百条委員会報告 無責任極まる二人
昨日、維新の会の小林よしか議員の、政務活動費の不正使用問題を調査する百条委員会が開かれ、
小林議員と、当時秘書だった黒瀬議員への証人尋問が行われました。
今回の証人尋問でも様々な点が明らかになりましたが、私が特に印象的だったのは、
「 真相究明や、自らの潔白を証明する努力を全くしてこなかったこと」
「説明責任を果たすつもりが全くないこと」
です。
まず、前提として、本件の『一部』を整理します。
【本件の概要(の一部)】
1. 業者(黒瀬氏の友人・吉田誠也氏)に 7 万枚のチラシの印刷を 7 回、うち3回は 5.2 万枚をポスティング、残り4回は全数 7 万枚のポスティングを合わせて依頼し、その費用を政務活動費から支出した
2. しかし、 50 万枚ほどにもなるチラシを見た市民はおらず、政務活動費の詐取疑惑が浮上
3. 両議員は、「業者がやってくれているものとばかり思っていた」「全く気付かなかった」「自分たちは被害者である」という主旨の主張を展開
4. 気づかなかった根拠として、業者へのポスティング依頼数が 5.2 万枚だった時に、「差数1.8 万枚が手配り分として事務所に届けられていた」、それ以外の 4 回も「サンプル 100 枚が届けられていた」ことを挙げ、「だから気づかなかった」と主張
5. 他、名刺についても、通常考えられない量の印刷がなされており、その理由を「度々、電話番号や、メールアドレスが変わったため」と説明した上で、こちらは印刷されたものを現認し、確実に配布したと説明
本当に、 1.8 万枚の手配り用チラシ、 100 枚のサンプル、大量の名刺が存在したのかどうか。
私はこれが、両議員が、「(極めて大きな過失はあるものの)被害者」なのか、あるいは、「業者(友人)と共謀した加害者」なのかを見極めるポイントだと捉えてきました。
真相究明への努力について
両議員とも、これまで「真相究明に協力する」と繰り返してきました。
これまでの証人尋問では、手配り分のチラシ(1.8 万枚 x3 )、大量の名刺(1万枚)の現物はおろか、
それを証明するものは、何一つでてきていません。
印刷の実態に関する質問には、「(小林事務所側に)データや書類は全く残っていない」
「業者の吉田氏と連絡できず、情報が取れない」という主張をしてきました。
チラシや名刺の配布に関する質問には、「駅で配布した」「支援者に配った」としつつも、
いつ、どこでという質問には「記憶にない」としてきました。
また、吉田氏の証人尋問を試みましたが、同氏は2度にわたり出頭を拒否しました。
しかし、そこでわかったのが、吉田氏への出頭要請に前後して、黒瀬氏が吉田氏と頻繁にやり取りしていたことでした。
(黒瀬氏に、吉田氏の連絡先を確認するため尋問した際、本人が証言)
そこで、それらの証言から1年ほどが経った今回の証人尋問で、私は以下のようなことを聞きました。
・ 吉田氏に、出頭に応じるようにお願いしたか?
・吉田氏に、チラシの印刷実態に関することを確認したか?
・支援者や家族、同僚議員などに、手元に名刺やチラシが残っていないか確認したか?
その答えは、いずれも「 No 」でした。
しかも、黒瀬氏は頻繁に吉田氏と連絡を取り合いながら、「百条委員会に関する話はしていない」というのです。
黒瀬氏にとって政治生命にかかわる事態です。
吉田氏にとっても、出頭を拒否すると刑事罰に問われる事態です。
その両名が頻繁に電話をしておきながら、その会話をしないなど、こんな不自然なことがあるでしょうか??
私なら、話をしないどころか、「潔白を証明してほしい」と、吉田氏に出頭に応じるようお願いするはずです。
また、小林議員もそうです。
チラシや名刺が、ほんの一枚でも見つけられたなら、自身の潔白を示す物証にもなるのです。
私なら、血眼になって探すでしょう。
あるいは、支援者の方々が「私が持っている!」と名乗りを上げてくれるはずです。
そうしたこともなく、探す努力もしないのは、自分の置かれた立場をよほど理解していないか、あるいは、そもそもチラシや名刺など、全く存在していないことを自身が知っているか、そのどちらかです。
説明責任について
また、真相究明へ努力しないだけでなく、説明責任を果たすつもりもないことが明らかになりました。
両議員は、一昨年 11 月の議員総会で、説明責任について問われ、小林議員は「ホームページで」、
黒瀬議員は「チラシ、インターネット等の広報物を作成して」、説明責任を果たしていく旨を表明しました。
それから、 1 年 5 か月が経過したわけですが、この間の動きを問うたところ、
「何もしていない」という、なんとも無責任な回答が返ってきたのです。
黒瀬議員に関しては、昨年四月の証人尋問でも、私は同じ質問をしましたが、
その時は、「今日が百条委員会なので、そのあと説明をしようと、当初から考えていた」という旨の回答をしました。
母親に「宿題をやったか」と問われ、「今やろうとしていた」と言う、子どもの言い訳のようでした。
しかし、それでもまだやろうというポーズを取るだけ、マシなものでした。
今回は、そんなポーズすら感じることはできませんでした。
なお、この 1 年 5 か月の間に、私が確認できた範囲で少なくとも 2 回、
黒瀬議員はチラシを発行しているようですが、そこには「政務活動費」の「せ」の字も書かれてはおりません。
真相究明するつもりがないこと。
説明責任を果たすつもりがないこと。
おそらく、小林・黒瀬両議員にとって、都合の悪い「真相」があるからでしょう。
こうした状況は、両名は、当事者の自覚、議員としての自覚に著しく欠く者であり、
即刻辞職すべきだと、私は改めて感じました。
堺市議会議員 ふちがみ猛志