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是々非々でいこう

私は、特に地方議会においては「是々非々」が大事だと思っています。当たり前ですけど。

 

それが維新であれ、自民であれ、共産であれ、もちろん市当局であれ、比重は違えども、政策や主張に、いいと思う点と、悪いと思う点があります。

 

私のブログやツイッターをご覧の方でしたら、維新批判をよく目にするかもしれませんが、それは「悪いと思う点」があまりに衝撃的すぎて、つい力強く書いてしまうだけであって、「いいと思う点」も個別にはたくさんあります。

 

例えば、いま、維新の小林よしか議員と同じ健康福祉委員会の委員ですが、彼女の政務活動費の問題は以前から強く批判しているものの、彼女の委員会での発言を聞いていると、「子育て中の素直な目線」が感じられ、私も「同感だなあ」と思うことがあります。先日も彼女が訴えた乳幼児健診の土日開催のことで、賛意のツイートをしたところです。これだけ子育て支援が重要な政策課題になりながら、小学生以下の子育てをしている女性は、堺市議会で彼女だけで、非常に貴重な存在です(だからこそ、本来は辞職すべき不祥事を起こされたことが残念です)。

 

黒田征樹議員(維新)は、障害者の問題に積極的に取り組まれていて、作業所での電子部品の分解の話など、非常に興味深く聞かせてもらいました。障害者の問題と言えば、堺市議会では、共産党、公明党、ソレイユ堺(無所属+民進)が取り上げている頻度が多く、自民、維新は非常に少ないように思えます(私見です)。そんな中、維新(最大会派)にも、障害者の問題に取り組んでいる議員がいるのは、心強いことです。

 

また、今議会では、的場慎一議員(維新)と情報交換しながら、「アルコール健康障害」について取り上げさせてもらいました。

 

言い出したらキリがありませんが、「維新は何でもダメ」なんてことは、全く思っていません。

橋下元代表のことでも、「すごいな」と思う点はいくつもあります。

松井知事についても、これまで正直、いい印象がほとんどなかったのですが(そもそも橋下氏に比べて、情報量が少ないし)、児童自立支援施設について調べている中で、施設に対する考えが「非常にまっとうだなあ」と思ったところです。これは遠からず、別のブログで書きたいと思いますが、堺の施策推進にとっても、ありがたい表明でした。このあたりは、ご本人も認めるところの「過去にやんちゃをしていた」という、当事者の素直な感覚が活きているのでしょう。

 

市当局については、なおさら是々非々です。

 

過去の私の議事録などを見てもらえれば、そこは理解してもらえると思います。

子育て関係を中心に、かなりの不足を指摘し、注文をつけてきました。

シティプロモーションや観光行政における情報発信も然りです。

 

堺市の個人情報流出や、公園の土壌汚染問題などでも、会派としてしっかり批判・追及をしています。当たり前ですけど、とりわけ大きな問題は、議員全員が個々に追及するのではなく、誰かが会派を代表してやります。だから、例え議会での発言がないからと言って、「悪いと思っていない」わけでは、決してありません。質疑の準備手伝ったりすることは、いくらでもあります。(※ただし、それをSNSなどで発信するのは、質疑者の手柄を取るようで、躊躇ってしまうこともあります)

 

 

かなり!前置きが長くなりましたが、なぜこんな当たり前のことをわざわざ書いたかと言えば、以下の私のツイートに対する、様々な反応を見て、がっくり来たからです。

 

◆私のツイート

「堺が建設を予定している中区原池公園の野球場。維新の北野礼一元議員、米田敏文議員が要望し続けた案件だったとは。知らなかった。今日の委員会で聞いて、なんだか新鮮だった。」

 

◆これに対する反応の抜粋

「竹山の責任を軽減・回避しようという魂胆」

「巨額なものを求めていたわけではない」

「少年野球ができる程度の球場の要望を、竹山が勝手に規模を大きくした」

「本当ならば大問題」

 

さらには、要望したことが事実だとわかると、

「米田市議が最善策を取ったと信じたい」

というものまでありました。

 

おそらくこれらは、維新の支持者の方々によるものと思われますが、これらを見て思ったのは、「竹山市長のやることは悪」「維新の議員のやることは正しい」という大前提があるんだな、ということです。

 

