参議院議員選挙を終えて
こんにちは。堺市議会議員(堺区)のふちがみ猛志です。
参議院議員選挙が終わって1週間が経ちました。
ご存じの通り、自公与党が大きく議席を減らすことになり、参議院でも過半数を割り込みました。新興政党の躍進もありました。
※Yahooニュースより
私なりに、思いつくままに感想などを述べたいと思います。
ご支援ありがとうございました
まずは、私が推していたみずおか俊一候補が当選しました。
一票を投じてくださった方々に厚くお礼申し上げます。
教育行政に現場の声を届け、教育不足をはじめとする教育の諸課題の改善に、最先頭で取り組まれている議員です。私も大変うれしく思います。
同じく推していた大阪選挙区の橋口れい候補は、残念ながら落選となりました。弁護士として弱い立場に置かれた方々の力になってきた、即戦力の候補でした。これに諦めず、ぜひ改めて政治を目指してほしいと思います。
大阪選挙区について
橋口候補以外では、自民党の柳本候補の敗北も残念でした。国政与党としての自民党には思うところが多々ありますが、同候補とは面識もあり、特に大阪都構想の議論が伯仲していた頃は、反対派のリーダー的存在でした。当選してほしいと思える方でした。
公明党の杉候補は非常に優秀な政策通で、順当な勝利だったと思いますが、公明党の皆さんはさぞかし肝を冷やされたことでしょう。お疲れ様でした。杉議員の新たな任期でのご活躍に期待しています。
維新に引き続き4議席中の2議席を取られたことは、率直に悔しい思いです。組織政党ではないのに、よくここまでうまく票を割れるなあと、いつも感心します。その中であえて個人に言及すると、佐々木りえ候補は里親をされていることもあり、社会的養護の分野でしっかり頑張ってほしいと思っています。
参政党の宮出候補の当選には驚きました。参政党については後述しますが、4議席の大阪選挙区で1議席を確保できたわけですから、おそらく次の統一地方選では、私の選挙区(堺区:9議席)にも、当然のように候補者を立ててくることでしょう。
しかも、同じオレンジ色で!!!脅威です(汗)。
政局に大きな影響はない??
ここからはまったく個人的な予想に過ぎませんが、自民党内はこれから大きな政局に見舞われるでしょうが、党外の政局には発展しないような気がしています。
要するに、新たな連立政権になったりはしないだろうということです。
なぜなら、いくら参議院で大敗したとは言え、法案成立の条件はこれまでと何も変わっていないからです。
衆議院で過半数を割っている自公政権は、「法案成立には立憲民主、国民民主、維新のいずれかの政党の協力が必要」という条件です。
参政党は参議院では大きな議席を得ましたが、衆議院では3議席しかなく、参政党の協力を得ても、衆議院が通過しません。
一方、前述の3党のいずれか1党で、衆参ともに過半数に達しますから、自公政権にとって参政党に譲歩する必要など何もないのです。
自公政権にとっては、苦しい状況が悪化したようには見えますが、(短期的には)程度はさほど変わらないと思います。
今後の政局予想
これまで通りの、少数与党の自公政権が続くと私は見ています。
ただし、総理の首はすげ変えられるでしょう。
※jiji.comより。連日「石破退陣」に関連したニュースが…
その時に立憲、国民、維新のいずれかが連立政権に入れば、政権は安定しますが、それはないと私は思います。
国民、維新は連立に入らずとも、すでに「政策ごとの合意形成」の流れで一定の果実を得た成功体験がありますし、立憲はそもそも対決姿勢です。
今回の自公の大敗のきっかけは裏金問題です。
自民党内でその裏金問題に対する清算ができていない中、衆議院議員選挙でさんざん裏金問題を批判した野党が、連立を組めるはずもないでしょう。
もし連立を組むことになれば、かつての村山政権の社会党の二の舞となるリスクを抱えることになります。特に国民民主はせっかくここまで勢力を拡大できていますから、ここは我慢のしどころでしょう。
国民民主党の躍進について
あちらこちらで言われていることではありますが、「手取りを増やす」という実にシンプルなメッセージが、とりわけ手取りが増えない若者を中心に共感を呼んだのでしょう。
もう30年ほど前のこと。高校の政治経済の先生が、当時の社会党の衰退について「イデオロギーにこだわりすぎた」と説明していたことを、今でも覚えています。国民にとっての最優先事項は、生活を豊かにしてくれることであり、まずは経済政策なんだと。だから、社会党は自民党に勝てないのだと。
私は政治の世界に来てから、「本当にそうだなぁ」と感じます。少なくとも、国政はそうです。経済政策なくしては、一部の強い共感は得られても、選挙で勝利するだけの多数の共感は得られないのです。
それが今や、国の経済全体の先行きが見通せなくなり、「経済を立て直す」などといった抽象的なメッセージではダメで、もっとダイレクトな「手取りを増やす」が響いた、、というより、これくらいでないと響かなくなったのだと思います。
若者の日本経済への期待感や、若者が置かれている労働環境がそこに表れていると感じます。
参政党の躍進について
ネット戦略のうまさ、扇動的な演説、敵を作る手法、、、、などなどが取り上げられていますが、私自身が感心している部分を取り上げます。
何と言っても、その運動を、党員一人ひとりが支えていたという点です。
駅での活動の雰囲気が他党とはまったく違いました。
多くの政党が、自治会等の地域組織、業界団体、労働組合、宗教団体等の「組織」に支えられています。維新は組織への依存度が低いものの、運動を支えているのは地方議員と、一部の後援者です。
一方、参政党の場合は、一個人が党と直接つながり、運動に参画しています。党員は全国で8.5万人いるとされます。数もさることながら、「組織全員がお付き合いで加入」などというものではない、実に中身の濃い8.5万人だと思われます。
草の根で党員を増やし、運動に参画を求めていく姿勢は、他党もおおいに見習うべきです。
また、政策面では多少(かなり?)現実味のないもの、荒唐無稽なものも散見されますし、根拠に乏しい陰謀論のようなものもありますが、一方で、ワクチンへの警鐘や、低アレルゲン給食、オーガニック食材など、「そこにこだわりを持った人たち」のニーズにしっかりと応え、ハートをがっちり掴んでいます。
これまでは少数政党ゆえに、多少の問題発言や、非現実的な政策もスルーされてきましたが、これだけ議席数が増え、注目度が高まると、そうはいかないでしょう。
この辺りについては、これから多少「丸くなる」と私は予想しますが、果たしてどうなることでしょう。注目していこうと思います。
政治の一寸先は闇
ああだこうだと予想も述べましたし、当面は自公少数政権が続くと私は思っていますが、とは言え、これからの3年(次の参院選まで)は、いつ何が起こってもおかしくありません。
今回の自公政権が参議院で過半数に近い議席を確保できたのは、非改選の議席で多くを確保しているためです。3年後に今回のような敗北を喫したら、、、、そして、それまでに必ず行われるであろう衆議院議員選挙でも、参政党が勢力を拡大したら、、、どんな政権が誕生することでしょうか。
いや、それまでに突然、想像しなかったような組み合わせで政権交代が起こるかもしれません。1994年の自社さ政権がそうであったように。
その時に、「こんなはずじゃなかった」とならないよう、選挙の時だけでなく、日頃から少しずつでも政治に目を向けてくれたら嬉しいです。
私も、政治の内側にいる人間として、少しでも政治をわかりやすく、皆さんに伝えていくつもりです。
堺市議会議員ふちがみ猛志
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