どっちが大事?百条VS個人情報流出
まったくの愚問である。
そんな愚問が、時々、私のもとに寄せられる。
私が最近、百条委員会の状況や、そこで感じたことを、ブログやツイッターにアップすると、
「個人情報流出事件の方もちゃんとやれ」
「どっちが大事なんだ?」
「竹山市長に気を遣って何も言えないんだろ」
みたいな突っ込みが、ちょいちょい入る。
「あまり議会の仕組みとかをご存じないのかな?」とも思うし、少なくとも、堺市議会の実際の議論を見たり、議事録を見たりしたことがないものと思われる。
まず、最初の愚問に敢えて答えるならば、、
「どっちも大事」
当たり前だけど。
どっちが、なんて言えるわけがないよ、そりゃ。
問題の質が違うんだし。
百条委員会は、堺市議会史上初。
あの号泣野々村議員よりも多い一千万円を超える政務活動費の不正使用、さらには監査を逃れるための証拠のねつ造まで疑われているが、ろくに説明責任を果たさずに、議員として居座り続けている。議会の信頼に関わる重大事項。
一方、個人情報流出事件も、自治体史上最大規模。
今後、市民が行政を信頼し、税金を払い、個人情報を預けられるようにするためにも、この問題の対応は極めて重要。
じゃあ、なぜ発信量が違うのかいえば、
「私は百条委員会の委員だから。一方で、総務財政委員ではないから。」
堺市議会には、六つの常任委員会があり、48人の議員が8人ずつ、個々の委員会に所属している。私は、文教委員会。
そして、その六つの委員会の範疇にない課題は、特別委員会が設置され、それはそれで、メンバーが選ばれる。
そこで、私は百条委員会(特別委員会)の委員にもなっている。
だから、その問題については、真っ先に取り組む義務があるし、委員でない議員より、タイムリーに情報が得られるから、それを市民の皆さまに伝えようとするのは当然。
一方、個人情報流出事件に関しては、私の会派では、山口典子議員が総務財政委員で、8月議会からこの問題を取り上げ、先日の閉会中審査でも、しっかりと追及し、再発防止策の提案までされていた。それは、どの会派の委員よりも、的確で、建設的なものだったと思う。
私自身は、「委員じゃないから、個人情報流出に無関心か?」と言えば、もちろんそんなことはない。委員会での質疑の機会はないが、情報だけはしっかり把握しておきたいので、総務財政委員会は、ほとんど傍聴している。もちろん、先日の閉会中審査も。
これはこの問題に限らず、私は可能な限り、他の委員会も傍聴するようにしており、間違いなく、「一番傍聴している議員」である。(地元が堺区で、すぐ市役所に来られるから、というのもあるが)
逆に、維新の議員さんは、12月議会で個人情報流出事件について急に騒いだわりに、先日の総務財政委員会閉会中審査を傍聴していたのは、ごく一部の方だけだった。さらに言えば、身内が尋問されている百条委員会には、誰も来ていなかった(他人事?)。
話を戻すと、「どっちが大事?」なんて愚問である。
委員なんだから、当然、そっちの発信量が多くなる。
でも、私以外の委員が、しっかりとその問題にも取り組んでいる。
普段も、私は文教員会だから、教育に関して取り上げる機会が多いし、それにともなって発信も多い。
そのことに対して、「おまえは、教育以外に興味がないのか?」と言われるようなもんだ。
ひょっとして、そういうことを尋ねてくる人は、議会に「委員会」というものがあるのを、ご存じないのだろうか、、、、と思ったり。
あと、ついでに。
「おまえは、竹山市長に厳しいことが言えない」なんて言われることもあるが、そんな方は、ぜひ、一通りの議会中継に目を通して頂きたい。
例えば、11月定例会でも、多子家庭支援がおろそかな点について、「子育てのまち堺の名折れ」だと、竹山市政の最重要政策を批判した。文教委員会でも、毎回、文句をつけている。
一方で、維新の議員さんの質疑に、「ぬるいなあ。もっと厳しく言うたらええのに。」と、思うこともしょっちゅうある。
まあ、二元代表制だから、批判だけしてりゃいいってもんでもなく、賛成してりゃいいってもんでもないから、そのあたりは是々非々で、緊張感をもってやっている。
長くなったけど、、とりあえず、愚問への回答。
堺市議会議員 ふちがみ猛志