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現職校長の提言と松井市長の暴走

4月25日からの緊急事態宣言を受け、大阪市の公立小中学校では、松井市長の鶴の一声でオンライン学習が行われることになり、学校現場が大混乱しました

通信環境の整備が十分ではなく、生徒と教師が双方向でやり取りできず、一方通行の動画配信だけだったこと。

序盤はそれすらできずに、プリント学習が大半だったこと。

感染対策と言いながら、昼に登校させて給食を提供したこと。(食事が一番感染リスクが高いのでは・・?)

 

などなど、まあ、無茶苦茶な対応だったわけで、これには各所から批判が沸き起こっています。

また、このことに対し、現職の校長が市長宛に出した提言と、それに対する松井市長の反応が、物議を醸しています。このことについては、以下URLをご参照頂ければと思います。

【関連報道】

https://news.yahoo.co.jp/articles/79461f6331a3338fd1ba6d1f219b5470dcf60af6

【現職校長の提言前文】

https://www.asahi.com/articles/ASP5N6KWMP5NPTIL00R.html?oai=ASP5N6HGBP5NPTIL00F&ref=yahoo

 

私も、言いたいことは山のようにあります。

 

現場を把握しない中での思い付きの判断。

異論を聞きこうともしない裸の王様。

挙げ句、処分までちらつかせる恐怖政治。

「社会人として外に出たことはあるんか」という他人を見下した姿勢。

 

組織の長としても、人としても、どうかと思います。

そんな思いをされた方は、ネット上のコメントなどを見ていても、かなり多いようです。

 

その中で、私が一番言いたいのは、

『松井市長には、そもそも権限がない』

ということです。

 

当たり前のように「トップダウンで決めた」と報道されていますが、そもそも法的には、(松井)市長には学校を休校にしたり、教育のやり方(オンラインにするか、対面にするか等)に対して指示する権限はありません。ないんです。

メディアはスルーしていますが、その判断・指示がまずかった以前に、指示する権限すらないことを、もっと指摘すべきだと思います。

「市長なんだから」「大事なコロナ対策なんだから」と、「権限を認めるべき」という意見もあるでしょうが、どうあるべきかではなく、法律上そうなっているのです。

それは、教育基本法、地方自治法、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)の規定から明らかです。

「法律がおかしい」と思う人もいるでしょうが、ここは法治国家ですからね。「おかしい」と思うのならば、松井市長も政治家であり、国政政党の一員ですから、勝手に逸脱するのではなく、まずは法改正に取り組むべきです。(このことは、堺市議会の一部の方にも言いたい)

 

このようなことが、大阪市教育委員会はおろか、大阪のメディアにも許容されてしまっているのは、大阪でこの10数年、政治の教育への介入が頻発しすぎて、もはや感覚が麻痺してしまっているのだと思います。

 

私はこれまで堺市議会でも、「組体操をやめさせたのは、市長の指示だったかどうか」について議会で取り上げ、永藤市長から「指示ではない。市長にその権限はない。」との答弁をもらいました。(この時も、「市長の指示は絶対」と声高に訴える議員がいましたが)

また先日は、学校で配布される読書手帳への永藤市長の顔写真等の掲載が問題であると指摘し、教育委員会からは「問題だった」との見解をもらっています。

 

正直なところ、組体操にしろ、読書手帳にしろ、それそのもの『だけ』で、誰かに大きな不利益がもたらされるとは思っていません。

しかし、これをやり過ごすことで、それに慣れてしまい、それがエスカレートしていくことが容易に想像されるのです。教育現場の一挙一動に市長や議員が介入したり、政治的PRの場に利用されたり。そして、それらが教育現場を委縮させ、ヒラメのような校長・教頭を増やし、子どもたちが後回しにされてしまう。そんなことを防ぐには、小さな芽のうちに摘んでいかねばなりません。

 

大阪府・大阪市においても、最初は小さな、取るに足らない介入から始まったのかもしれません。しかし、その先に起こった1つの現象が、今回の大阪市のオンライン騒動です。

授業にもならない、感染対策にもならない不十分な対応に現場は翻弄されました。

授業数としてカウントされないので、今後、大阪市では7時間授業や、土曜授業、行事の削減等でリカバリーしていかねばなりません。

大阪市では松井市長の不当な介入により、まさに教員や、子どもたちに実害が発生していると言えます。

 

野球やサッカーなどのプロスポーツにおいても、チームのオーナー(素人)が「あの選手を使え」とか現場に介入し、監督が委縮して思い切った采配が振るえなくなり、チームが一層弱体化する・・なんてことは、よくありますよね。

わかりやすく言えば、それと同じような面があると思います。

プロスポーツチームなら、ファンががっかりするだけ、チームの経営が厳しくなるだけの話ですが、教育における子どもの不利益はそんな程度で済む話ではありません。その不利益は、その子どもの人生や、あるいは社会全体、国全体に、どのように拡大していくかわかりません

 

この政治と教育の関係性については、政治の側にいる人間として、強い自制心を持って教育に接し、かつ、教育に不当に介入しようという政治の動き、介入を許すような動きに対しては、今後も厳しく対処していくつもりです。

議員として、子を持つ親として。

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

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