NOWLOADING

保育料無償化延期の問題点を改めて

竹山前市長時代に決まり、自身もそれを「踏襲する」としてきた「令和3年度実施予定の第2子0~2歳の保育料無償化」について、永藤市長が無期限で延期したことを、私は議会でも、またこのブログでも批判してきました。

 

① 改めて、どこが問題点なのか

②ではどうのように救済すべきなのか

 

について、2回に分けてここに綴りたいと思います。

 

問題点については、過去ブログをご覧頂ければいいのですが、https://fuchigami.info/%e7%9c%9f%e3%81%a3%e5%85%88%e3%81%ab%e5%ad%90%e8%82%b2%e3%81%a6%e6%94%af%e6%8f%b4%e3%82%92%e5%89%8a%e3%81%a3%e3%81%9f%e6%b0%b8%e8%97%a4%e5%b8%82%e9%95%b7/

 

改めてポイントを簡潔に言えば、

1.対象者の人生設計に影響を与えるほどの痛み

2.議会にも諮らず、市民にも説明しない市長の姿勢

3.子育て支援を真っ先に削減対象にしたこと

が大きな問題だと、私は思っています。

 

1については、「最大で月額6.7万円、年額80万円以上」が、来年度以降はタダになると約束されていたのが反故にされたのです。この約束を信じて人生設計した人がたくさんいます。ローンを組んだ、習い事を増やした、堺に引っ越してきた、第2子を産むことにした、、、などなど。挙げればキリがありません。

本来、財政難における負担の分かち合いは、「広く浅く」が鉄則なのに、特定の層の人にこれだけの痛みを集中させるのは間違っています

 

このような状況でも、どうしてもやらざるを得ないのであれば、市長はそれを議会に諮り、市民にしっかり説明をすべきでした。それをしなかった市長の姿勢は、私は非常に不誠実だと思っています。それが2の批判です。

永藤市長は「平成28年の竹山市長の作った中長期財政見通しにこの施策が含まれていなかった」ことが問題だったとして、恨み節のように語りました(※平成29年の市長選のマニフェストによるものですから、含まれていなくて当然なのですがね)。

おそらく、「そもそもできるはずがなかったものを、竹山市長がやろうとした」と言いたかったのでしょう。

ただ、本当にそうならば、ご自身が令和2年2月に中長期財政見通し「堺財務戦略」を作った時点で、この施策の見直しを表明すべきだったのです。そこでそれをしなかったということは、ご自身がこの施策を財政的な観点からも追認したということであり、無期延期の原因を、「平成28年度の中長期財政見通し」に持ってくるのは無理があります。

実際に延期を表明したのは、令和2年9月号の広報さかいです。ですから、恨むならば「平成28年度の財政見通しが甘かった」ことではなく、コロナ禍を恨むべきなんです。

 

私の3の批判については、議会で維新議員より「保育所入所の申し込みが10月から始まるので、それより先に出さざるを得なかった」という主旨の発言がありました。「令和3年度予算の策定において、子育て支援以外も削減すべく検討している。事情があって、先に発表しただけである。」と言いたいわけで、要するに私の批判が的外れだと批判しているのです。しかし、これこそ的外れな批判です。

私が比較しているのは、これから作る令和3年度予算(における見直し)ではなく、いま執行中の令和2年度予算です。(※この辺りはコロナにおける予算見直しを「来年度から」と考えた当該議員及び当局と、「今年度からすべき」と思った私との意識の違いかもしれませんが)

令和2年度のはじめ(4~5月頃)には、コロナ禍が財政に大きな影響を及ぼすことがわかっていましたから、一度成立した予算でも、相当程度見直すべきだったのです。

しかし、「コロナでイベントが開催できなかった」というような、やむを得ないものを除き、能動的に見直した予算はほとんど見当たりませんでした。百舌鳥古墳群のビジターセンター等、緊急性がないと思われる億単位の予算もあったのですが・・。

そうした予算を見直さず、真っ先に発表されたのが、子育て支援の削減だったわけです。

奇しくも、私を批判した維新議員は、予算の削減について「生活に影響の少ないところから」と述べていましたが、第2子0~2歳の保育料無償化の延期が、まさに子育て世帯の生活を直撃しようとしていることをどう捉えているのでしょうか。

 

執行中の令和2年度予算を(能動的に)何も見直さず、子育て支援の削減から発表したことは、子育て世帯に「堺は子育てに冷たい」「子育て施策の優先順位が低い」という強烈な負のイメージを植え付けたことでしょう。残念ながら。

これは、本市の定住人口の増加、税源涵養の観点から、極めてまずい発信でした。

 

もし私が市長なら、5月議会か、遅くとも8月議会で令和2年度予算の減額修正をいくつも出したことだと思います。そして、その上でどうしても「第2子0~2歳の保育料無償化の延期」が必要ならば、子育て世帯に対し、その申し訳ない想いを込めて、自らの言葉で丁寧に事情を説明したことだと思います。さらには、「財政の見通しを付けた暁に、優先的に子育て支援を回復させる」という決意も表明したことでしょう。

 

このような問題を抱えた「第2子0~2歳の保育料無償化の延期」でしたが、11月議会で「救済措置を求める決議」が可決されました。

全会一致の決議ですから、当局は真摯に受け止めて、救済措置を検討してもらえるものと信じています。

 

では、どんな救済措置をすべきなのか。

 

私は延期したことを批判するだけ、救済措置を求めるだけ、、、というつもりはありません。

そこで具体的な提案は・・・・、それは次のブログにて。

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

 

意見・提案