沖縄視察
沖縄視察の概要をご報告いたします。
(ブログなので概要に留めます。議会事務局に提出するレポートは、もっと詳しいものです。)
■名護市の自転車政策
公共交通機関が乏しく車社会の沖縄で、市民の生活の足として、健康維持の手段として、そして観光のコンテンツとして、名護市が自転車政策に力を入れています。
市民の生活の足としての取り組みは、堺もそれなりに進んでいますが、観光目的では名護がずいぶん先を進んでいました。
①観光向けサイクリングコースの設定
②コース上に、自転車ラックや修理機材を置いたサイクルスポットの設置
③周辺自治体との広域連携
④旅行会社とタイアップしたプロモーション
これらは堺でも十分に参考となるものでした。
堺でも、大和川の堤防に沿って、サイクリングコースが整備されつつあります。
単にコースを作るだけでなく、より使ってもらえるように、②〜④の取り組みを進めたいものです。
いつか大和川→石川→一般道→石津川→堺臨海地域で、ぐるっと一周できるサイクリングコースができればいいなと思っています。
あるいは、石川上流から高野山方面に向かうのもいいかもしれませんね。
■辺野古基地周辺
まず、埋め立てが予定されている大浦湾を、グラスボートで周りました(埋め立てされる海域は立入禁止のため、その周囲)。
サンゴを始めとする、大変美しく貴重な生態系がそこにあり、地元の皆さんがそれを誇りに思って大事にしていることが、よくわかりました。
一方で、「監視船」「調査船」という名目で、多くの漁船が防衛局によってチャーターされ、歪な形で地元に大きなお金が落ちている状況には、なんとも言えない気持ちになりました。
工事を進めるための桟橋建設現場も、離れたところからですが確認しました。
詳細は割愛しますが、今の政治状況が続けば、辺野古基地完成まで50年はかかるとの話も聞きました。それは現場でも感じました。
そうならないために、現政権は沖縄知事選、名護市長選にとてつもない力をかけているようですが…、それはますます対立を深め、ますますこの問題を混迷へと追いやっているようにも見えます。
ここは一度立ち止まって、改めて地元の声に耳を傾け、尊重し、「日本に米軍が必要か」という単純な二項対立ではなく、それが「沖縄に必要か」、さらには「海兵隊が沖縄に必要か」というところまで議論を深めるべきだと思います。
基地建設反対派にはもちろん、賛成派にとっても、その方が急がば回れになるのではないでしょうか。
■糸数アブチラガマ
ここでの体験を文字にするのは、大変難しいものです。
真っ暗闇の洞窟で、無念にも死んでいった負傷兵や、避難してきた住民。懸命に働いたひめゆり隊の少女たち。苛烈な米軍の攻撃。
そんなお話を聞き、戦争の悲惨さ、平和のありがたさ、命の尊さが、身体の奥底に沁み入り、身震いがする思いでした。
とにかくここには色んな人に行ってもらいたいです。特に子どもたちに。
私もいつか、私の子どもがそれなりに理解できる歳になったなら、必ず連れてきます。
あまりに衝撃的な現場で、うまく表現できませんので、この辺で。
■沖縄県の国際物流拠点事業
本州、韓国、中国、ASEAN地域の中間に位置する沖縄は、その地の利を活かして、那覇空港を国際物流拠点「ハブ」として整備を進めています。
全日空や、ヤマト運輸などと連携しての取り組みは、かつて衆議院議員秘書として「ハブ港湾」の取り組みを勉強した私にとって、大変興味深いものでした。
ただしこれは、関西空港が比較対象となる事業ですから、主に大阪府議会の皆さんの研究すべき事例であろうかと思います。
私が勉強になったのは、国内外のビジネスマッチングに、行政が積極的に取り組んでいることです。
堺市でも商談会、展示会などが行われていますが、なかなかマッチングが成功していないようです。
一方で沖縄では、それらの展示会は「初顔合わせ」ではなく、「最終面談」のような場であり、それ以前に、商品情報の雛形を統一したり、各国語への翻訳や、やり取りの仲介などをして、事前商談をずいぶんと進めているというのです。
ここまでやってこそ、初めて成果も上がるというものなのでしょう。
堺市でここまでやるには、産業振興関連のマンパワーをもっと増やさなければならないのかもしれませんが、参考になるものでした。
その他、書きたいことはまだあるのですが、ブログですから、この辺で。
堺市議会議員 ふちがみ猛志