自宅療養応援パックの対象者が絞られていた件
えーーーっと。
一番下の息子がコロナ陽性となり、明日まで自宅待機となっている、ふちがみ猛志です。
堺市でも連日1000人前後の感染者が出ていますから、その濃厚接触者となり、自宅待機をされている方も大勢いらっしゃることでしょう。
私も初めての自宅待機となったのですが、その立場になって思うこと、気づいたことがいくつかありました。
その1つが、「自宅療養等応援パック」についてです。
これは、陽性者及び濃厚接触者として自宅待機をされている方々に、食料品や日用品をパックにしてお届けするという、堺市の独自施策(当時)です。コロナ禍が始まった最初の5月に実施されたもので、私と同じ会派の西議員が提案、会派としても要望し、実現したものと理解しています。
当初はそれなりにメディアでも報道されましたし、永藤市長もご覧の通りにツイートしています。
で、私も自宅待機となり、早速これをお願いしようと思ったところ、知らぬ間に対象者が「65歳以上、妊婦、基礎疾患のある方」に限定されていたのです。いつから限定されたのかは存じませんが、まあ、限定となったこと自体は、仕方ないでしょう。これだけ感染者・濃厚接触者が増えており、予算にもモノにも限りがあるでしょうから。
ただ、私が気になったのは、限定そのものではなく、限定の仕方でした。
この施策の目的に改めて立ち返ると、それは、買い物のための外出による感染拡大を防止することです。
65歳以上も、妊婦も、基礎疾患のある方も、「感染した時のリスク」は高いと言えるでしょうが、かと言って「感染させてしまうリスク」は、他の方と大差ないはずです。(私は疫学的なことは詳しくわかりませんが、そうだろうと思います)
では、誰がより「感染させてしまうリスク」が高いのかというと、確実に言えるのは、「濃厚接触者よりも陽性者」です。
※もちろん、濃厚接触者も感染している可能性はあるわけですが、確率で言えば、そりゃ陽性者の方が高いに決まっています。
そこでこの施策の対象者を絞るのならば、前提とすべきは「陽性者が買い物に出なければいけない事態を防ぐ」ということであるはずです。
陽性者が買い物で出なければならない事態・・・
それは、65歳以上の方でも、妊婦でもなく、基礎疾患のある方でもなく、、、
一人暮らしの方です。
正確に言えば、「一人暮らしの陽性者」です。(そこには一人暮らしの『高齢の』陽性者、一人暮らしの『妊婦の』陽性者等も含みます)
65歳以上であれ、妊婦であれ、基礎疾患のある方であれ、「陽性者ではない同居人」がいるか、あるいは本人が陽性者でなければ、(陽性者のそれに比べれば)低いリスクで買い物に行けるはずです。しかし、一人暮らしの陽性者は、そうもいきません。
あとは、施策の正確上、「買い物に行きたくても行けない人、行きづらい人」も考慮してあげるべきでだろうと思います。たとえば、「小さな子どものいるシングル家庭」です。感染した幼子に留守番をさせて外出したりはしづらいでしょうし、もちろん、本人(親)が陽性だった場合は、代わりに買い物に行ってもらうこともできないでしょうから。
もちろん、「家族全員が陽性」の場合もそうだと思います。
いずれにしても、「感染拡大防止」という目的に立ち返った時、65歳以上かどうか、妊婦かどうかではなく、「陽性になっていない人で、買い物に行ける同居人がいるかどうか」という観点が大事だと思います。その上で、確実にそれがいない「一人暮らしの陽性者」は、真っ先にこの「自宅療養等応援パック」の対象者として残すべきだったと思います。
ちなみに、この施策の目的には、「感染拡大防止」に加えて、「日常生活をしながら自宅療養することに対する不安や負担を軽減」というものもあります。
この基準で言えば、65歳以上、妊婦、基礎疾患ありの方も合致するのでしょうが、同居人がいない「一人暮らしの陽性者」も相当に不安や負担があるでしょうし、この点からも対象となるべきだったと、私は思っています。
本来、市の施策の恩恵は、同じ市民として公平に受けられるべきですが、予算の都合や、より効率的な施策実施のために、対象者を絞ることは頻繁に行われています。
ただ、その時はぜひ、施策の本来の目的に立ち返った上で、当事者の立場を想像して、絞り込む対象者を決める、あるいは、そもそも絞ることが妥当なのかどうかを判断してほしいと思います。(後半部分は、おでかけ応援バスの議論にも通じます)
私自身も個々の施策をチェックの際には、十分に意識したいと思います。
堺市議会議員ふちがみ猛志