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政治にはおカネがかかるのか否か

こんにちは。堺市議会議員(堺区)のふちがみ猛志です。

 

本年、最後の一日となりました。

私は毎年、お正月に届くように議会活動報告新年号を発送しています。その数、6000通強。大半は堺区内に送るもので、それらのラベルにはバーコードをつけて割引の適用を受け、1通62円(通常84円)となります。

 

今回の発送費用は、40万円を超えました(-_-;)。

 

最近、また「政治とカネ」の問題がメディアを賑わせています。もちろん、裏金づくりに勤しむ政治家たちを擁護する気はまったくありません

ただ、この問題でよく聞かれる「政治にはカネがかかる」というワード。私は「かかるの?」と訊かれれば、迷わずに答えます。

 

「かかります」と。

 

今日はそのことについて書こうと思います。

 

まともな活動にはおカネがかかる

裏金議員たちが言うところの「政治にはカネがかかる」の「カネ」とは、おそらく「いけないカネ」なんでしょう。最たるものが「票を買うカネ」ですね。

 

でも私が「かかります」と言うおカネはもちろんそうではなく、「まっとうな活動に要するおカネ」です。

 

私は年4回、議会活動報告のチラシを作成しています。1回あたり8万部です。これは選挙区である堺区の全戸配布分と駅頭配布分に加え、一部区外の方にもお届けしています。

1回あたりの印刷費用は約40万円ですから、4回で約160万円となります。

自分でデザインし、格安のネットプリントを使っていますが、それでもこれくらいします。(私が議員になった8年前よりも、2~3割高くなっています)

 

仮にポスティング業者を使って全戸配布しますと、1回約50万円、年間で約200万円かかります。私の場合は多くのポスティングボランティアのお力を借りることができており、1/4くらいに抑えられています。

 

とはいえ、最近はポスティングお断りのお宅も増えていますし、郵便の方が見てもらえる率も高いので、時に郵便も利用します。議会活動報告以外に、寄付のお願いやイベントのご案内などを送ることもありますし。年間で1.2~1.5万通くらいですかね。その郵送代・封筒代で100万円は軽く超えます。

 

毎年各校区で市政報告会を実施しています。17か所の地域会館等の使用料は10万円くらいになります(1か所3000円~1万円)。また、そのご案内をハガキで送っていますが、3000通くらいで約20万円。

 

こうした事務を行う上でも、また市民からの相談をいつでも受けられる場所としても事務所は必要だと思います。事務所を設ければ、スタッフも必要です。事務所賃料、人件費、光熱水費、OA機器のリース代、ネット利用料等で、年間200万円を軽く超えます。

 

と、ここまでで500万円を超えました。

 

他にもガソリン代や、携帯電話代、書籍購入費、勉強会等への参加費等々、実に多くの経費が掛かります。

 

活動しなければおカネはかからない

もちろん、これらの経費は、

 

議会活動報告を作成しなければかからない。

支援者にだけ配って広範に配布しなければあまりかからない。

市政報告会をやらなければかからない。

事務所を構えなければかからない。

何もしなければ、何もかからない。

 

というわけですが、市民の皆さんはそんな議員を望みますか?

 

議員である以上は「ちゃんと活動しろ」「ちゃんと情報発信しろ」「ちゃんと勉強しろ」と、多くの方が思うことでしょう。その一つひとつには必ずと言っていいほど、おカネがかかるのです。

 

いくらICTを駆使してもそうです。ホームページを作るにもかかりますし、たとえば私は「公式LINEアカウント」で情報発信していますが、月5,500円、年間66,000円かかります。それなりの動画を配信しようと思えば、それなりのスタッフとその人件費が必要でしょう(あるいは業者に委託する費用が必要でしょう)

 

清貧競争では政治はよくならない

あとは「程度の問題」となるわけですが、私は何も自分が過剰に活動し、過剰におカネをかけているとは思っていません

 

議会定例会は年4回ありますから、4回の議会報告が妥当だと思っています。

私の活動については、私の支援者以外の方にも「知る権利」があります。なので、堺区全戸にお届けしています。(本当は「堺市全戸」と言いたいですが、物理的・資金的にもそれは厳しいです)

