ある党の候補者選定を垣間見て
先日、お世話になっているAさんの紹介で、Bさんに会いました。
Bさんは、ある党(C党)の勧誘で、D市(一般市)で市議会議員選挙に出ようとしており、Aさんが「無謀ではないか」と心配して、「とりあえず経験者の話を聞け」と、私のところに連れてきたのでした。
Bさんは、国家資格を持ち、その関連の講演活動を各地で行い、アクティブで若く、候補者になったら「それなりに見栄えするだろうな」と思える人でした。
しかし、D市には、まったく縁もゆかりもなく、完全な落下傘候補でした。
もともと統一地方選の一年前くらいに声がかかり、当時は別のE市での出馬が予定されていたものの(E市でも落下傘)、C党の内部事情で、秋になって、急にD市にまわされることになったということでした。
早速、私はAさんの心配も踏まえつつ、いくつか質問したのですが、
私「市議会議員になって、何をしたいの?」
B「●●です。(彼の国家資格に関すること)」
私「それって、国政マターですよね…」
私「D市で何をしたいの?」
B「まだD市のことをあまり知らなくて…」
私「C党の市議会議員は何人いるの?」
B「ん?2人?いや、3人?」
私(え、正確に把握してないのか…)
私「(ひょっとして…)D市の市長、だれだか知ってますよね?」
B「え、あ、いや…、知りません…」
もはや、返す言葉もありませんでした。
市議会議員の仕事は、行政をチェックすることであり、そのトップが市長なんですけどね。
うまい喩えが思いつきませんが、寿司職人になりたい人が「マグロって何?」、プロ野球選手志望者が「ホームランって何?」って言ってるくらいの衝撃です。
C党はそれなりの勢力があるし、私は「あなたは選挙に通る可能性があるけど、いい議員になれるとは思えない」と、ハッキリお伝えしました。
それにしても。
政党の候補者選びって、なんなんでしょうね。
「公認」という形で出る以上、その党が組織として、候補者に最低限の知識ややる気、遵法精神があることを担保してほしいんですが、なかなか現実はそうもいきませんね。
党が拡大基調にある時(候補者を増やしたい時)は、特にいい加減になりがちだということを、私もこれまで何度も見てきました。
これらの話はどの党かに限った話ではありませんし、もちろん上記のC党にも、立派な方はいます。
「党の違いより、議員個人の資質の違いの方が大きい」
私の議会での率直な感想です。
ゆえに、私たち有権者は、「●●党だから大丈夫!」ではなく、少しでも個人の資質を見極めようとする、その姿勢が求められているのだと思います。
特に現職議員については、その時間や情報があったわけです。
ん?そんな情報がない?
ならば、「情報を届けていない」というのが、その現職議員の資質を示す「情報」なんだと思いますよ。
以上、私も自戒の念を込めて。
堺市議会議員 ふちがみ猛志