改めて私が森山候補に投票する5つの理由
そもそも選挙とは、100%理想の候補なんているものではありません。
今回の衆議院議員選挙大阪16区においても、(両候補には失礼な言い方かもしれませんが・・)、森山ひろゆき候補、北側一雄候補の双方に、『私から見て』、いい点、悪い点、優れている点、劣っている点、投票したい理由、投票したくない理由が存在しています。
しかし、その中で『総合的に』、あるいは自分にとって『最優先の点に重きを置いて』、いい候補、場合によってはマシな候補を選ぶのが、選挙というものです。
例えば、キャリア、とりわけ与党としてのキャリアの長さから見ても、経験や実績(※)には北側候補に分があると思います。
(※後述しますが、『私から見て』負の実績もあり、それが私の『投票したくない理由』の1つにもなっています)
よく選挙では、候補者の人柄で判断される方もいますが、『私から見て』これはお二人とも素晴らしいお人柄だと感じています。北側候補について言えば、大臣までされた方があれだけフランクに市民に対応されたり、近所でジャージ姿で買い物されているところを見てしまうと、素直に「飾らない人柄だなあ」と思ってしまいます。会合などでお会いした時には、私などにも優しく声をかけてくださったりします。
森山候補は高校の同窓で付き合いが長いので、少々贔屓目なのかもしれませんが、温厚で、ポジティブで、絵に描いたような「ええ人」です。
前置きが長くなりましたが、そういった中で、それでも森山候補を選んだ理由を5つ申し上げます。
①緊張感が必要
やっぱり、これまでの9年間の自公政権は強すぎました。後述する②や③の問題は、強すぎたから起こったのです。政治には緊張感が必要です。この緊張感の大事さは、市議会レベルでもそうで、何度もこのブログで書いてきました。
野党がもっと力を持たないと、そして「いい加減なことをすると政権がひっくり返る」という緊張感を互いにもたないと、政治はよくなりませんし、いい議論がなされず、いい政策が作られません。
長期政権は腐敗する。これは古今東西の歴史が証明しています。
②立憲主義を取り戻す
これは、過去のブログにも書きました(③も含め)。
「違憲(やることができない)」としてきたことを、憲法(ルール)を変えることもなく、閣議(身内の話し合い)で「合憲(やってもいい)」としてしまったことは、立憲主義(ルールに基づいて政治をしようという鉄則)を破壊するものでした。安倍政権における集団的自衛権の容認のことです。これは大げさでなく、わが国の政治史に残る汚点だと思っています。
公明党がこれに加担してしまったことは、私にとって非常に大きな「投票したくない理由」「負の実績」なのです。
一日も早く、この法案を修正し、立憲主義を回復させねばならないと私は思っています。
公明党の「平和と福祉」に関係した政策を、私は一定評価していますし、市議会にいてもそれらに対する議員さんや、支持者の方々の純粋な思いをひしひし感じることがあります。
だから私は、この件では、身体を張って止めてほしかったし、そうしてくれていれば、今回の私の投票行動にも影響していたかもしれません。
自民との連立維持の中で妥協に妥協を重ね、少なくとも国政において、特に安倍政権下では、本来の「平和と福祉の党」の姿がずいぶんと様変わりしてしまったように感じています。残念です。そして、そう思い、忸怩たるものを抱えているのは、まさに同党の支持者の皆さんではないかと思います。
③くさいものに蓋をさせない
安倍政権下の森友、加計、桜を見る会問題は、まさに政治の私物化とも言える事件でした。そしてそのスキャンダルそのもの以上に、そこに蓋をするために「公文書を組織的に改ざんする」という大事件が起こりました。
「まだ言うの?」という意見もありますが、これまた私は、我が国の行政史上に残る汚点だと思っています。私も市議会議員として堺市の行政職員と関わっていますが、公務員が出す資料に、意図的に嘘が書かれているなんて、考えもしないことです。きっと日本中の大多数の公務員が同じ思いでしょう。
この大事件は、必ず真相を究明しなければなりません。
しかし岸田総理も、総理になる前は真相究明の必要性を認めながら、それを撤回しています。残念ながら、公明党もこの件については後ろ向きなままです。
これを真相究明しなければ、第2、第3の改ざんがなされるでしょうし、そんなことが(国民の見えないところで)続けば、わが国の公務員倫理は崩壊してしまうことでしょう。
④経済政策の転換が必要
これは数日前のブログに書きました。
実質賃金は20年で1割ほども下がってしまいました。
その間、韓国は2.5倍になったんですよ。欧米諸国も30%から90%増しに集中しています。日本だけが、10%ダウンです!
少子化が経済の足を引っ張っているのは間違いありませんが、それは韓国や、少なからぬ欧米諸国にも共通しています。これを経済政策の失敗と言わずして、何と言いましょうや。
これまでの延長線上ではなく、経済政策の大転換が必要です。
大企業や、お金持ちがさらに成長すれば、下々にも恩恵が・・
だからもっと競争を、強いものに自由を!
多少の痛みは仕方ないんだ!
というここ20年の経済政策(新自由主義路線)を転換せねばなりません。
そのことを岸田総理はわかっているはずですが、最近の発言(が変節していること)を見ていても、自公政権には無理です。
⑤子育て・教育の本気のテコ入れが必要
先の④にも多少連動しますが、わが国の最大の課題は「人口減少」です。
少子化対策がこれだけ叫ばれながら、以前として、我が国のGDPに占める「教育予算」「子育て支援予算」の割合は、先進国で最低水準です。例えばフランスと比べ、前者は2/3、後者は半分にも満たないのです。
我が国の少子化問題への対応は、もはや臨界点を超える寸前だと思っています。コロナ禍で出生数が大きく落ち込んでいます。
いまこれらの予算を「倍増させる」というくらいの本気度がないと、絶対に手遅れになります。(すでに手遅れとも言われていますが)
子育て支援については、公明党は非常に熱心な政党だと私は思っています。しかし、これもやはり自民党との連立政権の限界です。そのような大胆な変革は、残念ながらできないでしょう。できるならば、すでにやっているはずです。
かつての民主党政権にはたくさん批判もあり、私も批判したいことは山ほどありますが、こと「子育て支援予算・教育予算を増やすこと」においては、私は評価しています。当時のこども手当も、高校授業料無償化も大きな実績だと私は思うし、それを超える本気度を見せてもらいたいと思っています。
以上、私が森山候補を選んだ理由上位5つを書きました。
繰り返しますが、もちろん、森山候補や、立憲民主党にも、『私から見て』ネガティブな要素がないわけではありません。しかし、私が大事にする点に着目しつつ、総合的に判断した結果です。
少し蛇足になりますが、上記の①~⑤は「与党より野党に」とも読み取れるものですから、「(比例票は)だったら維新に」と思われる方もいるかもしれません。しかし、それだけは絶対にやめてください。①~④については、
①野党のフリをした与党であり、いざという時に与党が利用しやすい、慢心を作り出す存在
②与党と全く同じ立ち位置
③与党と全く同じ立ち位置、、どころか森友問題では当事者。なのに知らん顔。
④自民党以上にこれまでの新自由主義路線への執着が強い
という状況です。(⑤については強く否定するつもりはありません)
加えて、コロナにおける大阪府の惨状(全国最悪の死者数、全国最遅の支援金等)に知らん顔をして、反省することも一切なく、平気で「大阪の改革を全国へ」とか言っているあたり、私は本当に危険な存在だと思っています。
以上、ご参考にして頂ければ幸いです。
堺市議会議員ふちがみ猛志