福祉は誰のため?
要介護状態となった方の自宅には、介護保険から、それに応じた設備の設置費用が出される。
こういう手すりとか。
その方は交通事故で大怪我をされ、長い入院生活を送った方。
もちろんその最中に、要介護認定されており、現在も車椅子生活を送られている。
その方が退院し、事故以来の帰宅となった時のこと。
退院の日が決まり、それまでに介護保険で手すりをつけてほしいとケアマネージャーにお願いしたところ、、
答えは、NG!
法律では、「現に家にいる状態」「使える状況」でないとダメなんだと。
つまり、退院して、家に住み始めてからでないとできないと。
何度お願いしても、ダメ。
結局、工事は退院、帰宅後に。
そのため、退院初日は手すりなし!!
身体が不自由な状態で、退院初日は家の中を這いつくばるように移動し、身体は傷だらけに。
本当に惨めで、辛かったと。
なんで、なんで???
退院日が決まってんだから、それまでにやってあげないと!!
そう思ってこの事例について、知り合いのケアマネージャーに聞いてみた。
「たしかにあり得る」
と。
やはり法律では、手すりなどを本人が実際に使わないと、介護保険からお金がおりない。
つまり、仮に退院前に工事をして、その後に退院が延期になり、そして病気が悪化して退院せずに亡くなったら‥、
手すりを使わずじまいになったら‥、
介護保険はおりない。
よって、工事費用は家族の負担。
独り身だと、遺産からああして、こうして、、、。
そうなると非常にややこしい。
だから、ケアマネージャーがそうなる危険性を嫌がるのだと。
なんとかならんのかね!
私が話を聞いたケアマネージャー曰く、
ケアマネージャーが、「もし退院が延期になり、、、家族負担が、、」という可能性をしっかり家族に説明し、了承を得た上で、退院前にやればいいのだと。
やれる、というと語弊があるが、「制度的にできる」というより、「そうして柔軟に対応すればよい」と。
なるほど。
でも、本来であれば、ケアマネージャーの柔軟に対応に頼るのではなく、制度そのものが、こういう事例を想定しないといけないのだと思う。
介護保険は誰のため?
福祉は誰のため?
介護が必要な人のため。
生活に困っている人のため。
介護が必要な人が、たとえ一日、二日でも、こんな思いをして生活するなんて、本末転倒やで!
ふちがみ猛志