昨日の採択について
昨日の本会議において、いくつかの採決がありました。
そのうち、「どうして?」とお思いの支援者の方がいらっしゃいそうなものについて、ピックアップして説明させて頂きます。
最初の二つは意見書、最後の一つは、自民党会派から提出された条例についてです。
念のため申し上げますと、意見書とは、それが議決された場合に、「地方の意見ですよ」と、国に対して意見するものであって、国に対して法的拘束力を持つものではありません。
また、私が所属する会派「ソレイユ堺」は、無所属議員を中心とする会派であり、国政にかかわる内容の意見書については、各自の思想信条を尊重しております。
結果として、採決が割れることを、否定していません。
①共産党提案 「特定秘密保護法の撤廃を求める意見書」
賛成しました。
「共産党の提案に乗った」ということに違和感を持つ方もいるかもしれませんが、私は誰が提案者であれ、是々非々で臨むつもりです。
特定秘密保護法は、天下の悪法であり、「もう決まったからいいじゃない」というわけにはいきません。
国には、一定の秘密は存在しますし、それを否定はいたしませんが、
・指定した「秘密」が半永久的に秘密にされる恐れがある
(秘密指定期間を30年程度にし延長を制限すべき)
・報道の自由に対する「配慮」が不明確で、何の担保もなく、危険
と、私は考え、大いに危惧しています。
地方議会はどんどんと透明化が進んでいますが、国はそれに逆行する法律を作ってしまっています。
一刻も早く、このような法律は撤廃せねばなりません。
②共産党提案 「消費税増税に反対する意見書」
(意見書に)反対しました。
私は5→8%への増税時に、「増税反対」の趣旨のTweetをしたこともあり、「消費税反対じゃなかったの?」と思われた方もいたかもしれません。
私の消費税および税に対する考えをまとめますと、
・将来的に我が国は北欧型の「高福祉・高負担」の方向性を進むべき
・その中において、消費税も将来的には上げざるを得ない
・ただし、法人税や所得税などとの直間比率や、応能負担のバランスが重要
・その視点において、消費増税だけがどんどん進むことは問題
・さらに消費税は、景気冷却効果が強いので、上げるタイミングが重要
5→8%時には、とりわけ最後の点において、私は否定的な考えを持っていました。(案の定、大幅な景気後退となりました)
また、2017年4月に10%に上げることについては、まだ景気回復の実感が市民には乏しく、まだ2年近く先とは言え、やるべきではないだろうと思っています。
福祉の将来像も国民には何も見えていません。
じゃ、「なぜ(消費税増税に反対する意見書に)賛成しなかったの?」となるわけですが、
この意見書には、「これ以上の増税をおこなわないよう強く求める」とあり、今後の消費増税を一切否定しています。
さすがにこれには賛成できません。
前述のとおり、私は景気の安定期に、福祉の将来像がしっかり示され、直間比率・応能負担のバランスが取れるのであれば、消費税増税は仕方ないと思っています。
以上が、この意見書に反対した理由です。
③自民党提出 「大阪戦略調整会議の設置に関する条例」
賛成しました。
この件について、あれこれ書き始めると長くなりすぎるので、端的に言いますが、
・この会議が有効に機能するとは思いにくい
・そもそも堺に二重行政はない
・地方分権や自治といった概念に反する点がある
ということで、懐疑的に捉えています。(一点一点説明すると長くなるので、詳しい説明を希望される方は個別にお問い合わせください)
これらは、都構想に対する見解とも似ていますが、都構想は、これに加えて「高コスト、高リスク、不可逆性、一部事務組合の乱立等の無駄創出の可能性」などの問題が加わりますので、大反対だったわけです。
で、じゃあ、なぜ賛成したかと言えば、、
・これまでの不毛な議論に終止符を打ちたかった(「いったん」になるかもしれないが)
・都構想に比べれば圧倒的に低コストの上、やめることができる
・まちづくり等のテーマにおいて、場合によっては、堺にメリットがある
という点です。
これまでの5年半、制度論ばかりが先行し、市民生活に直結した議論が、後回しになってきました。
今回の会議の設置で、その運営に多少のパワーが割かれますが、机上の空論ばかりが続いていたことを思えば、行政や政治に携わる者は、多くの力を市民生活の向上に向けることができるようになると思います。
なかなか短くまとめるのは難しいテーマですが、この程度にしておきます。
その他の採決についても、あるいは、今後のあらゆる議会での判断について、求められるならば、丁寧に説明して参る所存です。
堺市議会議員 ふちがみ猛志