給食について
最近、給食が話題になっています。
大阪市が中学校給食を導入したこと、
そしてそれが美味しくない、冷たい、量が足りない、などと、
あれこれ批判に晒されたり、
さらには、堺市でも導入が検討されているからです。
私の考えを述べます。
結論は、
急がなくていい
です。
原則として、全員喫食、あるいは選択制でもそれに近いものを目指すなら、
「美味しい」、「温かい」、「量が調整できる」は当たり前。
また、堺市にはO157の悲劇という、事情もあり、とりわけ安全面は慎重であるべきです。
ですから、自校調理でなければなりません。
自校調理のために、調理場を設置すると、100億円近い予算が必要となります。
現在、学校関連の予算で大規模なものとして、校舎の耐震化と、エアコンの設置があります。
校舎の耐震化は、子どもの命に係わるので優先順位が最も高いものです。
エアコンの設置は温暖化が進む中、まともに勉強できる環境を整える上で不可欠で、「子どもの教育環境」という意味では、次に優先順位が高くなります。
一方で給食は?
堺には選択制給食に限りなく近い、ランチサポートがあります。
弁当を用意できない子どもが当日に注文できる、宅配の弁当です。
大阪市が最近までやっていた選択制給食よりも、喫食率が高く、当日手配可能なため、いいサービスであるとも言えます。
「給食」と呼ばないのは、文科省が定める給食の基準である、牛乳がついていないなどの理由からです。
もちろん栄養価も重要なので、この点はマイナスですが、「弁当の用意できない家庭のサポート」という点においては、役割を果たしています。
それでもなお「給食でなければ」という理由を、求めている保護者の方々に聞くと、
「うちだけランチサポートは恥ずかしい」とか、「毎回頼みづらい」とか、そういった感情の問題が大半です。
そういったものが、子どもの命や、教育環境より優先されるはずもありません。
もちろん、ランチサポート以上に栄養価の高い選択制給食であれば、それに越したことはないのですが、
「給食」という言葉に躍って、「冷たい・美味しくない・少ない」と不評の宅配弁当で「中学校給食を実現した」などと、
体裁だけを取り繕うことは、あってはならないことです。
調理場を作るには、予算的にも時間的にも、簡単にできるものではありません。
「校舎の耐震化、エアコンの設置が終わってから、予算で無理のない範囲で進める。」
これが私の結論です。
当面は弁当+ランチサポートで十分です。
ランチサポートの内容の充実は、個別に図ればいいのです。
もちろん、国や府が、「すべて予算を措置するから、すぐに!」と言うなら、やぶさかではないと思います。
ふちがみ猛志