だから、「竹山市政の主要プロジェクトが、維新の議員が要望したものだった」などという事実が受け入れられなかったのでしょう。

「そうではないはずだ」という思い込みの中で、妄想的な反応になったのでしょう。

 

このあたりの事実は、議事録を見れば、簡単に調べられます。

お二人の議員が個人的に要望されていただけでなく、平成26年の米田議員の要望は「会派を代表して」のものでした。

また、小さな規模のものではなく、「高校野球や社会人の公式戦」「プロ野球の二軍戦」と、規模に関わる具体的なことにも言及されています。(後者は市長の言葉を紹介したものですが、否定することなく、その直後に「一日も早く」と要望していて、この規模を肯定していることがわかります)

当然、ここまで具体的な規模をイメージされているからには、よほど金銭感覚がおかしくない限り、現在の想定予算に近いものをイメージされていたはずです(現に、この野球場に関する補正予算を維新全員が賛成)。

 

 

私がこのブログで言いたいのは、

 

市民の皆様も「是々非々の発想を!」ということです。

 

維新支持者であれ、竹山市長の支持者であれ、野球場反対の方は、しっかり『双方を』批判すればいいのです。

維新が嫌いな人でも、あるいは竹山市長が嫌いな人でも、野球場が必要だと思う方は、「維新・米田議員、よくやってくれた!」「竹山市長、よく決断した!」と、その件に関しては評価すればいいのです。

なにも野球場に限った話ではありません。

 

全体を見て、好きな政党・政治家、嫌いな政党・政治家は当然でてきます。

ですが、これだけ多様な社会で、数多の政策を打ち出せば、100点満点もないだろうし、逆に0点もないのだと、私は思います。

 

私もこれまで、学童保育の問題に一生懸命取り組んできて、子育て中の友人はそれを評価してくれていましたが、私が事業者選定のプロポーザル導入を是としていることで、えらく怒られました。

でも、それでいいんです。

友人でも、意見が違うことは、当然あります。

 

 

実際の議会は、思いのほか、是々非々です。

維新の市当局への批判を聞いていて、「生ぬるいなあ」と思うこともあります。

竹山市政の子育て政策については、維新もおおむね好意的に評価しています。

市当局相手の話だけではなく、例えば、「維新と共産だけが意見一致」、なんてこともあります。

 

しかし支持者が、是々非々の発想を持っていなければ、いずれ政党や議員もそちらに引っ張られてしまいます。

 

「維新は絶対悪だ!」という支持者ばかりに囲まれていれば、例え維新がいい提案をしても、支持者の目が怖くて応援できないでしょう。

この「維新」の部分を、「竹山」「安倍」「松井」・・・・・と、何に置き換えてもらっても、同じです。

それは、社会にとって不利益なことです。

 

また、「維新は絶対正しい!」と信じ込む支持者ばかりであれば、政治家は努力を怠るようになりますし、簡単に変遷してしまうことでしょう。

支持者の是々非々の目こそが、議員を鍛えるのだと思います。

 

今回は、維新の支持者とおぼしき方からの反応を基に書きましたが、どこの政党でも同じことが言えます。維新の支持者に限った話ではありません。

そのあたりの傾向は、SNSの登場により、ここ数年で非常に強まっているようにも思います。

 

 

政治家が是々非々で政治に臨むことも大事ですが、同様に市民が「是々非々で政治を見る」ということも大事なのです。

 

私を支持してくださる方にも、そうした是々非々の発想で、私に対しても、時に厳しい目を向けてくださればと思います。

 

 

なお、紹介した私のツイートですが、野球場がいいとか悪いとか、ましてや市長の責任回避とか、そんなことを言いたかったのではもちろんありません。「議会は、思いのほか是々非々」と書いたものの、それでも「そうではない傾向」を感じることもあります。

そんな中、竹山市政の主要プロジェクトと言えるものが、「野党会派」と言われがちな維新の会の議員の要望してきたものだったと知り、新鮮かつ、好意的に受け止めたのです。野球場がいいとか悪いとかではありません。「野党会派の提案でも『いい』と判断すれば採用する」という姿勢は、大事だということです。

逆もしかりです。

 

今後も、どの会派も、当局も、是々非々の緊張感を持った議会であればと、願ってやみません。

 

 

 

 

 

 

 

 

堺市議会議員  ふちがみ猛志

意見・提案