児童生徒のマスクの着用のこと
こんにちは。堺市議会議員(堺区)のふちがみ猛志です。
暑さ寒さも彼岸まで。
と言いつつ、まだまだ暑い日が続いていますね。
さて、今日は「暑い日のマスク」について書きたいと思います。
この夏の猛暑は過酷でしたね。
それでも街中ではマスクをつけた方がたくさんいて、「大丈夫かなあ?」と心配にもなりました。
マスクをつけるも外すも自由でしょ!?
はい、もちろんそうです。
でもそれが子どもなら、暑い日なら、運動している時なら、、、どうでしょうか??
私のマスクの捉え方
まず、私のマスクについての捉え方から書いておきますが、
正直なところ、科学的な面については、詳しいことはよくわかりません。
コロナ禍以来、「マスク着用を徹底すべき」という人からも、「マスクは有害だ」という人からも、色んな話を聞きました。
感染対策になる?ならない?
双方の意見を聴きましたが、私は専門家ではないのでその多くは判断がつきません。
ただし、専門家や議員の立場ではなく、自分でマスクをつけていてごくごくシンプルに思うのは、
つけないよりは、つけた方が息苦しい。
そして、マスクをつけた人と会話するとコミュニケーションがとりづらい。
ということです。
教育委員会のスタンス
堺市教育委員会は今年度に入り、教育長名でマスク着用に関するメッセージを発出しました。
そこで目を引いたのが、下の二つの文章です。
(子どもたち向けに)
「暑い日や運動するときにマスクをつけていると、体調が悪くなることがありますので、はずすようにしましょう」
(保護者向けに)
「マスクをはずすことで得られるコミュニケーションの大切さについても、ご家庭でお話していただきたい」
というものです。
この文書では「マスクの着脱は個人の判断」であり、「意思は尊重されなければならない」としつつも、暑い時、運動の時については「自由」とか「はずしていいよ」ではなく、「はずすようにしましょう」とハッキリとした立場を取っています。
また、マスクのもう一つのデメリットについても、しっかりと表現しているのです。
いずれの内容も当然と言えば当然なのでしょうが、これまでは「マスクをつけるように」と徹底してきたわけで、役所にしては珍しく、よくもここまでハッキリと舵を切ったなと、ある種の清々しさを感じました。
教育長メッセージの扱い
この教育長メッセージは、4月の時点で堺市のホームページに、暑くなってきた6月にはそのリンクを貼る形で、各学校のホームページのトップ画面に掲載されました。今日の時点でもそのリンクは貼られたままです(以下URL)。
特定の文書にここまでの扱いをすることは異例で、それほどに「伝えたいメッセージ」なのだということを、教育委員会も質疑の中で認めています。
それほどに伝えたかったのは、(言うまでもないことですが)暑い時や運動時のマスク着用が、熱中症のリスクを高めるからです。健康や、時に命にかかわる問題にもなりうるからです。
実際にマスクをつけている児童数
本題はここからです(前置きが長くてすいません!)。
堺市教育委員会が「暑い日や運動するときにマスクをはずすようにしましょう」とメッセージを送っているのに対し、実際はどうでしょうか?
私は7月19日、夏休みの直前の暑い盛りです。
ある小学校の門の前で、登校時間にカチャカチャとカウントしたんですが、、、、
マスクをつけている子 279
マスクをつけていない子 575
※マスクをつけていても、鼻まで出している子は「つけていない」にカウント
となりました。つけている児童の割合は32.5%です。
念のため書き添えておきますと、登下校時は「運動するとき」と同じ扱いで、文科省も堺市教育委員会も「外すよう指導」しています。
また、この32.5%という数字は、別の学校に行っても大差はないだろうと思います(知り合いに確認した範囲では)。
「外すようにしましょう」としながら、依然として3割ほどの子が外していない、あるいは外せない。
私の「教育長メッセージは目的を達成できているか」という問いに、教育委員会は「現場ではまだまだ浸透していない」と答弁しました。
着の取り組みと脱の取り組み
コロナ禍の3年あまり、特に最初の1年の「マスクを着けよう」という圧力は、凄まじいものがありました。
当時の社会情勢を考えるとそれも仕方なかったことだと私は思いますが、それにしても、学校も含む行政の現場での取り組みも、並々ならぬものでした。
※こんなポスターがあった一方で「自由ですよ」とか「熱中症リスクが」なんてポスターは見かけません。
堺市のある学校園では、マスクをつけていない子が学校に入れてもらえないという事態まで起こりました(それはやりすぎだったと個人的には思います)。
そして、そうした取り組みの結果として、この3年間でマスク着用が多くの子どもたちの中で当たり前のこととなったわけです。
その「着」の取り組みと比較して、「脱」の取り組みはどうでしょう。
「はずしましょう」という立場を取りながら、あまりに弱いと言わざるを得ません。同じ強さでできていたら、3割の子が外さないなんて結果にはならないでしょう。
もちろん、無理やりはずさせようとするものではありません。
「はずしたくない」「はずせない」と思う気持ちに寄り添いつつ、熱中症のリスクなどを本人や保護者に諭したり、あるいは先生方が暑い日・運動時には率先してはずすなどして、自然とはずせる状況を作ったりすべきだと思います。
もう少し「脱」の取り組みを強化すべきと思います。
これは私が「はずすべき」と思っているのではなく、教育委員会が(暑い日や運動時は)「はずしましょう」という立場を取っているから言うのです。
「はずしましょう」という立場を取りながら、それが「浸透していない」と認めた教育委員会は、きっと何か次のアクションを取ってくれるだろうと思います。
情報発信のあり方としていかがか
蛇足的ですが、このやり取りでもう一つ気になったのが、情報発信の仕方です。
「伝えたいメッセージだから」と、市や学校のホームページに掲載された教育長メッセージですが、、、、それそのものが紙で配布されたわけではありません。
一方で、紙で配布される資料は山のようにあります。
この教育長メッセージがどれほどの方の目に触れたかと言うと、ホームページのアクセス数は、
4月で2105件、全学校園のトップページに掲載した6月でも7579件です。
堺市の公立に通う小中学生は約6万人ですから、、、紙で配った方がよほど早く、広く浸透しそうですよね。
行政から市民に伝えたいメッセージは、重要性と緊急性が様々ですが、それに応じて伝え方も変えるべきですが、少なくともこの教育長メッセージの伝え方は、うまくいったとは言えないでしょうね。
そんなことについても、改善をお願いした事案でした。
いずれにしても、実質的にも、また精神的にも感染の心配がなく、お互いに笑顔を見せ合える社会に早く戻ることを願っています。
※このブログの内容に関する質疑は、以下のURLからご覧になれます。
http://www.kensakusystem.jp/sakai-vod/committee/video/R05/R050921-04-14.html
堺市議会議員ふちがみ猛志
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