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小泉大臣の育休取得について

小泉進次郎環境大臣の育休取得が話題になっています。

私はこの一件については、「よくぞ、判断してくれた」と思っています。

 

「政治家は、一般人が当たり前に取得できる仕組みを作った後で」なんて意見もありますが、当たり前に取得できることを阻害している最大の要因は「意識」です。当人だけでなく、上司の意識、同僚の意識、社会全体の意識です。決して、制度の不備ではありません。(もちろん制度にも改善の余地はあります)

 

今回のことをパフォーマンスと批判する人はいるでしょうが、パフォーマンスだとしても、確実に意識は変わります

 

以前、三重県知事が育休を取ったところ、県職員の育休取得率が跳ね上がったそうです(2010年度1.9%→2018年度36.7%)。

1人目の育児で計3.5日、2人目で計5日という、わずかばかりの育休でです。

何日かという中身ではなく、取ろうとする姿勢が、職員に伝わったのでしょう。

 大臣という立場での取得は、環境省職員に留まらず、社会全般に及ぼす影響が計り知れないことでしょう。そして、その影響で職場内の誰かが取得すれば、そこからさらに意識の変化は拡散していくはずです。

 

また、日数としてはわずかとは言え、「育児や家事に専念する時間」は、育児への理解を深め、今後の政策立案にも活かされるはずです。父として夫としてだけではなく、政治家として役に立つはずです。若い大臣には、その点も期待したいところです。

不肖・私も、第3子の育児の際、議員活動をわずか3日ですが完全にお休みし(普段は丸1日休むことも、ほとんどありません)、出産後の妻に休んでもらい、家事と育児を完全に1人でやりました。普段から家事・育児をやっているつもりの私でしたが、「完全に1人で」となると、それは全く違うものでした(「完全に1人で」を妻に度々やらせてしまっていることを反省・・)。シングル家庭ではそれがほぼ毎日でしょう。私も議員として子育て支援に取り組む際には、その時の感覚が非常に役に立っています。

 私にしろ、小泉大臣にしろ、それをもっと長期で取ったならば、また違った感覚を得るのかもしれませんが、ゼロと1とは大違いです。わずかであっても「取る」ということが、大事です。

  

人口減少の我が国において、少子化対策、子育て支援は政治の最重要課題です。

 

産後うつが4人に1人にも及ぶということ。

妊産婦の死因の1位が自殺であること。

2人目の子どもをあきらめる理由の上位に「夫の育児への協力が得られない」があること(※)。

(※)「2人以上の子どもが欲しかったが、1人だけであきらめた」という人の約12

 

男性が育休を取って、育児・家事に専念し、産後間もないパートナーをケアすることは、パートナーの心身の健康に繋がるだけでなく、次の子の出産(をあきらめないこと)にも繋がりうるのです。また、男性自身も、そこで育児への意識が高まり、育休終了後の育児・家事への参画に大きく影響し、子どもとの関係性も向上すると言われています。

 

 男性の育休取得率の向上に取り組むのは、大臣として当然の責務で、そこで必要なのは「社会の意識を変えること」であり、いま身をもってそれができる大臣は、小泉環境大臣だけです。

 今回の小泉大臣の判断に賛辞を贈ると共に、できれば全国の大臣、首長、会社経営者などなど、組織のトップに立つ方々が、積極的に育休を取得し、社会の意識を変える力になってほしいと思います。

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

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