NOWLOADING

教育監の最後の答弁

緊急事態宣言が明け、堺市内の公立小学校は、5月後半に週1日の分散登校日が設定されています。私の子どもたちは、今日がその2日目だったんですが・・・。

 

早速、息子が「行きたくない」と学校をボイコット・・

 以前から、そういうことが少なからずある子なんですが…。

 

コロナの長期休校を経て、6月には学校が再開される予定です。

3か月も休んでいた子どもたちですから、すぐには学校生活に馴染めない子、うちの子のように行きたがらない子が、たくさん出てくることでしょう。

大人だって、コロナによる生活環境の変化にストレスを抱えていますから、子どもは尚更です。

しかも、3か月の遅れを取り戻すべく、いつも以上に授業が詰め込みになってしまうことも懸念されます。普段でもついていけない子は、もっとついていけなくなってしまうかもしれません。

 

今年は堺に限らず、いや、日本に限らず、世界中の教師にとって、大変な一年になることだと思います。

 

授業の遅れを取り戻すことも大事ですが、ぜひ、ついていけなくなりそうな子、しんどい子にしっかりと目を向けて頂いて、「子どもが主役の学校」を作ってもらいたいと思います。

 

さて、そんな今年の堺の教育現場を担う皆様に、ご一読頂きたい議会答弁がありましたので、紹介させてもらいます。

 

昨年度いっぱいで退任された、堺市教育委員会の小宅教育監(教育委員会事務局のNo.2)の、文教委員会(319日)での最後の答弁で、私が「公教育への思い」を問うたことへの返答です。

なお、口語調の部分を、若干ですが、読みやすく修正しています。また、私自身が強く共感した部分を強調していますこともご了承ください。

 

※※※

まず、このように発言の機会をいただき感謝申し上げたいと思います。

私の考えを述べさせていただく前に、まず堺市の学校園の卒業式が無事に済みましたことを皆さんに報告させていただきたいと思います。皆様方のご理解とご協力のおかげと感謝しておる次第です。本当にありがとうございました。

 

それでは渕上委員の質問にお答えしてまいります。

先ほどからありましたように、教育にかかわる人を大事にするということは、それは当然子どもに返るものと思っておりますので、しっかりとその辺は認識を新たにしながら、対応していきたいと思っております。(←この前段で日本語指導員の報酬削減を私が批判したことへの返答:渕上注)

 

まず、学校の主役は子どもであるということが、私は一番大切なことだと思っております。このことがぶれてしまうと、ついつい大人の都合が前面に出てきてしまいます。

教育とは、人間が人間らしく、より幸せになるために必要なものであると私は認識しています。だからこそ、教育の中に人権という言葉が生きているのだと思っています。このことを中心に据えて、一人一人を大切にし、教育に携わってきたと自分では思っています。

 

課題のある生徒には多くの時間をかける必要がございます。不登校の生徒、勉強が苦手な生徒、障害のある生徒、問題行動を起こす生徒等々、今思い出しても名前を挙げればキリがありません。

どの子にもだめだというレッテルを張ることなく、切り捨てることなく、人を大切に教育を進めてきたつもりでございます。今でも多くの子どもたちの顔と名前が浮かんできます。その教え子の中にはもう55歳になり、孫の写真を送ってくれる教え子もいます。

私はこの教員の道を選んだことに一点の悔いもございません。また生まれ変わっても教師になりたいと思っています。4月からは立場が変わりますが、これからも子どもを中心に据えた教育を進めていく決意でございます。

 

最後に、私がモットーとしている2つの言葉を紹介させて頂きます。

 

最もよい教師とは、子どもとともに笑う教師である。最もよくない教師とは、子どもを笑う教師である。

 

これは、イギリスのニイルという学者が述べた言葉でございます。

 

もう一つは、重要なのは子どものために心から魂のしみ込んだ言葉を出すこと

 

シュタイナーという今のクロアチアの学者の言葉でございます。

 

議会の皆様、報道関係の皆様、さまざまな場面でご支援、ご配慮いただきましたこと感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

以上で、退任のご挨拶とさせて頂きます。

 

※※※

 

なかなか、文章では伝わらないかもしれませんが、その場にいると、教育者としての半生が目に浮かぶ、感動的な答弁でした。委員会室にいた別の職員からも「あの場にいて、あの答弁が聞けてよかった」という声もありました。

 

学校の主役は子ども

11人を大切にした教育

どの子も切り捨てない

子どもとともに笑う教師

 

言葉で書けば当たり前のことかもしませんが、それを実践してきた教育者だからこその、言葉の重みでした。

どうか、その思いが堺の教育現場に行き渡ることを願っています。

 

 

とブログを書いておりましたら、我が家のインターホンがなりました。

訪ねてきたのは、今朝登校を拒否した息子のために宿題を持ってきてくれた、新しい担任の先生でした。^_^

 

 

堺市議会議員ふちがみ猛志

意見・提案