「ネットで十分」という人もいるでしょうが、ネットは「見たい人」にしか届きません。自ら手を差し出さない人にも情報を届けようと思うと、やはり「紙」です。読みやすさの面からもそうです。

事務所にしろ、市政報告会にしろ、あらゆる市民に対し、直接対話できる場は設けておくべきでしょう。

 

私の活動でもまだ節約や見直しの余地はあるでしょうが、私は「議員の責務」としてこれくらいはやる必要があると思っています。

 

もし「おカネをかけるな」ということになれば、おそらくこれらの活動を抑制することになります。

 

 

政治に過剰なおカネをかける必要はないですし、ましてや不正なおカネはあってはなりませんが、「最低限の活動に必要な、最低限のおカネ」というものはあります。

「政治にかけるおカネを減らせば減らすほどよい」かのような風潮は、議員の活動量と、市民への情報量を減らすことになり、結果として政治の劣化を招くと私は思っています。

 

私が「身を切る改革」に否定的なのもそのためです。報酬を減らすことや、寄付することを宣伝するくらいなら、本来必要な活動、市民のためになる活動に自己資金として投じればいいと思います。私は投じています。

 

議員が「いかにおカネをかけないか」を競い合うことで、市民は何も得をしないのです。

 

大事なのはおカネの集め方と使い方と透明性

「政治におカネはかかる」とは言いましたが、世間を騒がせている裏金議員を擁護する気などありません。また、「報酬を増やしてほしい」などとも思っておりません。

 

正しくおカネを集め、

正しくおカネを使い、

それをしっかり公表する。

 

それがすべてだと思います。

 

政治資金パーティーは法令で認められており、まっとうに開催され、ちゃんと法に則って公表されている議員の方々に文句を言うつもりはありません。ただ、「企業献金の抜け道」となっている点は、今後法整備をしなければならない点だと思います。

 

私は政治資金パーティーをしたことがありませんし、無所属なので政党交付金の恩恵にあずかったこともありません。基本的には報酬から捻出する自己資金と、政務活動費、それに個人からのカンパによって活動しています(収支報告書にて公開しています)

 

私は、政治というものが「個人からの寄付」と「ボランティア」によって支えられるようになればいいと思っています。日本は欧米諸国に比べ「寄付文化がない」と言われますし、たしかにそうだと思います。それでも、こんな一介の市議である私にも、定期的にボランティアをしてくださる方が100人近くいて、カンパも毎年300件前後頂いています。

※今回の封入作業もボランティアの皆さんのお力で!

 

今回の裏金騒動で名前の挙がっているような方には、知名度の高い国会議員さんがたくさんいます。まじめにコツコツやり、活動を見える化すれば、私のような無名議員の何倍もの「個人の力」を集めることができると思うんですがね。

 

政治とカネの問題の原因は国民にあり

政治は国民の写し鏡だとよく言われます。

 

ダメな政治家が多いのは、それを選ぶ有権者がいるからです。

票をおカネで買おうとする政治家がいるのは、それを売る人がいるからです。

政治に過剰なおカネがかかるのは、本来必要とされる以上の「過剰な何か」を政治家に求める有権者がいるからです。

 

あるいは、その選択権を放棄してしまう有権者が多いからです。

 

先日、裏金問題のテレビ報道を見ていて、「投票率が下がる」という街頭のコメントがありましたが…、

 

ぜひ!この機会に!むしろ、政治に厳しい目を向けてほしい!と思います。

 

正しく活動しているのは誰なのか。

活動がよく見えるのは誰なのか。

見てもらおうとしているのは誰なのか。

国民・市民、有権者がそこにちゃんと目を向ければ、自ずと政治家は集まってくるはずです。

 

2024年はかなりの可能性で解散総選挙があると言われています。政治とカネの問題が噴出した今、政治の膿を出し切り、不正を一掃し、浄化していく一年になることを願っています。

 

「政治は国民の写し鏡」だと、いい意味で言える一年にしましょう!

それでは皆さん、よいお年を!

 

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

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