4000万円超の滞納と4年の遅延でも報告なし
大浜北町の約1haの市有地(通称:三角地)にホテルおよび商業施設の建設が決まったのは、2017年のことです。
国道26号線と堺旧港に挟まれた三角地は、堺大魚夜市で駐車場として活用されたり、かなり以前にはサーカスがやってきたりと、ごく稀に活用されることはありましたが、20年以上にわたってほぼ塩漬け状態になってきた土地です。
三角地の活用については、一度計画がとん挫したこともあり、2017年の計画決定は、まさに満を持してのものでした。
当時、世間ではインバウンド需要が右肩上がり、そして堺市も百舌鳥古墳群の世界遺産登録が見えてきておりましたので、この計画には大きな期待が寄せられました。
「事業者が支払う土地の賃料は月300万円、完成予定は2020年夏」と議会に報告がありました。
もちろん賃料収入だけでなく、ホテルが建つことによる固定資産税の増加、そして多くの集客による経済波及効果も見込まれていました。
また、この事業については、市の広報紙「広報さかい」を通じて、市民に広くアピールされました。
ところが・・・、
一向に工事は始まらず、ズルズルと計画は遅れ、そしてコロナ禍に…
気付けば、ホテルが完成するとしていた2020年夏になっても更地のまま。
さらに1年経っても、まだ更地。
そこで議会で状況を確認すると「事業が遅れ、完成予定は2024年に。賃料も1年以上滞納中」とのこと!
コロナ禍がホテル業界を直撃していますから、事業の遅れや、賃料の滞納も仕方がないのかもしれませんが、問題は、問われるまで議会(=市民)にそれを報告しなかったことです。
「ちょっと遅れた」だけではなく、「約束した完成期日になっても、事業がスタートすらしていない」という事態です。
また、お金の件もしかり。堺市の200万円の単年度赤字をことさらに「危機だ」と強調する市長ですが、4000万円以上もの滞納で議会に報告なしとは、呑気なものです。
この「報告なし」の指摘に対して当局は、「報告すべきだった」という旨の反省の意を示しながらも、「事業を実施する意思に変わりはなかったので(報告しなかった)」と、遅れを報告しなかった言い訳をしました。
しかしこれは明らかにおかしな話です。
約束した仕事の提出期限を過ぎたのに、部下はその仕事をやっている様子もなければ、遅れるという報告もしてこない。業を煮やした上司が、「どうなっている?なぜ報告しない?」と問うと部下は、「まだ私はその仕事をやろうという意思があるので、報告は必要ないと思いました」。
なんて、やり取りがあったら、皆さんはどう思われますか?
まさか市役所では、そんな仕事ぶりが許されているのでしょうか?
たとえ遅れても引き続きやる意思があるから、遅れるという報告はしなくていい。
待ち合わせ場所には引き続き行くつもりだから、遅刻の連絡はしなくていい。
そんな言い訳って、社会人としてアリですか?
市民の税金や資産を預かって事業をしているという意識が、どこまであるのでしょうか。
いや、「税金を預かる」云々以前に、社会人として恥ずべき対応です。
このことを、私の会派の吉川守議員が市長に厳しく問いましたが、永藤市長は質問時間が超過したことから、この問いかけを無視しました。
質問時間の超過であって、市長自身に答える意思があれば、答えられる場面だったんですがね。
部下の情けない仕事ぶりを、果たしてどう思っているのか、聞いてみたかったものです。
いずれにせよ、市長には組織の長として、当然あるべき仕事の仕方というものを、しっかりとやらせてほしいものです。
不誠実な姿勢の改善を望みます。
堺市議会議員ふちがみ猛志