必ず投票に!
先日(と言ってもだいぶ前だけど)、娘の小学校でPTAの総会があり、そこで校長先生から「全普通教室にエアコンがつく」との説明があった。
この話は保護者には好評で、「よかった」と話をしている人もいた。
さて、参院選。
選挙のたびによく聞かれるのが、「誰がやっても一緒」という言葉。
これはもはや、無知というか、知ろうとしていないだけであって、まったく現実と違うというのは、現に議員をやっていて、つくづく感じる。
例えば、身近な例で先に挙げた、「小学校の普通教室にエアコン」。
これは、3年前の堺市長選挙の公約であり、現市長が当選したことによる結果である。
一方で、当時の対抗馬は、エアコンよりも中学校給食を全面に打ち出していた。
おそらく対抗馬が勝利していれば、給食はもっと早く実現していたかもしれないし、エアコンはもっと遅かった可能性が高い。
どちらが正しいというのではなく、つまり、選挙結果というのは、私たちや、子どもたちの身近な環境に、影響を与えるということである。
エアコン設置に喜んでいらっしゃったお母さん方には、ぜひ、これが選挙の結果であることを、知っていただきたい。
高校授業料の無償化も、民主党政権の公約であった。
当時は「ばらまき」と言われたが、いまや当たり前の制度となっている。
橋下知事が始めた大阪府の私学も含めた無償化も、この国の制度がベースになければ、できなかったものである。
橋下知事の誕生だけでなく、民主党政権の誕生という、二つの選挙結果がなければなかった話だろう。
円安株高が進み、一部かもしれないが大儲けした人が出てきたのも、安倍政権の政策によるもので、これも選挙の結果。
外国人旅行者の急増・爆買いは、民主党政権下のビザの緩和と、自民党政権下の円安誘導の合わせ技一本である。
ごく小さな話になるかもしれないが、堺市で今年度から始まった、第三子以降の保育料無償化事業も、自身が多子家庭である、私と木畑議員が訴えていなければ、そもそもこの話はなかったと思う。手前味噌だが。
つまりは、その二人が当選した「選挙の結果」によるものだと言えるんじゃないだろうか。
こんな話は、堺市議会でも山のようにある。
「あの議員がいなければ、この制度はなかった」というものが。
もちろん、悪い側の影響だって、たくさんあるだろう。
政治家は往々にして、選挙で言わなかったこと、あるいは言ったことと逆のことをしでかすので、「選挙なんて」と思いたくもなる気持ちもわかる。
しかし、ちゃんと公約通りに進めていることもたくさんあり、それが少なからず生活に影響を与えてもいる。
前者は悪い意味で、後者はいい意味で、「誰がやっても一緒ではない」ということだ。
今回の参院選も、私たちの国の未来に大きな影響を与えるものになるだろう。
与党が勝てば、よくなること、悪くなること。
野党が勝てば、よくなること、悪くなること。
それぞれの立場で、見方によって、その軽重は変わることだろう。
「誰がやっても一緒」ではなく、ほんの少しだけでも「知ろうとする」努力をしていただいて、貴重な一票を必ず投じて頂きたい。
努力の範囲は人それぞれでいいと思う。
ホームページを覗く。
選挙公報にほんの少し目を通す。
街頭演説に出くわしたら、ほんの少し立ち止まって聞いてみる。
そこで少し、「知ることができる」こともある。
そうして一票を投じていただく。
その積み重ねが、「誰がやっても一緒ではないこと」への気付きに繋がり、いつか、よりよい政治に繋がると、私は思っている。
それが議員をしていて、まず真っ先に、有権者の皆さまにお伝えしたいこと、お願いしたいことである。
堺市議会議員 ふちがみ猛志