画期的!?共産の提案に維新が賛成!
一昨日、11月定例会の最終日にいくつかの意見書が採択されましたが、その中に、私にとっては非常に印象的な意見書がありました。
それは、共産党が提案した、「大阪府福祉医療費助成の患者負担増に反対し、制度の拡充を求める意見書」です。
この意見書は、子どもや障害者などの経済的負担を軽減する福祉医療費助成制度で、『大阪府が』患者負担の引き上げを検討しており、それに反対を表明するものです。
子ども医療費助成制度は多くの場合、大阪府の助成制度に、市町村が自主的に上乗せし、助成を拡充しています。
市民に直に接する市町村にとっては、簡単に市民サービスを切り下げるわけにもいきませんし、ましてや、少子化対策が重要課題である今、子ども医療費の患者負担増など、簡単にできようはずもありません。
ですから、大阪府がそのようなことをした場合、おそらく、各市町村が負担を増やすことで、サービスを維持することになるでしょう。
履いている下駄(府の助成)が低くなった分、背伸びをして(市町村負担を増やして)、背の高さ(サービス)を維持するようなものです。
市町村にとっては負担増が避けられない事態ですから、この意見書に賛同するのは、市町村議会にとっては自然なことです。
さて、そんな意見で何が印象に残ったかと言えば、、、
維新の会が賛成したことです。
①共産党が提案したにもかかわず
②大阪府の方針に背くことになる可能性があるにもかかわらず
です。
①に関しては、公明党が提案会派に加わったことも大きかったのでしょう。
(提案会派が、「共産+公明の二会派だけ」という組み合わせも非常に珍しい!)
それでも、主として最初にこれを提案したのは共産党です。
②はなお、驚きです。
現在、検討されている患者負担の引き上げを、松井知事が実施しようとする可能性は十分にあり、その時には、維新の堺市議団は、党の代表と(この件については)対立関係になってしまうのです。
失礼ながら、私はこれまで誤解していたかもしれません。
橋下氏や、松井氏や、維新の各級議員の様々な発信を見てきた中で、私は、維新の会が、特に共産党に対して強い偏見を持ち、個々の議案や政治的主張の中身ではなく、「共産党だから」というような、表層的な部分で物事を判断するきらいがあると思っていました。
そして、党の上層部と絶対的な上下関係にあり、その方針に反するようなこと、反する可能性のあることは、絶対にできないものだと思っていました。
それこそ、私が偏見を持って見ていたのかもしれません。
政治は是々非々であり、政党や会派が違えど、議案ごとに協力できるものは協力し合うべきです。
とりわけ、地方議会はそうしたケースが多いはずです。
国、都道府県、市町村はそれぞれ立場が違いますから、同じ政党でも、意見が合わないことはたくさんあるはずです。
一意見書に過ぎないのかもしれませんが、私が思う「地方議会のあるべき姿」の一端を見たようで、非常に嬉しく思いました。
維新を批判することが多い私ですが、今回の採決行動には、エールを送りたいと思います!(賛成して然るべき意見書とは言え)
まだ、現時点では意見書の採択にすぎませんが、もし、松井知事や、維新が与党である府議会が、福祉医療費助成の患者負担増に向けて進んだ時には、今回の意見書の主旨に沿って、維新の堺市議団の皆さんが、しっかりと行動してくださることと思います。(してくれるはずです!)
心から期待しています。
もちろん、私もできうる限りの行動を取るつもりです。
堺市議会議員 ふちがみ猛志