議場への補助者の同席を
堺市議会は、会議規則上、議員が議場に誰かを連れて入ること、同席させることを認めていません。
正確に言えば、「禁止規定」はないものの、「容認規定」もなく、「できない」と解するしかないのです。ハッキリ言えば、「そんなことは想定していない」のです。
そこで私は、会派の仲間の理解ももらって、昨日の議会力向上会議(議会のルールなどを話し合う場)で、これを認める規定を作るよう求めました。
きっかけは、参議院議員選挙で、候補者の斎藤りえさんの演説を聴いたこと。
そして、ご想像の通り、その選挙で重度障がい者である二人の議員が誕生したことです。
前者については、以下のリンク(過去ブログ)をご参照ください
https://fuchigami.info/斉藤りえさんの演説を聴いて/
後者についても、報道で皆様もご存じであろうかと思います。
この時の報道を見てつくづく思ったのが、「普段から(障がい者議員が誕生する前から)こうしたルールは整備しておかなければならない」ということです。
一つは、当事者が誕生してからだと、対象者がハッキリしすぎて「障がいを持った議員のためには」ではなく、「〇〇議員のために、それをするかどうか」というように、議論が矮小化されたり、感情的になったりしかねないからです。時間的にも急を迫られますから、冷静な議論が難しくなります。今回の重度障がい者の議員の件でも、そのような議論が散見されました。
二つ目は、私たち自身にも、それが突然に必要となる可能性があるからです。私たちも今は健常者として、議会での補助を必要としていませんが、事故や病気で中途障がい者となり、それを必要とするようになるかもしれません。そもそも、他人事にせず、「自分もそうなるかもしれない」という当事者意識こそが、障がい福祉政策には必要な視点です。
三つ目は、議会としての姿勢の問題です。「誰が議員になっても、市民の代弁者として、最大限に活動できる環境を整えている」「(被選挙権を持つ)あらゆる市民に、参画の門戸を開けている」という姿勢を、議会と議員は持つべきだと思います。その姿勢があらかじめ示されていないことで、議員にあることを諦めている障がい者がいるかもしれません。
たかだか同席規定で大げさかもしれませんが、そんなことを念頭に、提案させてもらいました。
今後の議題として認めてくださった、同会議の座長をはじめとする委員の皆さん、早速賛意を示してくれた共産党の委員さんに、感謝いたします。
各会派での議論を経て、次回の会議(11月)で改めて議論される予定です。ご理解を頂いて、制度化したいと思います。
堺市議会議員ふちがみ猛志