誰に投票するかを選ぶには
衆院選の投票日が近づいています。
「投票に行こう!」というメッセージが、SNSでも溢れていますので、そこは割愛します。
そこで、こうしたやり取りでよく聞かれる「誰に投票していいのかわからない」という声に、私なりの見解をお示ししたいと思います。
先日、政治に関心の薄い若いママたちの「選挙勉強会」に、講師として行かせもらいました(こうした勉強会に行くぐらいだから、十分に関心がある方だと思いますけど)。
そして、多くの方が「誰に投票していいのかわからない」「違いがわからない」という感じでした。
しかし、私がママたちにこう訊ねると、答えが出てくるのです。
二人の候補の政策や、その他のプロフィールが全て同じだとして、あるいは違いがわからないとして・・・・
Q.それが女性と男性だったら、どちらに投票したいですか?
A.(ママたち全員が)女性です。
私もそうです。国会議員で女性は10%以下。堺市議会で15%、大阪府議会で5%足らずです。議会で女性が少なすぎます。だから、「他の条件がすべて同じなら」私は、女性に投票します。
Q.若い人と、高齢の人だったら?
A.(〃)若い人。
私もそうです。若い私たちの気持ちを理解してくれる、将来を見据えて政治をしてくれる、まちの未来を「我がこと」として捉えてくれる。そんな「可能性が高い」からです。あくまで「可能性」の話です。
※ただし、首長に関しては、大きな組織のトップであり、相応の人生経験がほしいと、私は思います。
Q.チラシを頻繁に見かける人と、まったく見たことがない人は?
A.(〃)チラシを頻繁に見かける人。
私もそうです。「有権者に自分の考えや活動をしっかり伝えよう」という意思を持ち、行動している「可能性が高い」からです。
その他、「地元出身者か、落下傘候補か」、「子育て経験がある人か、ない人か」・・・
みな、それぞれの問いに、それぞれの直感的な見解をもっていらっしゃるのです。
私は、それでいいと思っています。
別に、それがどんな違いに対する、どんな見解であってもいいのです。
地元出身者の方が、地元への愛着や知識がある「可能性が高い」かもしれません。
落下傘候補の方が、地元を外からの目線で冷静に見られる「可能性が高い」かもしれません。
子育て経験がある方が、子育てママの気持ちがわかる「可能性が高い」かもしれません。
子育てをしていない方が、子どもに時間を取られず、議員の仕事に没頭できる「可能性が高い」かもしれません。
その見解も、その理由も、色々あるでしょう。
私が言いたいのは、「候補者の違いを見出すポイントは、いくらでもある」ということです。
もちろん、こんな見解は「可能性」でしかありません。
本来であれば、「本人に会ってみる」「演説を聞いてみる」「ホームページやチラシをじっくり見てみる」などして、政策や人柄を総合的に判断するべきです。
しかし、多くの人にとって、そんな時間や余裕はありません。
それに、そこまでしたとしても「候補者を100%理解する」なんてことはそもそも不可能です。
だから「まずは」深く考えず、「一つでも違いを見つけて」、自分の考えるところに近い「可能性が高い」方を選んでみるのです。
一度こうやって、自分なりの理由をもって投票してみてください。
投票に行かなかった時に比べ、あるいは、誰かに頼まれただけで訳もわからず投票した時に比べ、その政治家への関心が「ほんの少し」かもしれませんが、高まるはずです。
「女性だから」と選んだ政治家が、その後、女性の視点に立った活動ができているかどうか。
「若いから」と選んだ政治家が、未来志向の政策を打ち出せているかどうか。
「チラシをよく発行しているから」と選んだ政治家が、変わらずに発行しているかどうか。
「地元出身だから」と選んだ政治家が、地元に根差した活動ができているかどうか。
ぜひ、チェックしてみてください。
あなたの「可能性が高い」という直感が外れ、期待に沿えていなかったら、次は別の人に投票すればいいのです。
あるいは、別の判断基準に切り替えたり、別の判断基準を追加すればいいのです。
少し関心が高まったあなたがチェックしようとしても、その活動が全く見えないならば、「活動していない『可能性が高い』」という判断を下したっていいでしょう。
そして、ゆくゆくは判断基準を増やし、総合点で選ぶようにしていってください。
さらにゆくゆくは、できればほんの少し、ホームページやチラシを覗いてみてください。
細かく中身を把握するのは、まだ先でいいと思います。
「まずは」自分の関心分野についての記述が「多いか、少ないか」くらいでもいいと思います。
たしかに、ホームページやチラシを見たところで、その内容と、実際の行動や政策が伴っていない政治家はいくらでもいます。
しかし、例えば「子育て」という言葉を「たくさん記載している候補」と、「まったく記載していない候補」を比べた時、子育てに関心のある「可能性が高い」のは、間違いなく前者でしょう。
そしてこれもまた、選んだ後に、ほんの少しでもチェックしてみてください。
あなたの「可能性が高い」という判断と、実際の活動が合っているかどうかを。
こうしたことを繰り返していけば、ほんの少しずつでも、政治を見る目が肥えていくと思います。
有権者の政治を見る目が肥えていけば、間違いなく、政治家の「見られている」という緊張感が高まっていきます。
そしてそれが、ほんの少しずつでも、政治の質を高めていきます。
どうか皆様、必ず投票に行ってください。
そして、自分なりの「投票理由」を見つけてみてください。
ほんの些細な「違い」でもいいのです。
たかだか一票ですが、その積み重ねが政治を変えます。
同じように、たかだか1人の、ほんの少しの関心の高まりと、それが積み重なれば、政治の質を高めるのです。
堺市議会議員 ふちがみ猛志