過少報告された一時保護所の逼迫
こんにちは。堺市議会議員(堺区)のふちがみ猛志です。
さて、5・6月の議会定例会も終わり、ぼつぼつブログを書いていきます。
先日、「双子のきょうだいの保育」について書きましたが、同じように紛糾したやり取りとなったのが、一時保護所の件でした。
いや、これは「一時保護所の件」と言うより、「虚偽答弁の件」と言った方がいいかもしれません。
前定例会でのやり取り
予算審査のあった前定例会(2・3月議会)、私は一時保護所の増設予算について取り上げました。
定員を30人から36人に増やすための、工事の予算でした。
しかし、私が質疑をした日ですでに43人の児童が一時保護所にはおり、完全にオーバーフロー。私は「プラス6人の増設では足りないのではないか?」と主張しました。
そして、定員を超過した子どもが(居室ではなく)面談室で寝泊まりしている事例があると聞き、堺市が定めた一時保護所の基準を定めた条例に不適合であると指摘しました。
その条例不適合状態について確認を取ったところ、当局は「一時保護所においてやむを得ず、基準を満たさない状態が発生しています」と認めたのです。
この答弁を受け、私は速やかな「さらなる増設」を求めて、前定例会での質疑ひとまずは終わったのですが・・・。この話は終わらなかったのです。
ある職員からの情報提供
私の質疑について耳にした、ある子ども相談所の職員が私に情報提供してくれました。
「あの答弁は間違っている」との指摘でした。
条例不適合状態は「一時保護所において」だけではない。一時保護所の面談室などのスペースを使ってもなお足りず、一時保護所以外の施設の面談室等を使って寝泊まりをさせた事例が複数ある。
と言うのです。
これが事実ならば、2・3月議会での答弁は、「一時保護所において」ではなく、「一時保護所やその他の施設において」と言うべきだったのです。
過少報告された一時保護所の逼迫
これを小さな違いだと思われる方もいるかもしれませんが、そうではありません。
私の2・3月議会での議論のテーマは「一時保護所の逼迫」でした。
「一時保護所の居室から溢れているが、一時保護所全体では収まっている」というのと、
「一時保護所全体でも収まりきらずに溢れている」というのでは、逼迫感が違います。
もちろん前者でも十分に逼迫していますが、後者だとその度合いがさらに増します。私はまさにその度合いを問い、「早急にさらなる増設を」と求めていたわけです。
早急な増設を求められるのが嫌だったのか何かは知りませんが、2・3月議会での答弁は過少報告であり、虚偽答弁とも言えるものだったのです。
繰り返された不誠実答弁
私は5月議会の質疑において、一時保護所以外での事例を確認した上で、
「前議会ではあえて言わなかったのか」
「なぜ言わなかったのか」
「不誠実な答弁ではないか」
と次々に問いましたが、理事者はしどろもどろになり、
「誠実であったかと言われると、誠実でなかったかもしれませんが、不誠実であったかと言われると、不誠実であったかどうか。申し訳ありませんが、そのあたり失念しておったということでございます。(一部抜粋)」
というグダグダの答弁には、他の議員からもヤジが飛び交い、議場は異様な雰囲気になりました。2・3月の答弁も不誠実ですが、それを不誠実と認めないこの答弁も不誠実です
こういう時はスパッと「不誠実だった。申し訳なかった。」と言えば済む話なのに、なぜこうも非を認めたがらないのでしょう。
これもトップの姿勢ゆえなのでしょうか。
現にこのあと、市長の見解を問いましたが「(2・3月議会は)課長級の答弁なので」と自身の責任を回避するかのような姿勢を見せたのでした。
なぜ職員が私に情報提供したか
いま、子ども相談所、一時保護所の職員は大変厳しい環境の中で仕事をされています。私は議員としても養育里親としても、彼らの仕事ぶりに敬意をもっています。
特に昨年度は多忙を極めたそうです。
そりゃ、そうです。一時保護所が溢れ、いちいち面談室を作り替えたり、別の施設で寝泊まりする際は付き添ったり、あるいは里親や児童養護施設、乳児院などと掛け合ったり。大変に決まっています。
だから、私は一時保護所のオーバーフローを一刻も早く解消しなければならないと訴えたのです。
にもかかわらず、責任ある立場の者が逼迫具合を議会に過少報告したわけです。
私への情報提供は、現場で大変な思いをされている職員による抗議だったのです。
市長も、子ども青少年局の理事者も、そんな大変な現場の職員と、その職員によって守られている子どもたちにもっと寄り添ってほしいものです。
そしてもちろん、議会での答弁は常に誠実であらねばなりません。議会への姿勢は、市民への姿勢、民主主義に対する姿勢なのですから。
堺市議会議員ふちがみ猛志
LINE登録はこちらからも↓↓↓