教育委員会やり方に背筋が寒くなる
言うまでもなく、堺市内の学校では、敷地内は禁煙です。(14年前から)
受動喫煙防止の観点、またそこが教育現場であることを考えれば、当然の措置です。
それに反して喫煙する教職員や、学校関係者が出てこないよう、教育委員会や学校現場を預かる校長先生には、しっかりと指導監督してもらわなければなりません。
しかし!
それにしても、今回の教育委員会のやり方には、正直、背筋が寒くなりました。
6月初め、全ての教職員に、以下のようなアンケート調査が実施されました。
①平成29・30年度において、学校園敷地内で喫煙(電子タバコを含む)をしたことがありますか。
②同僚教職員が平成29・30年度において、学校園敷地内で喫煙しているのを見たことがありますか。
③②であると答えた方に質問です。学校園敷地内喫煙を見た年度、学校園名、教職員名をお書きください。複数ある場合はすべてご記入願います。
※実際の調査シートの画像です。
これを教職員一人ひとりが封筒に入れ、封をして提出することを「職務命令として」課したのです。
このアンケート調査は、まさに「密告の奨励」です。
職務命令ですから、「密告の強制」と言ってもいいかもしれません。
異常なまでの管理主義です。
皆さんの会社・職場で想像してみてください。
このようなアンケート調査が経営者から全員に課せられた時、疑心暗鬼になりませんか。
職場に何らかの亀裂が生じる恐れを感じませんか。
現場の教職員(社員)が萎縮すると思いませんか。
この調査は法令に反するものではありません。
しかし、多くの同僚と共に働く人間としての、感覚の問題です。
私は、これをヨシとした人たちの感覚を疑います。
この件は、私自身も発出された直後に知り、教育委員会の担当者に抗議をしていました。
そして本日、同じ問題意識を持っていた森田晃一議員が、文教委員会で取り上げてくれたのです。
教育委員会は「信憑性のある通報があったので」と、その理由を説明しました。
だったら、その信憑性のある通報のあった学校園でだけ、(違う手法で)調査をすればいいだけです。
また、「子どもたちの(受動喫煙防止の)ため」という主張を繰り返しましたが、子どもたちのことを思えばこそ、教育現場の人間関係をおかしくするような調査は、やめてもらいたいものです。
問題を調査するために「密告を奨励」する。
教育委員会が教育現場にそんな手段を取ったならば、今度は教育現場が子どもたちにその手段を使うでしょう。
私は、子どもたちにそんな教育を受けさせたくはありません。
堺市教育委員会は、学校全体、そして地域をも巻き込んでの「チーム学校」で、子どもたちをサポートすることを標榜しています。
「チーム学校」はお互いの信頼関係で成り立つものです。
その信頼関係を破壊しかねない「密告の奨励」や、互いが互いを監視し合う職場ではなく、互いに声を掛け合い、ダメなものはダメと面と向かって言い合える、そんな「チーム学校」であってもらいたいものです。
今回のようなことは、これが最初で最後であることを、切に願っていますし、私も同じ感覚を持つ議員と共に、厳しく指摘していきたいと思います。
堺市議会議員 ふちがみ猛志