「障がいはグラデーション」ではなかったの?
あるお母さんから「保育所の選考に漏れて困っている」との相談がありました。
聞くと、保育所に入ろうとしているお子さんの上に、もう一人お子さんがいて、その子に重度の障がいがあると言うのです。
当然、障がい児の子育てはご苦労も多いことでしょうし、その兄弟の保育所入所は、ある程度優先的に進められるべきものだと思います。
そこで私は、障がい児の兄弟の保育所の選考について、どうなっているかを担当課に問い合わせてみました。
すると、答えは「2点の加点」。
確かに配慮はしているのですが、ごくわずかです。
どれくらいわずかかと言えば、月の労働時間が60時間の方と、80時間の方で、その点数差が2点です。100時間になればさらに2点、160時間を上限に、20時間ごとに2点がつきます。
そこから考えれば、「障がい児を別に育児している」ということで2点だけというのは、物足りないように思えます。(私だけ?)
しかし、この点数、問題なのは低さだけではないのです。
この加点は、正確に言えば「障がいを持った家族がいる」ことによる加点です。
子どもに限らず、同居の家族であれば加点されるのです。
また、障がいの程度を問うてはおりません。
子どもでなくとも、親(つまり保育所に行く子の祖父母)が障がいを持っていれば2点です。
軽い障がいで、十分自活できていても2点もらえます。
一方、養育すべき子ども(保育所に入る子の兄弟)が、重度の障がいを持っていても2点です。
障がいの重い軽い、その障がい者との関係によって、当該保護者の負担はまったく違ってきます。つまり、子どもを保育所に入れる緊急度もまったく違ってくるはずです。
なのに!一律で2点!
私はこれには強い違和感を持っています。
障がいはグラデーション。
障がいは様々。
よく言われることですが、しかし、当の役所の制度が「様々」にはなっていないのです。
私に相談してくださった方は、「重度の障がいの兄姉がいるのに、なぜ入れないのか?」と感じたそうです。
そして、私に相談されました。
議員である私が、個別の入所選定に、あれこれ口を出せるわけではありません。
ただし、上記のような制度の欠陥とも言えるものには、(この方のケースとは切り離して)改善を求めていかねばなりません。
それが議員の仕事であろうと思います。
その方には、制度の現状を説明した上で、「個別の事例でお力にはなれないけど、今後、同じことで困る人が出ないように、障がいの程度や、家族の誰が障がいを持っているのかによって、柔軟に加点する制度への変更を求めていきます」とお約束しました。
ご自身のことには「力にはなれない」と言う私でしたが、その方は喜んでくださいました。
この件は責任を持って、追いかけていきます。(そのためにも、何としても当選せねば…!! ←これが大事)
堺市議会議員ふちがみ猛志