振り返れば未来が見える
振り返れば未来が見える。
ふと、そんな言葉が頭をよぎりました。
これは、私の高校時代の世界史の先生が、「なぜ歴史を学ぶのか。」との問いに答えてくれたもので、私自身、歴史の本を読んだりする度に思い返す言葉です。
大綱質疑が始まり、初日には聞きごたえのあるいくつかの質疑がありました。
私が特に印象に残ったのが、自民党の野村議員のLRTに関する質疑でした。
LRT(次世代路面電車)のメリットを認めつつも、自動車の技術革新によってそのメリットは従来よりも小さくなり、むしろこれからの20年で自動車の方が優位にすらなることを示唆しました。
例えば、LRTの車に対するメリットとも言える、「環境負荷の軽減」「運転者の負担軽減(乗客になれば運転しなくてよい)」「交通渋滞の緩和」については、それぞれ「燃料電池車や電気自動車」、「自動運転」、「高度道路交通システム」などが、その差を解消していくであろうとのことでした。
また、過去の交通に関する歴史から、「電車が汽車に取って代わったこと」など、いくつかの事例を紹介し、いずれも革新的な技術が20年ほどで一気に広がったことを紹介しました。
要するに、「自動運転」のような技術も、遠くない将来に、一気に広がるだろうということでした。
LRTがヨーロッパで導入されたのが1980年前後、日本最初のLRTが2006年の富山。
そしてそれから、もう12年が経ったわけです。
堺が今からそれをやろうとしても、少なくとも5年はかかるでしょう。欧州で導入されて40年、日本で導入されて20年近くが経過する頃です。
「少し前の技術」となったLRTに固執するよりも、今大きく動いている革新的な技術に投資し、新たな交通モードを見出すべきではないかというものでした。
振り返れば未来が見える。
過去の交通の歴史を紐解く中で、今が、新しい未来に向けた選択の時であるように思えました。
同時に、未来を選択していく私たち政治家は、歴史に学ばねばならないと、改めて感じた質疑でした。
堺市議会議員 ふちがみ猛志