健康福祉委員会視察
昨日から、本日午前にかけて行われた、健康福祉委員会の熊本への視察。
ただいま、帰路の新幹線です。
本日午前は「災害発生時における健康管理」がテーマで、熊本地震の際の、エコノミークラス症候群対策、感染症予防、精神疾患のケア、要介護者のケアなどなどについて、熊本県からレクを受けました。
これはまさに震災絡みであり、「今だからこそ」という面もあり、有意義な内容でした。
特に、要介護者のケアについては、福祉避難所のあり方や、地域包括ケアシステムなどと絡め、次の委員会で取り上げたいと思います。
さて、それよりも印象的だったのが、昨日の熊本市の視察です。
何が印象的だったかと言えば、職員さんのいきいきした表情です。
テーマは、「動物愛護センター」と「慢性腎臓病対策」で、いずれも震災には直接関係ありません。(前者は少し、震災時の話にも触れましたが)
だから、正直に言えば、「震災復興で大変な時に、無関係のテーマの視察で行かなくとも…」と、私は当初あまり気乗りしませんでした。(委員会視察は公務なので、個人の思いで拒否できません)
対応する熊本市の職員さんも、「自治体同士の付き合いだから仕方ないけど、迷惑な視察だなぁ」なんて思ってやしないかと、そんな心配をしていました。
それがなんのなんの。
全国的にも有名になった、それぞれの先進的な取り組みや成果について説明する職員さんが、なんといきいきしていたことか。
まず、動物愛護センターは、「殺処分ゼロ」の実現について。
かつては、他の自治体と同じように、保健所から送られてくる野良犬や、猫を、感情を殺しながら、まるで流れ作業のように殺処分していたのが、「こんなことはしたくない!」と職員さんが本音を語り合ったところから、すべてが始まったそうです。
薄汚れた野良犬を、トリマーの資格を持つ職員さんが綺麗にしてあげて、新しい飼い主とのマッチングを図ったり。
あるいは、迷子札100%運動(首輪に飼い主情報を書いた札をつける)をして、迷い犬を飼い主の元に返す率を、格段に向上させたり。
あるいは、生き物を飼うことの意味を、しっかり啓発したり。
そんな地道な活動の先に、とうとう「殺処分ゼロ」を実現したそうです。
慢性腎臓病対策では、全国の政令市で、慢性腎臓病患者数ワースト1だった、熊本市が、様々な取り組みの結果、新規透析導入者数が全国平均を下回るにまでなったことが紹介されました。
かかりつけ医と、腎臓病専門医や、栄養士との連携システムを構築したり、啓発活動に努めたり。
こちらも地道な活動ばかりです。
透析にはかなりの費用が必要です。
熊本市がこの取り組みをせず、かつての水準通りに新規透析導入者が推移していた場合と比較すると、なんと年間9億5000万円もの医療費削減になっているとか!!
いずれの事例も、職員さんの強い問題意識があり、使命感があり、地道な取り組みがあり、そして素晴らしい成果を得たものです。
公務員、とりわけ行政職員は、世間に批判されることがあっても、評価されることはあまりありません。悲しいかな、そんなご時世です。
政治の世界でも、なにかと公務員バッシングがなされます。
そんな中、職員さんもやっぱり人間です。
当たり前ですけど、いいことをした時には評価されたいし、注目されたいものです。
熊本市の職員さんのいきいきした表情から、そんな当たり前のことを改めて実感したところです。
職員さんのやる気をいかに引き出すかというのは、市長や各部局長だけでなく、私たち議員にもその務めがあるように思います。
そんなことも意識しながら、今後も議員活動に励みたいと思います。
もちろん、個々の取り組みについては、堺市政にしっかりフィードバックしたいと思います。
それは次の委員会にて!
ちなみに、素晴らしい成果のおかげで、職員さんだけでなく、犬までいきいきした表情でした!(動物愛護センター提供、譲渡前→譲渡後の犬)
堺市議会議員 ふちがみ猛志