救われたケーキ屋さんの一言
10月の台風21号で浸水被害のあった浅香駅周辺。
その数日後に、現地を確認した時のこと。
営業を休止し、浸水被害の後片づけをしているケーキ屋さんで、大変な被害状況と、今後の営業への不安を聞かされました。
業務用の冷蔵庫や、ショーケースが壊れたこと、食材や包装箱が廃棄せざるを得なくなったこと、何より、復旧に10日以上休むことになり、その間収入が途絶えること。しかし、家賃や、食材費等の支払いはちゃんとしなければならないこと。
当然、その間にお客が離れてしまう心配だってあったことでしょう。
「何か、市でサポートしてもらえないのか?」
その問いかけに対し、私は様々な部署に確認を取りましたが、、、、結論は、
「ない」
でした。
大規模災害には国の救済制度であるのです。
それに該当しない災害には、自治体の見舞金制度などが独自で設けられているものの、堺市を含めた多くの自治体が、その見舞金制度の対象を「住家」に限定しており、店舗などを対象としていないのです。
なぜなら、この制度は「当面の生活を守るため」なんだと。
ちょっと、待ってくれい!!!
もちろん、住家の被害は気の毒です。
しかし、例え住家が被害にあっても、働き口・収入さえ確保されていれば、仮住まいを探すことだってできるでしょう。
一方、個人事業でお店を構えている人が、そのお店に被害が出て、営業を休止せざるを得なくなると、途端に生活が困窮することもあるはずです。
「当面の生活を守るため」と言うなら、(大きな事業所を対象にしろとは言いません)個人事業の店舗なども、救済の対象とすべきです!
そのことを議会で訴え、災害対応の危機管理室、中小企業支援を所管する産業振興局の両責任者が、制度の創設を「検討する」と、前向きな答弁をしてくれました。
ところが、、、、、当然ですが、制度ができても過去には遡及しないのです。
私はこのことを報告しに、ケーキ屋さんに行きました。
店舗救済の制度創設に繋げられそうだと言っても、「結局、自分は助けてもらえないんでしょ」と、そんな反応が来ることを恐れていました。
しかし、返ってきた反応は、
「よかった!私の被害がムダにならず、次に繋がったんですね!」
というものでした。
制度創設に繋がりそうなことに一定の満足感を得ながらも、不安を抱えていた私を救う一言でした。
この仕事をしていると、自分のことしか考えていない、まち全体のことや将来のことなんて後回し!という方に出会うことも少なくありません。まして、災害に見舞われた方です。なのに、こうした反応ができるというのは、立派なことだと思いますし、私も嬉しく、明るい気持ちにさせてもらいました。
そして、それと同じくらい嬉しかったのが、24日のクリスマスイブのケーキの予約がすでに一杯だったこと!(だから、私の予約注文は25日にまわすことになりました(*^^*))
被災した時には不安を語っておられましたが、こうして前向きに頑張っていらっしゃる姿を見て、多くのお客さんが戻ってこられたんでしょう!!
25日のケーキが楽しみです!
堺市議会議員 ふちがみ猛志