業界団体との意見交換
こんにちは。堺市議会議員(堺区)のふちがみ猛志です。
7月と8月のお盆までは議会が閉会中ですが、何もしていないわけではありません。
私たちにとっては、議会活動のアウトプット(報告)の期間であり、また次の議会活動に向けたインプット(勉強)の期間でもあります。
さて先日、堺市医師会、さかい民間教育保育施設連盟の方々との意見交換会がありました。
前者は健康福祉委員として、後者は堺区選出議員としての参加でした。
私はこのような、いわゆる業界団体とのやり取りは、多くの場合、非常に重要で有意義なものだと思っています。今回もそうでした。
が、「業界団体」と言うと、世間は時としてネガティブに捉えることもあるのだなと、改めて感じる出来事(一言?)がありました。
インターン生の一言
私の事務所に勉強に来ているインターンの学生が、私との会話の中で、業界団体のことを「利益団体」と呼んだのです。
彼のイメージはこんな感じです。
とある業界の人たちが集まり、自分たちの利益のために政治家に働きかける。
政治家はその言う通りに動き、その団体に利益をもたらす。
その団体は見返りに政治家を応援する。
団体の構成員に個人の自由はなく、嫌々でもその政治家に投票する。
という具合です。
※こんなかんじか(笑)?
ひょっとすると、「政治家と業界団体」というだけで、このような印象を持つ方が少なくないかもしれません。
そういうことが「まったくない」とまでは言いませんが、多くの場合は「そうではない」と、政治の現場にいる私は思っています。
医師会との意見交換
先日の堺市医師会との意見交換会で出された意見のうち、印象的だったものをいくつか紹介します。
堺市の避難所設置計画における救護所のあり方が、「現実的ではない」との指摘と代替提案。
がん検診の充実を図る上での具体的な提案。
看護師不足の深刻さの解説と、堺市医師会の取り組みの紹介。
などなどで、おおよそ、「医師や医師会の利益を代表するための意見」はありません。
むしろ、がん検診が定着していけば、重病化を防げるわけで、医療費の削減(≒医師の収入減)にもつながりうるものです。
いずれも患者、被災者、市民の利益になりうる、医療の現場・専門家からの建設的な意見ばかりでした。
特に救護所の件にはハッとさせられ、すぐに危機管理室に指摘し、医師会との十分な対話と改善をお願いしたところです。
保育園連盟との意見交換
さかい民間教育保育施設連盟は、わかりやすく言えば、保育園の経営者、園長先生方の会です。
ここでの主なテーマは「保育士不足」「保育士の処遇改善」についてでした。
処遇改善?やっぱり業界の利益を!?と思うのは早計です。
全産業平均から月額10万円ほど安いと言われる保育士の処遇は、保育士不足に直結しており、その保育士不足は、待機児童問題や、保育の質の低下、保育現場における事故の原因にもなっています。
保育の提供は、保育業界ではなく、行政の責務です。これは児童福祉法にも規定されています。
政策決定に関わる我々が「保育の専門性と責任の重さ」を理解し、それに見合った処遇に改善していく上で、現場の実態を知ることは極めて重要なことです。
そもそも自分自身が子育てにまともに関わっていない男性たちが、政治と行政の中枢を占めてきたから、そして保育や子育てを軽んじてきたから、少子化がこれほど深刻になったのです。私はそう思います。
今回の意見交換でも、残念ながら「保育のことがわかっていないな・・」と思われる議員の意見もありました。
私自身はそれなりに子育てに関わってきたつもりではいますが、それでも、保育士の先生方のお話には、いつも多くのことを学ばせてもらっています。
専門家集団から学ぶこと
私は「業界団体」を「専門家集団」だと思っています。
私は私であって、医師でもなければ、保育士でもありません。
それでも医療や保育について、あるいはそれ以外の専門分野についても、議員として関わらなければなりません。
そうした時に、専門家集団とも言える、業界団体からの情報や意見は大変役に立つものです。
私は半導体商社の社員だったので、エレクトロニクス関係のことは、他の議員よりもよく知っているつもりですが、それでもサラリーマンを辞めて政治の世界に来て10数年。
技術は日々進化・変化しており、自動運転バスや、AI、エネルギーマネジメントのことなどなど、専門家である元同僚から情報をもらったりもしています。
とりわけ選挙関連の話になると、業界団体が悪であるかのような発信も見受けられます。
※業界団体と付き合いのあること自体が悪ではないはずで、そうであるかのような表現です。
※維新を支援する業界団体もあります。「ない」はウソであり、「業界団体=悪」という印象操作の一貫だと思います。
しかし、それは「特定の業界団体だけを贔屓する」「業界の利益にはなるなら社会の不利益になることでも推進する」ということがダメなのであって、「社会のためになる専門家としての意見」には大いに耳を傾けるべきであり、そのための健全なお付き合いは、何ら否定されるべきものではありません。
大事なのは中身です。
峻別するのが議員の仕事
逆に、団体ではなく、個人からであっても「自分の利益しか考えていないような意見」はいくらでも出てきます。
それが単なる我儘なのか、社会全体の利益にもつながる提言なのか、それを峻別するのが私たち議員の仕事だと思います。(※判断するのは私たちなので、「我儘と思われるかも」とご自身で先に判断して、意見することを躊躇する必要はありません)
重要なのは、「団体なのか個人なのか」ではないのです。
また、その対応の結果として、その団体なり個人なりが政治家を応援することも当然あるでしょう。それが正当な支援であれば、何ら批判されるものではありません。そうして私を応援してくれるようになった個人はもちろん、団体もあります。
私はそのようなスタンスで、団体であれ個人であれ、お付き合いできたらと思っていますし、その中でも業界団体の「専門家集団としての現場の意見」には、応援の有無に関係なく、丁寧に耳を傾けたいと思っています。
堺市議会議員ふちがみ猛志
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