし、それが勘違い議員が増えた一因のような気もします。そういう意味でも、選挙において、有権者が一人ひとりの候補者を厳選することが大事なんだと思います。
改めて、私と関わる皆様、そして今後、面識を持つかもしれない皆様にお願いです。
私は「先生」とは呼んでほしくはありませんので、できればご配慮を願います。
ただそれ以上に、どのように呼ぼうが、議員を特別視せず、少なくとも上下関係の「上」に位置付けることなく、フラットにお付き合いできればと思います。
とは言え、相手のことはなかなか変えられませんから、基本的には(勘違いしているならば)議員自身が変わらないといけないのだろうと思います。
議員は上に立つ者でも、指導する者でもなく、市民を代理する立場、共に歩む存在です。職員に対しても、チェック機関であって、それは上下の関係ではなく、「二元代表制」という言葉が示すように、横の関係です。
私は今までもこれからも、勘違いをすることはないと確信していますが、万が一にもそのようなことがあれば、「渕上さん、勘違いしてるよ」とご指摘くださいね。
「ふっちー、あかんで」でも結構です!
堺市議会議員ふちがみ猛志