十一月定例会
私は毎朝、自転車で二人の子どもを保育所に送っています。
経験のない方(特に中高年男性!)にはわからないかもしれませんが、二人の子どもを保育所に送るというのは、かなり大変な作業です。
自転車に乗せるのも、こぐのも、降ろすのも。
保育所であれこれ準備をするのも。
(女性よりも一般的に力のある)男性の私でも大変です。
そして、いつもよく思うのが「同じ保育所でもこれだけ大変なのに、二人の子どもが別々の保育所だったら、どんなに大変だろうな。。。」ということです。
幸い、私の子どもはそうではないけど、私の保育所にも、二カ所に預けている(預けざるを得ない)方がいらっしゃいます。
本当に大変だと思います。
さて、そんな中、気になることがありました。
二人別々の保育所に通っている方が、どちらか一方に転所を希望されるケース。
当然、よくあることです。
しかし、その「転所」の優先順位というのが新規の入所より後回し、、、とまではいかないものの、加点があまりに低く、転所がかなわないケースが非常に多いということです。
例えば、、、
田中さんのお宅では、兄をA保育所に、弟をB保育所に通わせていて、弟のB→Aへの転所を希望しているとします。
しかし、Aには新規入所の申し込みがたくさんあります。
その場合、転所が優先されるわけでもなく、新規入所で勤務状況等で加点の高い方が多いと、まず転所できません。
Aがそれなりに人気の保育所だと、転所は絶望的です。
一見、これは当たり前に思われる方もいるかもしれません。
「別々であっても、保育所に預けられるだけマシ!」という発想です。
しかし、私はそうは思えません。
①弟のB→Aからの転所をさせても、市全体の保育の枠は減らない(Bに一枠、空きがでる)
②「別々であっても入れただけマシな人」ではなく、本来同じ保育所であってしかるべき兄弟を、「別々の保育所という大変な環境で我慢してくれた人」と捉えるべき
③仮に、転所を優先することで、Aの新規入所希望者を、Bにまわすことになったとしても、「兄弟バラバラ」に比べると、圧倒的にマシ。
つまり、酷な順で言えば、、「どこにも入所できない」→「入所できたが兄弟バラバラ」→「希望通りではないが入所できた(子ども一人)」。
以上のように、私は思うのです。
入所を決める中で、加点のウェートが大きいのは、夫婦の勤務状況です。
ただし、それは「どこか保育所に入らなければ困る!」という指標であって、「この保育所でなければ困る!」という指標とは、同一ではないと思うのです。
後者は、「兄弟で同じ保育所に」とか、「医療的ケアが受けられるかどうか」とか、「夫婦の通園に何等かの制約があるとか(足が不自由とか)」、そういうことだと思うのです。
ですから、入所の加点の大きい人から、第一希望に入れるという仕組みより、「この保育所でなければ困る!」を先に希望通り入所させた上で、「どこか保育所に入らなければ困る!」の加点の大きい人を、たとえ希望通りでなくとも、『確実に』どこかに入所させるという進め方にならないものかと思うのです。
さらに言えば、こうした過酷な「別々の保育所」を拒否し、待機児童の道を選んだ時、その児童は、厚労省の基準では「待機児童」として認められれない(カウントされない)のです。
つまり、行政目線で言えば「せっかく保育所を紹介したのに、選り好みした人」となるわけです。
私は、この厚労省の基準自体もおかしいと思っています。
転所が優先されるわけでもない現状。
別々の保育所を拒否することは「選り好み」とされる基準。
本当にそれでいいと思う人は、一週間くらい、毎朝・毎夕、別々の保育所への送り迎えをやって頂きたいものです。
※なお、「別々の保育所」が酷な理由は、送り迎えだけでなく、例えば運動会や発表会などのイベントが重なると、どちらかを諦めなければいけない、、、とか。他にもいろいろあります。
少なくとも、堺市ではこうした現状が少しでも変わるよう、(別々ではないけど)保育所通いの大変さを知る、数少ない議員として、頑張ろうと思います。
堺市議会議員 ふちがみ猛志