住民投票を今やるという暴挙
大阪都構想の2度目の住民投票が実施されることになりました。11月1日となる見込みです。
大阪都構想の問題点については、山のようにあありますから、今後、少しずつ書いていこうと思いますが、何はなくとも私が今、怒りと呆れを持って思うのは、
なぜ、コロナ禍の今やるのか????
ということです。
①住民投票には膨大な労力が必要
②住民運動はコロナの感染拡大リスク
③(可決されたら)政令市分割に超膨大な労力が必要
①②は通常の選挙でも言えることですが、議員や首長には法で定められた任期があり、その任期ごとに選挙をすることは、民主主義の根幹をなすものですからね。
実質的に政治家(首長&議員)の判断で「今やる」と決めた今回の選挙とは、同じにできないでしょう。
通常の選挙にはない、都構想の説明会なども必要ですから、さらに負担大です(①)。
そして、職員だけではありません。吉村知事・松井市長を筆頭に、大阪中の多くの政治家・議員がこの狂騒曲に身を投じるのです。
また、②の観点では、通常とは違い公選法に制約されない住民投票ですから、街頭活動が熾烈を極めます。そのことは、1度目の住民投票で立証済みです。大阪市外からも多くの運動員がかき集められますし、そのことは…、と危惧するわけです。
※「だったらオマエは運動するなよ」というツッコミを予測しますが、③をはじめ、都構想の膨大な問題点を考えれば、私も否決に向けて反対運動をせざるを得ません。
そして、何といっても③です。
日本の歴史上、少なくとも戦後、このような大規模な自治体の分割は初めてでしょう。
合併ではなく、分割です。足すのでも大変なのに、割るのです。
これを楽観視する人は、ケーキを四つに切るかのような感覚なのかもしれませんが…、
人員や財産を公平に4つに分けること、
1つしかない機能は残り3つを新設すること、
それらに伴う全部署での引継ぎ作業、
分割や新設ができない組織や財産は、4者で運営・管理するルールを作ること、
等々、とてつもない作業が待ち受けています。
(この点については、別のブログでもう少し書いてみようと思います。)
平時でも大変な①②③を、コロナ禍にあえてぶつけますかね?
しかも、それに万博関連事業が加わるなんて、もはや狂気の沙汰です。
コロナ対策がないがしろになってしまうのは、間違いありません。断言します。
都構想に賛成の方にも、「今じゃないでしょ」ということには気づいてもらいたかったのですが、もはや時すでに遅しです。
溜息しか出ませんが…、これかれ始まるコロナと市民の生活を置き去りにした日々を、せめてあと2ヶ月だけにせねばと思っています。
堺市議会議員ふちがみ猛志