二重行政のムダは本当にあるのか②公共施設編
大阪市廃止分割(いわゆる大阪都構想)の賛成で一番多い理由「二重行政のムダを解消できる」について、4回シリーズでブログにしています。
1回目は「破綻事業編」として、「いえいえ、二重行政と関係ないですよ、バブルのムダですよ」という話としました。
1.破綻事業編
2.公共施設編
3.あるにはあるけど編
4.成長戦略編
今回は「公共施設編」です。
というより、「こんなん、そもそもムダでもなんでもないわ!編」です。
前回挙げた、維新(賛成派)が「ムダ」としているものの事例、オーク200や、オスカードリーム等々は、たしかに破綻していますから、ムダはムダです。(ただし、二重行政ではなく、バブルのムダ!)
しかし、以下のような公共施設をムダとした事例はどうでしょうか?
グランキューブ、インテックス大阪、ドーンセンター、クレオ大阪中央、府立中央図書館、市立中央図書館・・・
(※りんくうゲートタワーとWTCについては第3回で触れます)
こうやって、建物(ハコモノ?)の写真を並べられると、いかにもムダに見えてしまいますよね。
でも、これらの施設、機能が類似しているものはありますが、十分に稼働しているんです。
2つあることで、限られたパイ(需要)を食い合って供給過剰になっているのであれば、ムダかもしれません。しかし、そうではないんです。
国際展示場は、成長戦略に必要じゃないんですかね?
だから、夢洲にカジノとセットでさらに国際展示場を作るんですよね?(3つ目の展示場で供給過剰とならないか、精査が必要です)
都心部にあるグランキューブは貴重で使い勝手がいいし、一方で警備のしやすい臨海部のインテックス大阪があったから、G20を誘致できたんですよね?
ドーンセンターとクレオ大阪、どちらかがなかったら、市民が会議や催しをやるスペースが絶対に足りなくなるはずですよ(供給不足になる)。
また、クレオ大阪の男女共同参画事業なんて、維新の市議が好例として議会で紹介していたほどです。
中央図書館なんて、こんなところに挙げるのもバカバカしいレベルです。図書館が多くて何がいけないんですかね?
だいたい、彼らの目指す東京都だって、東京都立中央図書館と区立中央図書館があるんです。(それを二重って言うんですかね?だったら都構想では解消しませんね)
というか、むしろ、大阪市を四分割することで、各特別区ごとに区内の図書館を統括する中央図書館が必要になるはずです。
他にも、かつては体育館なんかも二重行政だとしていましたね。
また、大阪府立大学・大阪市立大学や、府立病院・住吉市民病院なども。
批判されるべき二重行政とは、「類似の行政サービスを提供していること」、その上で、「供給過剰に陥っていること、ムダになっていること」です。
市民にとって必要なものは、必要なんです。
大事なのは需要と供給がマッチしているかどうかです。
2つあるから二重行政とは、なんと短絡的なことでしょうか。
こういうものを「二重行政のムダ」としたり、「ハコモノ」と攻撃するあたりに、彼らの「公共」に対する姿勢が見て取れるわけです。
無償化とか、〇〇代助成とか、お金に関することだけが行政サービスではありません。
市民の文化的な生活に必要な建物はたくさんあり、営利では成り立たないから、公共が建てる。当たり前のことです。東京都と23区だって、そうしています!
あー、バカバカしい!!
堺市議会議員ふちがみ猛志