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リーダーの目標設定~大綱質疑③

いぶん時間が経ってしまいましたが、126日の大綱質疑で、児童自立支援施設に続いて、長い時間を使って質疑をしたのが、百舌鳥古墳群を見渡せる気球についてです。

 

永藤市長は就任間もない7月に、「来年春に、百舌鳥古墳群を見渡せる気球を導入する」と表明し、これまで準備を進めてきました。またこれが、百舌鳥古墳群ガイダンス施設の建設中止の理由の一つにしていましたので(理由として成立するかどうかは疑問)、相当な思い入れがある事業なのは、間違いありません。

 私も兼ねてより、気球の導入を訴えてきましたから、この件については永藤市長と同じベクトルです。ただ、今回の質疑では、リーダーとしての目標設定の仕方については、少々苦言を呈することとなりました。

 

私がこの11月に韓国の水原(スウォン)に視察に赴き、気球に乗り、運営事業者と意見交換したことは、ブログに書きました。

 https://fuchigami.info/百舌鳥古墳群の空に気球を/

現地で確認した一番のポイントは、安全運航はもちろん、経営上の観点からも「天候を読む力」が一番大事だということです。そして、それができるスタッフを育成するのに「半年かかる」ということでした。

 

今回の質疑では、そうした点についても確認をしたところ、市当局としても同様の見解を持っていることを確認できました(市当局も水原に視察に行っているので、そうなるでしょう)。

 それを踏まえ文化観光局長は、「気球の導入には半年かかる」と述べた上で、「来年夏までには」と、これまでの市長が表明した「来春」という目標を、実質的に後ろ倒しする答弁となりました。

現時点で事業者の公募にすら至っていないのですから当然です。

 

しかし、私が改めて市長に、春と言う目標を諦めることになるのか確認したところ、それに明言せぬまま「できるだけ早い導入を目指す」と返答したのです。

新聞の報道によると、「世界遺産登録の商機を逃したくない」と焦る幹部もいるようです。

ですが、これは安全にかかわる案件です。

国内で運行経験のある事業者はない中、現に経験している韓国の事業者が「半年かかる」としているところ、それ以上の短縮を目指すのは、賢明ではありません。

現場を預かる局長が、すでに「夏」だと切り替えています。なのに市長が無理なスケジュールを掲げ続け、「できるだけ早く」と急がせれば、どこかに無理が生じ、そしそれが事故に繋がります

市民の命を守る市長としては、そうではなく、「慌てず、着実に」と指示すべきです。

「失敗を恐れずやる事業」と、「失敗があってはならない事業」で、リーダーは目標設定の仕方を変えるべきです。

 

繰り返しますが、私も気球については導入の日を夢見てきました。

韓国では、素晴らしさを体感し、事業としても十分やっていけると確信しましたから、「一日も早く」という期待もしています。

しかしそこは、グッとこらえての「安全第一」なんです。

こちらが大仙公園の上空150mの景色です。

安全運航の中でこの景色が楽しめる日を、じっくりと待つとしましょう!

 

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

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