NOWLOADING

「混乱を招くから」がより混乱を招く

行政が、市民にとってネガティヴな情報を、「混乱を招くから」との理由で出し渋り、余計に混乱を招いてしまうことが、多々あるように思います。

数日前、大阪府内南部の市町村に、
「府内全域で登下校中の小中学生にトラックで突っ込む殺人ゲームの始まりです。」
という内容のメールが送られてきたそうです。
本当に許しがたいものです。
このメールに関しては、当該市町村が所轄の警察署に相談し、府警本部から府内の全警察署に巡回強化が指示されたようです。
そして、学校園にも連絡が入ったようなのですが、肝心の保護者への連絡はというと、、、
連絡をした学校園も一部あった一方で、ほとんどの学校園では連絡をしなかったようです。
私自身も、友人からの連絡で知りました。
なぜ、こんな情報格差が???
本日、土曜日でしたが、たまたま教育委員会の担当者とバッタリ会ったので、このことを質してみると、
「府警から学校園には連絡があったものの、『余計な混乱を招くから、保護者への情報提供は控えるように』と。ところが、一部の学校園が、早まって情報提供してしまったようです」
とのことでした…。
(あくまで非公式の場での会話です)
なんでしょうかね。
府警の判断は。
大騒ぎになると、愉快犯の思うツボ…。
模倣犯が現れるかもしれない…。
そんなことを考えたのでしょうか?
それはそれで一理あるかもしれません。
しかし、このネット社会、どうせ情報は流れます。
何百という(大阪府南部の)学校園に連絡しておいて、「保護者には情報が漏れない」なんてことは、まずありえません。
現に今回は、いくつかの学校園で、情報提供をしてしまって(?)います。
こうなると、情報提供されていない保護者はどう思うでしょうか?
「あちらには知らせて、なぜこちらには知らせないのだ?」と不信感を抱くでしょうし、個人レベルで情報がまわってくれば、余計に不安になり、混乱することでしょう。
仮に学校園の情報統制がうまくいっても、その犯人が、公開のネット上に情報を流すかもしれません。
あるいは、本当にトラックが突っ込むような惨劇が起きてしまったら…。
その時には、「なぜ、情報を提供しなかったんだ!!」と、大変な問題になってしまうことでしょう。
これは、何も府警に限った話ではありません。
行政にありがちな話で、堺市でも頻繁に起きています。
似たような話では、最近、堺市内の公園で、猫が無残に殺される事件がありましたが、そのことは近隣の数校にのみ知らされ、広く情報提供されることはありませんでした。
それも、提供されなかった保護者の中には、「なぜうちには知らされなかったの?」と、余計に不安を感じられている方がいます。
また、六価クロムによる公園の土壌汚染問題や、アスベストの飛散問題でも、「混乱を招くから」との理由で情報提供が遅れ、余計に混乱や不安を招く事態となりました。
情報提供による混乱より、提供しなかったことが発覚したことで起こる混乱や、そこからくる不安や不信感の方が、よほど大きな問題になるのです。
このネット社会を舐めてはいけません。
私の友人から、先述の脅迫メールについて私に連絡がきて、友人とやりとりをしていたら、私の妻のもとにも、妻の友人から同様の連絡が入りました。
迷ったら情報提供!
いや、迷わずとも、とりわけ、市民の健康や命に関わりかねない、ネガティヴな情報はとにかく発信!
そのことを、堺市も徹底してほしいと思います。
今回の脅迫メールの話を聞き、府警の判断とはいえ、それに従った堺市の対応を知り、「不祥事の教訓はどこへ??」と思わざるを得ませんでした。
残念!
このことは、改めて、市の情報発信の姿勢について、質してみるつもりです。

堺市議会議員  ふちがみ猛志

意見・提案