百条委員会 ~しばし中断のため、レビュー~
メディアでも注目を集めた、堺市議会の百条委員会だが、一年で一番大事な、予算を審議する2月定例会が始まるため、3月下旬あたりまで、いったん中断することに決定。
「はよせんかい!」
という声も聞こえてきそうだが、議会事務局のマンパワーの限界を超えており、これはやむを得ないことだと、委員の一人として、そう思う。
そこで、中断にあたって、改めて、どんな疑惑なのか、纏めておきたいと思う。
まず、全体像を纏めると、、、
小林議員
↓ 指示、ないし一任
黒瀬秘書(現在、市議)
↓ 発注
黒瀬氏の経営する会社
もしくは、
黒瀬議員の友人の会社
という流れで、政務活動費を使って、チラシ、名刺などの手配がなされたとされるが、その実態が確認できない。
この他、監査で不正と認定された、黒瀬氏やその友人を雇用したアルバイト代や、ホームページ構築・管理代などを含めると、一千万円を超える。
友人の会社は、ジーピートレーディングといい、登記簿によれば、H23.8.30に社名変更し、プライアントサービスとなっている。
そこで、数ある不可解な点を紹介する。
混同しないよう、明らかになっている事実を■、私の考えを★で記す。
【所在不明・印刷会社でない】
■黒瀬氏の経営する会社も、友人の会社も印刷会社ではない。今は所在も不明。
★初めから、チラシを印刷する気がなく、領収書をもらうためだけに使ったのでは?
つまり、意図的な不正支出だったのでは?
【配布されていないことに、四年間気づかず】
■選挙区に全戸配布を計7~9回、合計50万枚以上の配布を友人の会社に依頼したものの、それがなされず、「なされていないことにも気づかなかった」と釈明。
★議員活動を普通にしていれば、絶対に気づく。つまり、「気づく、気づかないの話」ではなく、始めから依頼などしていなかったと思われる。一方で、名刺を14,000枚印刷している(政務活動費で)。それを消費するためには、相当な活動が必要で、気づかなかったこととの整合性が取れない。それだけ人に会えば、絶対気づく。この名刺も怪しい。
【手配り分1万枚は現存せず、全て破棄。詳細は証言拒否】
■上記の「気づかなかった理由」として、「手配り分として1万枚が自宅に届けられていたから」と議員総会では証言。しかし、その1万枚は使用したり、残りは破棄したりで、1枚も残っていないという。どこで使用したかと問えば、証言拒否。
★本当に1万枚も使用していたならば、「チラシを見た」という人が現れるはず。この1万枚は架空で、気づかない不自然さをごまかすためのウソだったのではないか。
【二年以上、旧社名で領収書】
■年4~5回、黒瀬氏の友人の会社で名刺を印刷していたとされるが、その領収書は、H23.8.30の社名変更後も、二年半近くにわたり、旧社名で発行。一方で、同社に手配していたとされるチラシの領収書は、新社名で発行。旧社名と新社名の領収書が、長期間、入り乱れている。
★名刺に関しては、まさに小遣い稼ぎのように、旧社名時代にカラの領収書を大量にもらい、使い続けていたのではないか。本当に、この会社が都度発行していたのであれば、到底考えられない事態。
【黒瀬氏が書いた領収書】
■友人の会社が発行した領収書も、黒瀬氏の筆跡であり、議員総会で、自分で書いたものであることを認めた。しかし、それに先立つ議会運営委員会では、「自分の筆跡ではない」と否定していた。
★領収書を代筆することは、時としてあるだろう。しかし、当初否定したのは、何かこの領収書にやましいことでもあったのではないだろうか。証言の変遷は、この領収書が「本当に業者が発行したのかどうか」に、大きな疑念を抱かせる。
【未来の出来事が書かれたチラシ】
■監査で、チラシを本当に配布したのかを問われ(平成27年)、「これがそのチラシです」と証拠を提出したのだが、そのチラシが印刷されたとされる平成26年4月時点では決まっていない、平成26年5月の議会の役職が記載されていた。このことを尋問で問われると、詳細は証言拒否。
★監査をごまかすために、慌てて証拠を偽造し、そこに稚拙なミスがあっただけではなかろうか。
【未来の社名が書かれた発注書】
■同じく、監査に対して、「これがちゃんと発注した証拠です」と提出した発注書。しかし、発注書の日付の時点では、友人の会社は社名変更前だったのに、なんとそこには新社名が。
★前述の未来の役職が書かれたチラシと同様、証拠を偽造し、そこに稚拙なミスがあっただけではなかろうか。
【コピペだけのチラシ】
■同じく、証拠として提出されたチラシは、ほとんど議事録のコピー。文字の羅列だけ。
★こちらも慌てて偽造したものなのではなかろうか。そもそも、「なぜ、この業者にしたのか?」と問いに、「デザインがいいから」と答えているのだが、これのどこが??
その他、書き出すとキリがないのですが、、、、
黒瀬氏に、法外なホームページ管理費(45万円x2回!)・維持費(月8万円!!)が支払われていたり、
「精神疾患だから業者が配ってくれてなかった」と言っていたわりに、その精神疾患とされる人物(黒瀬氏友人)を、政務活動費を使ってアルバイトで雇っていたり、
まあ、おかしな点は山ほどあります。
いずれにしても、しばらく百条委員会は中断します。
再開後は、黒瀬氏を尋問することになるでしょう。
当面の間、前向きなブログが書けるといいんだけど!
堺市議会議員 ふちがみ猛志