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飲食店は小売業とサービス業のどちらかご存じですか

突然ですが。

飲食店は、中小企業基本法上、「小売業」か、「サービス業」か、あるいは「その他」に該当するのかご存じでしょうか?

 

当事者でも、これに確信を持って即答できる人は少ないと思います。

  

コロナ禍で大変な状況が続く中、様々な支援策が動き出し、申請の受付が始まっています。

その中で、本日、大阪府の「休業要請支援金」の申請の手続きのお手伝いを、少しばかりさせてもらいました。

その申請書(申請要件確認書)の、記載事項のひとつ目が、冒頭の問いなのです。

私もたいがいこういう書類申請は苦手なんですが、、、苦手な人はこの時点で拒絶反応を起こすでしょうね・・。

 

そんなん知らんがな!「飲食店」って書かせろや!

 と思いつつ、どれに該当するかを、スマホで調べること5分ほど。

わかった!「小売業」!

と、ようやく「小売業」欄にチェックした、私の相談者。(皆さん、正解しましたか?)

 

それにしても、わかりづらいのです。

 日本標準産業分類上の大分類では、飲食店は「宿泊業、飲食サービス業」に該当します。

「飲食サービス業?ならば『サービス業』か?」と思いきや、中小企業基本法上の類型では、、

 「宿泊業、飲食サービス業」のうち、「飲食店、持ち帰り・配達飲食サービス業」が「小売業」

「宿泊業、飲食サービス業」のうち、「宿泊業」が「サービス業」

 なんですって!!

ややこしすぎる(# ゚Д゚)!

 

私は苦手ながらも、まだ職業柄、比較的この手の文書を読む(読まなければならない)ことが多いのですが、、、

 この手のことに慣れていない方、ましてや、ネットを使えない方、日本語が不自由な方になると、このような調べものは困難を極めるでしょうね

 

それが、申請書の一番最初、質問①なんです。

 

では、なぜこんなことを訊くのかと言うと、その理由も調べていてわかりました。

申請書の質問②が「資本金」、質問③が「従業員数」なんですが、この①②③が揃って、初めて「中小企業者かどうか」、つまり「休業要請支援金の対象かどうか」が判明するのです。

中小企業者の定義では、「小売業」ならば従業員50人以下、「サービス業」では100人以下となっており、要件が違っています。その確認をしたいだけなのです。(おそらく)

 

へえ、じゃあ仕方ないか・・・。と言いたいところですが、そうもいきません!

必要な質問ならば、何万人もいるであろう申請者が、「うちは小売業だろうか、サービス業だろうか」といちいち調べなきゃならないんでしょうか。

 

私がこの制度の担当者ならこうしますね。

 

こちらが、支援金の対象施設一覧です。

 

この申請を検討する人は、まずここから見るはずです。

ならば、この施設一覧に、もう一行追加して、それぞれが「中小企業基本法上、何に分類されるのか」を書き足してあげればいいのです。「小売業」「サービス業」「その他」という具合に。

そして、冒頭の質問①は、このリストから転記せよ、と。

 

リストを作る役所には、多少の手間かもしれませんが、たいした手間ではありません。

一方、それだけの配慮で、申請書の一番最初の「質問①」で、何万人もの人がストップし、各々一所懸命に調べたりする、その手間が省けるのです。

さらには、役所自身も手間が省けるでしょうね。答えを間違えたまま申請して、役所が突き返したりすることも減るでしょうし、「飲食店はどっちや?」と電話で問い合わせる人だって減るでしょう(役所も応対する手間が減ります)。

 

そういえば、市民110万円の支給にあたって、麻生財務相が「手を挙げる方に配る」と言って、上から目線だと不評を買いましたよね。

あそこまでではなくとも、役所というところは、往々にして助成金などを「出してあげる」というスタンスであったりします。だから、申請する側の手間をいかにして軽減するかとか、あるいは、手続きが苦手な人ならどうだろうかとか、そんなことをあまり考えない傾向にあります(と私は感じます)。

大阪府も、今回の休業要請支援金の申請書に、一点でも書類に不備があると、全部突き返すようですね。・・・ってなんでそんなに横柄なん!?そもそも、休業要請って、出発点はおたくら(府)からの「お願い」じゃなかったっけ?

と、私は思うのです。

 

ひょっとしたら、あえて申請を難しくして、支援金の支出を減らしたいのかな・・、なんて思いたくもなります。

 

これは、前々から、私が役所に対してずーーーーーっと抱いている問題意識です。

今回の「小売業か、サービス業か」との難問に、それが象徴的に表れていたように思います。

 

今回のコロナ禍で、本当に大変な思いをされている方がたくさんいます。

行政の皆さんも大変だろうとは思いますが、こういう時こそ、市民に寄り添って、「役に立つ所」、役所としての責務を全うしてもらいたいと思います。(もちろん、私たち議員もです)

 

大変な時だからこそ、相手(市民)の負担を減らす、そして最終的には自分(行政)の負担も減らす、そんな小さな配慮をしたいものですね。

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

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