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大人気視察先のオガール

全国の視察先で人気ナンバーワンと言われる、岩手県紫波町のオガールに行ってきました。

※駅前の写真。オガールエリアはこの先。

 

オガールとは・・・・、

 

紫波町が全国に先駆けて行った、公民連携のまちづくり事業です。

 

フランス語の「Gare(ガール)=駅」と、紫波の方言で「成長」を意味する「おがる」を掛け合わせたそうです。

 

公民連携の・・・、なんて言われても、ピンときませんよね。

そこのスキームの話をあれこれ書くと、もっとピンと来なくなると思いますので、行政(公)と、民間が連携して「どんな町を作ったか」だけをここでは書かせてもらいます。

 

【まず背景】

紫波町が、JRに要望して、紫波中央駅を誘致。そして、駅前の開発を見越して10haほどの

土地を取得するも、気づけばバブルが崩壊し、人口も減り、財政難も進み、行政の力ではとても開発できず、長らく塩漬けに・・。そして、駅周辺の市街地はさびれる一方に。

そこで、民間と連携したまちづくりを進めることになったのでした。

 

【まちづくりの発想】

その発想は、「儲かる施設を作ろう!」ではなく、むしろ「消費活動を目的としない訪問者を増やそう!」だったのでした。

消費活動を目的とせずとも、訪問者が増えれば、自ずとサービス産業が芽生え、エリアに活気が生まれ、さらに人が集まり・・、と好循環が生まれるというものでした。

そして真っ先に作っていったのが、図書館や、市民の交流プラザや、芝生広場だったのです。

 

 

【循環型のまちづくり】

まちにはエネルギーステーションが設置され、紫波町で出る間伐材を使って木質バイオマスボイラーで熱水を作り、エリア全体に循環させ、冷暖房・給湯用の熱源としています。

また、エリア内の建物は、紫波町の木材を建築材に利用するなど、地産地消が徹底されています。

こうした環境配慮が、単なるエネルギーコストの削減ではなく、まちのブランド力にも繋がっているのです。

※エネルギーステーションのボイラー

 

【地域課題を解決する図書館】

残念ながら、今回の視察日が図書館の閉館日だったため、中は見られませんでしたが、オガールの図書館は、農業振興という地域課題にフォーカスした、課題解決型の図書館で、全国の魅力的な図書館の1位に選ばれたこともあるほどです。公民連携を謳うオガールにありながら、この図書館は、紫波町の直営です。

 

【ニッチを狙う】

オガールにある特徴的なスポーツ施設が、バレーボールの「練習場」です。

私たちがスポーツ施設を作ると、あれこれ色んなスポーツができる、オールマイティな施設を作ろうとしがちです。また、専用施設にするにしても、野球やサッカーなどの人気スポーツとなるでしょう。仮にバレーボールなどを選択したとしても、全国大会を誘致するために、大規模な観客席を設けることでしょう。

しかしオガールでは、コストのかかる観客席を避け、「練習」に特化したのです。オリンピックで使われる床面を採用し、全国ナンバーワンの「練習場」にしたのです。そのため日本代表チームや、全国の大学・高校などの合宿が絶えず、当然来訪者も増加し、まちの活気に繋がっています。

 

【子育てエリア】

新しいまちですから、当然、子育て世代への意識が強く、子育てエリアもあります。小児科を始めとする医療機関や、保育所、病児保育、子育て相談などが同じエリアに集まっています。子連れで入りやすい飲食店も多く、子育て世代が住みやすいまちになっています。

 

【戸建ても人気】

10haになるオガールエリアは、町並みも調和しており、環境にも配慮があり、魅力的な公共施設もあり、子育て専用エリアもあり、活気があってオシャレなお店も集まっており、分譲エリアの戸建ては、紫波町ではかなりの高額物件となっていますが大人気です。すべて注文住宅ですが、断熱性能など、環境関連の条件を設けているだけでなく、紫波町の木材利用や、紫波町の工務店を使うことなども条件とし、その人気を地域経済に繋げています。

※オガールエリアに新設された町役場

 

他にも、特筆すべきことがたくさんあり、書ききれないのですが、、、

環境、地産地消、子育て、、、と非常に魅力的なまちでした。

そして何より、このような公民連携のまちづくりを主導できる「人」が魅力的なのだと感じました。ここでは詳しく書きませんが、このプロジェクトを主導した、その人あってこそオガールでした。

堺にもそんな人材が・・・、きっといると思いますし、そんな方の活躍のステージを作るのが、行政の仕事なんでしょう。

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

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