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プールと市民満足度とタッチポイント

些細なことかもしれませんが、「行政あるある」だなぁと思った、最近の出来事です。

 

行政(職員)というものは得てして、「失点を防ぐ」技術と意識が高いものの、「得点を稼ぐ」技術と意識は低い・・・、と私は感じています。「売り込み」や「アピール」が下手なのです。あまりそこに意識が向かない傾向にあります。

 

先日、子どもらを連れて、泉ヶ丘プールに行ってきました。

今年の夏を最後に閉鎖する泉ヶ丘プール。
プールのあちこちに、「とうとう最後」「令和元年夏まで」の文字。

 

ところが、、、

実質的に泉ヶ丘プールの代替え施設となる、お隣の栂・美木多駅そばに完成し、来夏オープンする「原山公園プール」の紹介、宣伝がどこにも一切ないのです!!!

 

せっかく多くの予算を投じて、泉ヶ丘プールよりもずっと立派なプールを作るのです。

「完成を楽しみにしてもらいたい!」「来夏は原山公園プールに来てほしい!」なんてことは、思わないんでしょうかね・・・。

 

公共施設がなくなるというのは、市民サービスの低下です。
「泉ヶ丘プールがなくなる」という情報にだけ接すると、「不便になるなぁ」「遊び場が減るなぁ」「楽しい思い出があったんだけど・・」と、マイナスの気持ちになるでしょう。

ですが、「来夏、栂・美木多でリニューアルオープン!」「府南部最大級のウォータースライダー付きプールが泉北に!」なんて書くと、きっと多くの方がワクワクすることでしょうし、市民サービスの向上と捉えてくれることでしょう。

「市民満足度」は、気持ち次第、伝え方次第でずいぶん変わるものです。

 

これまで市の様々な事業のPRにおいて、私は「タッチポイント」の重要性を訴えてきました。
「タッチポイント」とは、効果的な宣伝・マーケティングのための、顧客との「接点」のことです。どこで、どのようなシチュエーションでその情報を発信すれば、効果的に伝わるかということです。

「下痢止めの薬の宣伝シールを、公衆トイレに貼ったら、薬がよく売れた。」という事例があるそうですが、下痢止め薬の効果的なタッチポイント(=薬を必要とする人が集まる場所)が「公衆トイレ」だったわけです。

同様に、堺市の様々な施策を市民に知ってもらい、市民満足度を上げようとするならば、高齢者向け施策は高齢者の目に触れやすい場で、子育て施策は子育て世代の目に触れやすい場で宣伝するのが、より効果的な宣伝となるはずです。

そういう意味で、原山公園プールを効果的に宣伝できるタッチポイント、つまり「プールを利用する人、プールが好きな人が集まる場所」は・・・、泉ヶ丘プールが一番ですよね。

市民の不満や、不便の原因は「知らない」によることが多いと感じます。
堺市だけではなく、多くの自治体が、知恵を絞り、様々な素晴らしい取り組みをやっています。しかし、施策を作るところまでは一所懸命でも、その宣伝が不十分で、それを必要とする市民(対象者)に伝わらず、市民満足度向上に繋がっていないという事例は、枚挙にいとまがありません。「行政あるある」です。

職員が「タッチポイント」の意識を高め、市民に的確に宣伝・アピールできれば、施策は今のままでも、ずいぶんと堺市の市民満足度は上がると思います。

原山公園プールは、こうして民間の情報サイトでも宣伝してもらっているんですから、肝心の堺市がもっと頑張って宣伝しないといけませんね!

https://sakai-news.jp/newface/20180528_a009_pu-ru

 

 

なお、このプールの件に関しては、公園事務所に連絡を入れたところ、「おっしゃる通り」とすぐに返答があり、速やかに泉ヶ丘プールでの宣伝を始めてくれました。
「判断、アクションが遅い」と言われがちなお役所ですが、素晴らしいクイックアクションで、私自身も驚き、感激したことを書き加えておきます。

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

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