里親についてのよくある誤解と質問
こんにちは。堺市議会議員のふちがみ猛志です。
前回のブログで里親をやっていることを書きました。この2年あまりに、そのことを知った方からあれこれ質問されることも多く、ここで「よくある誤解と質問」について書いてみたいと思います。
里親は金持ちがやること?
わりとこのイメージは強いと思います。私も昔はそうでした。
ハリウッドスターがたくさん養子を連れている、このイメージですね。
実際どうかと言うと、里親登録に「経済的に困窮していないこと」という条件はありますが、「裕福」である必要はまったくありません。
里子を預かる期間は里親手当等が支給されるからです。それで里子の生活費は充分に賄えます。チャイルドシートやベビーカーなどの値段の張るものは子ども相談所が貸してくれますしね。
手当の額は里子の年齢や期間によっても違いますが、実子が3人いる我が家にとって見れば、乳児の里子が来たとて、追加の生活費はミルク関連、オムツ関連くらいで、手当が多少手元に残るくらいでした。
里子を断れるのか?
前のブログで書いた通り、預かる里子の条件(希望)は聞いてもらえます。また、実際に預かる前には「預かれるか?」の確認が入ります。なので、仕事や家庭の都合で「今はダメ…」という時は、断ることもできます。
また、いざ預かった後、「思ったより大変だった」「体調を崩してしまった」「実子とうまくいかない」などと言う時は、子ども相談所が委託先の変更も含めて対応してくれます。
里親家庭もやはり実の家族が優先で(このことは子ども相談所にも再三言われました)、無理をしてまで預かっても、里子のためにはなりません。
委託先の変更まで行かずとも、しんどくなったら様々な形で子ども相談所や、里親支援機関、里親会などがサポートしてくれます。
レスパイト(休息)として別の里親家庭に一定期間預かってもらうことも可能です。
ですので、「あらゆる子どもをいつでも受け入れられる状況でないと里親になれない」というわけではないのです。
シングルでもなれるのか?
シングルでも里親にはなれます。ただし、子育ての体制が整っているかどうかは問われます。
私たち夫婦も面談の折に、互いの実家や、子育てを助けてくれる友人やご近所さんの存在は確認されました。
シングルでしかもそれらがないとなると厳しいかもしれませんが、そうした周囲の支援体制が十分であれば、シングルでも里親になれるでしょう。
同様に訊かれるのが同姓カップルですが、これも問題ありません。
全国ではすでに実例があります。
高齢でもなれるのか?
養育里親であればなれます。もちろん、これも「子育てできる体制・能力があるか」がポイントで、年齢をもって弾かれることはないということです。
堺にも、実子の子育てを終えられてから、養育里親として活躍されている方がたくさんいらっしゃいます。
※私の知る先輩里親さんは、このイラストの雰囲気よりはお若いですが(笑)
なお、養子縁組里親は年齢も考慮されるようです。
戸籍上も自分の子にするわけですから、その子が成人する時に里親は何歳か…というのは確かに重要ですよね。
そもそも施設じゃダメなのか?
もちろん施設の職員さんも専門性と愛情をもって、養育してくれています。しかし、どうしても時間ごとに(里子から見て)自分を担当する親代わりの職員が変わります。
乳幼児期の心の発達には、子どもの人間に対する信頼感を育む必要があり、特定の大人との深い関係が望まれます。こうしたことからも、厚労省も家庭養育を推進しています。
現在、堺市で実の家族と暮らせない子は約300人。一方で里親家庭は約80組。
厚労省は里親委託率(里親家庭に措置される割合)75%を目指していますが、堺市は15%ほどです。まだまだですね。
https://www.kyobun.co.jp/news/20170809_04/
※教育新聞より「里親委託率の目標について」
今は施設でも家庭に近い環境を作るようになりましたが、そうした中でもある施設長さんから聞いた一言が印象的でした。
「施設には限界があります。『今夜は〇〇が食べたい!』って言われても、作ってあげられませんからね」と。
※施設によっても対応に差異はありますが、今夜のおかずに限らず、子どもの希望に沿った柔軟な対応を、家庭と同レベルでできる施設はないでしょう。一方、子どもの特性によって、どうしても家庭では対応できない子もいますから、施設は施設として必要です。
以上、私が訊かれたことのあることについて、ざっと書き記してみました。
他にも疑問があれば、私なりの知識と経験の中でお答えしますし、知らないことは調べてお答えしますので、何でも聞いてくださいね。
よろしければ、3回連続の里親シリーズの最終回もぜひご一読ください。↓↓↓
「里親であることを発信しなかった理由とした理由」
堺市議会議員ふちがみ猛志
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